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がん治療記x受験奮闘記

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コロナ禍でのがん治療をしながら地方国立大学薬学部に現役合格した大学生の書くがん闘病記x受験奮闘記 がん治療の中で経験した症状や精神疾患についてや 共通テスト元年の大学受験について…
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#受験

【がん治療記x受験奮闘記】友人(1)

 入院から1週間が経過しようとしていた頃、明言は避けるが男性として必然的なある悩みを抱えることとなる。男子高校生が1週間もそれを我慢するというのはかなり難しい。そこで僕は文系の友人にLINEでこんなメッセージを送った。
「我欲慰自 是衝動如何」
 なんともくだらないメッセージだったが、友人はこう返してきた。
「使看護師慰若」
 嬉しかった。こんなくだらない会話に付き合ってくれる友人を持ってよかった

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【がん治療記x受験奮闘記】英検

 手術後、脳神経外科の病棟に戻ってすぐに僕は英検準1級2次試験の勉強を始めた。「脳腫瘍の発見(2)」で述べたように、手術後に退院できればその試験を受けることができ、もし合格すれば第一志望校の2次試験の英語に10点の加点があるからである。手術後の回復は順調で抜糸も予定通りの日に行われた。2次試験はスピーキングの試験なので本来は口に出して練習するものだが、大部屋の病室ではそれができないため頭の中で練習

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【がん治療記x受験奮闘記】修学旅行の中止

受験生になる前の最後のビッグイベント、修学旅行が新型コロナウイルスによって中止に追い込まれた。中高一貫校に通っていた僕にとって5年間楽しみにしていたそれはあっけなく消えた。高校2年生の最後に修学旅行に行きそこで切り替えて受験に挑むという予定が崩れ、気合の入りきらないまま受験生を迎えてしまった。