マガジンのカバー画像

がん治療記x受験奮闘記

21
コロナ禍でのがん治療をしながら地方国立大学薬学部に現役合格した大学生の書くがん闘病記x受験奮闘記 がん治療の中で経験した症状や精神疾患についてや 共通テスト元年の大学受験について…
運営しているクリエイター

#放射線治療

【がん治療記x受験奮闘記】放射線治療(1)

 8月31日、抗がん剤治療の開始と同じ日、放射線治療も始まった。初日は何もなかった。数日前に作った樹脂でできたマスクをつけてCTやMRIと同じように機械の上に寝て待つだけである。CTよりは時間はかかるがMRIのようにうるさくはなくとても楽だと感じた。
 放射線を照射されながら考える。この放射線の種類は何だろう。もし電磁波であるのならばそれはどのくらいの波長をもつのだろう。X線やγ線は紫外線より短い

もっとみる

【がん治療記x受験奮闘記】治療の説明(2)

 脳神経外科の医師からの説明として別日に放射線科の医師からも説明があった。その時は主に放射線治療についての説明だった。まず医師はこの腫瘍は手術で治るものではないという。そのうえで放射線治療の重要性を伝えられた。抗がん剤治療のみでは再発の危険性が高くなってしまうらしい。
 治療の具体的な内容は8月31日から3週間、週5回脳全体に放射線を照射するというものだ。副作用は照射している部分の脱毛と皮膚炎、嘔

もっとみる

【がん治療記x受験奮闘記】治療の説明(1)

 手術から9日後、8月22日、脳神経外科の医師から腫瘍とその治療についての説明があった。手術により僕の脳腫瘍は胚細胞腫瘍のジャーミノーマピュアであることが分かった。この腫瘍は人が胎児になる前の段階である胚の時の細胞が原因となって発生すると言われているそうだ。また、10~30歳代の日本人男性に多い腫瘍らしい。この腫瘍は治療が良く効くため10年生存率は90%以上、20年生存率は80%以上とがんの中では

もっとみる

【がん治療記x受験奮闘記】修学旅行の中止

受験生になる前の最後のビッグイベント、修学旅行が新型コロナウイルスによって中止に追い込まれた。中高一貫校に通っていた僕にとって5年間楽しみにしていたそれはあっけなく消えた。高校2年生の最後に修学旅行に行きそこで切り替えて受験に挑むという予定が崩れ、気合の入りきらないまま受験生を迎えてしまった。