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【挫折学】講義⑪「人間は社会的な生き物」
また、自分一人で生きているのなら徐々に気持ちの整理がついてくるかもしれませんが、人間は社会的な生き物ですから、どうしても他者からの刺激を受けてしまいます。
例えば、プロを目指していたサッカー選手が、「自分がなれなかったプロに同期がなって活躍している」姿を目にしたり、自分が行きたかった大学に楽しく通っている友人の話を聞いたりと、自分が望んでいたけど手に入れられなかったものを周囲が手に入れていると知れば、気持ちはざわつき、当然相対的に、自分の無価値感や嫉妬心は高まりやすいように思います。
本来なら自分が手にしていると思っていたイメージを、嫌でも見せつけられるわけです。「それに引き換え自分は……」と思わされる瞬間ではないでしょうか。
できることなら、人は人、あくまでも自分は自分だと思いたい。相対的な比較をしたところで自分の状況は変わらないので、気にする必要はないわけです。
しかし、それまでの学校教育や校外活動のシーンなどにおいて、どうしても順位や序列を経験してきた私たちですから、無意識のうちに比較する癖はついてしまっているものです。
悔しさをエネルギーに変えられればいいものの、やはり自分の努力だけでは追いつけない部分もあり、そうなると、長い間、比較に悩まされることになります。
これはやはり、
「人よりも成長しなければならない」
「もっと上に行かなければいけない」
「その挫折を糧にしなければならない」
そういったことが、自分たちに小さい頃から刷り込まれていることからくる苦しさなのかもしれません。
(【挫折学】講義⑫につづく)