2021年5月に読んだ本
あまり本に触れる時間を作れなかった5月。それに加えて、なかなか読み進められない本にぶち当たってしまった。
『これからの「正義」の話をしよう』でお馴染みのマイケル・サンデル氏の新著が4月下旬に発売され、良いらしいというので買ってみた。はっきり言って内容はかなり難しく、第二章の途中まで読んで一旦置いておく事にした。寝る前や通勤途中といった日々の生活の合間合間に読むには、かなり文章構造が複雑で込み入っており、一度読むのをやめて次読もうと思った時には(あれ、今なんの話をしてるんだっけ?)ということが相当な確率で起こる。読んでる途中ですら起こる。まとめてバーっと読む時間を確保して読みたい本だけれど、長時間読み続けるのにも骨が折れるので、ひとまず横に置いておく事に決めた。また気分が向いてきた時に。。。
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伊藤洋志著『イドコロをつくる』は友人に勧められて手に取ったが、最近の中ではかなり自分に刺さった一冊。大学生の頃に「行きつけのカフェを持ちたい」とか「英語をたくさん使えるサークルに所属したい」とか色々なイドコロ・場に足を向けていた自分をふと思い出した。それは一種の自己投資であり、自己実現の手段でもあったのだが、社会人になってからその機会はめっきり減ってしまった。本書を読んでみて、(よし、いっちょイドコロを作るか!)という前向きな気分になれたのがよかった。行動が制限されがちな今だからこそ読む価値のある本だと思う。
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2021年5月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:753ページ
ナイス数:253ナイス
■イドコロをつくる: 乱世で正気を失わないための暮らし方
本書では、家族や職場といった生活の中で自ずと生じる「自然系イドコロ」と、趣味や公共空間、お店といった「獲得系イドコロ」の2つに社会生活の場を分類している。それらを複数持つことで人は正気を失わずに暮らすことができるというのが著者の主張だ。
日頃通える小さいお店や文明から離れて一人になれる空間を持つことで色んなアイディアやアドバイスを得ることができ、自分の考えが偏っていないか再認識することができる。
人は簡単に狂うし間違った方向に進んでしまう。そんな時にふと立ち止まれる「イドコロ」が今、社会に求められている。
読了日:05月18日 著者:伊藤 洋志
■肉体の学校 (ちくま文庫)
中年の華族の女性・妙子とゲイバーのバーテンダーとして働く青年・千吉の一時のラブストーリーが主題。
とはいえ同著『潮騒』に見られたような甘く純な恋愛物語ではなく、見栄や虚勢、嘘や浮気のオンパレードである。 千吉の奔放さに振り回されドキドキハラハラする、女学生のような恋愛を愉しむ(苦しむ)妙子が最後には「私はもう学校を卒業したんだもの」とタイトルとリンクした台詞を吐く。彼女にとっての恋愛は、自分がもう一段大人になるための通過儀礼に過ぎなかったのかもしれない。
読了日:05月11日 著者:三島 由紀夫
■52ヘルツのクジラたち (単行本)
2020年度読書メーター of the year 第一位、本屋大賞第一位の話題作。家族に愛されず育った主人公・貴瑚は自殺を思い立った所で高校時代の友人・美晴と美晴の会社の先輩・アンさんにその生命を救われる。彼らの助けにより家族の束縛から解放された貴瑚は''魂の番''となる男と出逢いを果たすが……
DVの描写が生々しく思わず目を背けたくなるようなシーンもあるが、優しさに溢れた登場人物も多く救われる思いがする。担任の教師が三者面談でふと気を利かせたつもりの一言が逆に主人公を苦しませ本人は満足してる様はシニカル
読了日:05月04日 著者:町田 そのこ
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