note本棚『一分間だけ』

子供時代、ペット禁止の社宅育ちなので
私はペットを飼ったことがない。
(記憶にあるのは、弟が連れて帰ってきたザリガニとカブトムシぐらい)

小学校低学年くらいまで祖父の家に居た
雑種犬のシロ(見た目真っ白だから)
黒猫のクロ(もちろん見た目が真っ黒だから)という
どストレートな祖母のネーミングセンスの2匹。
年に1,2回会うぐらいのその2匹がたぶん、私の人生で一番身近なペット。

そんなペットほぼ未経験な私でも、読んでいるうちにどんどん
リラ(主人公の飼っている愛犬の名前)と一緒に日々過ごしている気分で
最後の方はずっと涙が止まらなかった。
ペットを飼っている人は、きっと実生活とめっちゃ重なってより
いろいろ気持ちがわかるんだろうなーと。

雑誌編集者として忙しく働く藍の仕事のシーンは気持ちよく、
かっこいいキャリアウーマンで。
リラとのプライベートな時間があるからこそ頑張れるんだろうけど、
忙しいと『本当に大切なもの』が何なのかを忘れちゃう感じもリアルで
悩ましいよね・・・それでもやっぱそうだよね・・・うううみたいな。
(毎度お馴染み乏しい語彙力!開き治りスタイル!)

おかんが冗談半分な感じで『あー犬飼いたいー』と言ったことがあって。
子供の頃、常に犬を飼っていたおかんが言うに犬というのは
『こっちがちょっとだるいなーって思ってると様子を察して、
近くに来てクンクン言って
(どうしたんすか?具合悪いんすか?大丈夫っすか?
自分何もできないけど、ここにいますから!)
みたいな眼差しで心配そうに見てくるあの感じ、可愛いんだよねー』と。
この本を読む前だったので、え?!犬とそんな会話できんの?!ってか
何その優しさ!それ本当だとしたら、飼おうよ!と冗談で返したけど
犬との生活、犬優先になった生活。
物語の中でのセリフ『人間の都合で犬の習慣をころころ変えるなんて、こいつがかわいそうだろ』って言葉が、本当に一緒に生活するなら
責任を持たないといけないって、当たり前のことを改めて考えさせられた。
一緒に生きることの大切さや難しさは、自分以外の命という点では
人も犬も関係ないんだろうな、と。

今後どんな生活スタイルで、環境でどんな時間を過ごしていくか分からないけれど
いつかオカンがまた犬を飼える環境で過ごせるようにしたいなーと、何気ない一言だったけど
この本を読んでふと静かに、強く、思いました。
私のやりたいことの一つ。
(犬も猫も見る分には可愛いー♡ってすごく思うけど、慣れてないから怖くて触れない。予測不能な動きにびびりまくるのが現状。ってことで、その恐怖心を無くすことから始めなければ...道のり長し!笑)

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