【GameWith】eスポーツ事業の概況と成長戦略
皆さまこんにちは。GameWith IR担当でございます。
最近何かと話題になり知名度も大きく向上している「eスポーツ」ですが、IRの観点で事業として開示を行っている会社はほとんどないかと思います。GameWithは、国内No.1ゲームメディアを運営する会社であるとともに、国内初「eスポーツに関するセグメント開示」も行っている会社(※当社調べ)でもあります。
直近でeスポーツ事業に関して動きもありましたので、改めて当社のeスポーツ事業の概況や強み、成長戦略について記事にしてみました。
GameWithにおけるeスポーツ事業の位置づけ
なぜeスポーツ事業に取り組むのか
まず、なぜGameWithがeスポーツ事業に取り組んでいるのかについでですが、一言で言えば企業理念「ゲームをより楽しめる世界を創る」を実現するためです。
ひと昔前までは、ゲームはどちらかというと「悪」だったと思います。私も小さい頃はよく親から「ゲームばかりしてるとゲーム脳になるからやめなさい」と言われました(世代がバレますね)。
GameWithは、すべてのゲーマーがゲームに熱中し、ゲームで繋がり、ゲームを仕事にして誇れる、そんな世界を創ることを企業理念に掲げています。
ゲームが仕事になり憧れの的となる「eスポーツ」は、そんな企業理念をまさに体現するものとして、GameWithは比較的早い段階から取り組んでいます。
eスポーツ事業の売上規模
GameWithの2023年5月期年間における「eスポーツ・エンタメ」セグメントの売上高は8.7億円で前年比42.2%増となっています。
売上構成比としてはGameWith全体の約25%を占めており、主力のメディア事業に次ぐ第2の柱として成長を目指して最も注力している事業のひとつです。
セグメント利益としては中長期的な成長を目指した先行投資のため現状赤字ですが、早期のEBITDAベースでの黒字化を目標に掲げています。
eスポーツ売上の内訳
GameWithのeスポーツ事業は、様々なマネタイズポイントを持っており、ひとつの収益源に依存することがないバランスのよい収益構成を実現しています。
JeSU(日本eスポーツ連合)が公表している日本のeスポーツ市場規模の項目別割合と比較しても、大会賞金・支援金の割合が多く、競技シーンやパブリッシャーとのつながりにおいて強みがあることがみてとれます。
eスポーツチーム「DetonatioN FocusMe」
GameWithのeスポーツ事業の中核をなすのが、子会社である株式会社DetonatioNが運営するeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe(以下、DFM)」です。このパートはDFMの概要や強みについて書いていきます。
eスポーツの歴史とDetonatioNの歩み
「eスポーツ」という言葉が登場したのは2000年代と言われているようです。現在もeスポーツを代表するタイトルとしてあげられる「League of Legends(以下、LoL)」が発売されたのも2009年です。
日本はどうかというと、一般社団法人 日本eスポーツ連合(JeSU)が発足し、活動の方針も明確になってきた2018年が、日本のeスポーツ元年と言われています。
参考:経済産業省「日本のeスポーツの発展に向けて 」
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2019FY/030486.pdf
そんな中、DetonaitoNは2012年という早い段階からeスポーツチームとして活動を開始しています。また、2015年には国内初のプロゲーミング専業・フルタイム制を導入するなど、日本のeスポーツチームのパイオニア的存在として活躍してきました。
別途2018年よりeスポーツ事業を開始していたGameWithにグループ入りしたのが2021年です。これにより、当社のeスポーツ事業は飛躍的にレベルアップしました。翌年にはeスポーツチームを統合し、DFMに一本化しています。
DFMの代表的な戦績
DFMの特徴としては、国内だけでなく世界的に人気なeスポーツを代表するタイトルであるLoLとVALORANTにおいて国内トップクラスの実力を誇る点があげられ、グローバル市場で成長するポテンシャルは国内eスポーツチームの中でも随一です。
LoLは、国内リーグ6連覇を達成し、世界大会では日本チームとして最高成績のベスト16を達成しています。VALORANTは、日本から2チームのみが選出されたうちの1チームとして世界屈指の強豪チームが集結するリーグに参加し、アジアパシフィック地域のリーグに出場しています。世界の壁は厚く成績はこれからですが、eスポーツ大国である韓国を拠点に戦っています。
また、VALORANT部門については開発元であるライアットゲームズとの戦略的パートナーシップを2022年に締結しており、上記のインターナショナルリーグ参加権のみならず、共に長期的かつ安定的にeスポーツシーンを成長させていくという目的のもと、経済的支援も充実しており、マネタイズの観点でも大きな価値があります。例えば、2023年の世界大会期間に販売されたゲーム内グッズの売上が4,000万ドル(約58億円)を突破し、半分がリーグ参加チームに分配されています。
この他にも、ストリートファイター6部門が直近の国内リーグで2位入賞、eFootball部門のLeva選手がアジアサッカー連盟(AFC)が初めて開催する「AFC eアジアカップ2023」に日本代表選手として出場するなど、数多くの日本代表や世界大会出場経験を持っています。
DFMの強み
まとめると、DFMの強みは、競技シーンにおける強さと、2012年から活動しているeスポーツのパイオニア的存在としてのコネクションや営業力を活用したBtoBビジネスにあるといえます。
ビジネス面では、大会賞金・支援金やスポンサー収益によるマネタイズを強みとしています。
「Crazy Raccoon」との包括的業務提携契約の締結
直近の大きな動きとして、2023年11月18日に、国内でトップクラスの人気を誇るeスポーツチーム「Crazy Raccoon(以下、CR)」との包括的業務提携契約の締結を発表しました。
国内を代表するチーム同士の業務提携という点で、eスポーツ業界で非常に大きな注目を集めました。
Crazy Raccoonの強み
CRは国内トップクラスの実力と人気を誇るチームとして、競技シーンのみならずインフルエンサービジネスに強みを持っています。SNS総フォロワー数2,000万人以上、主催するアジア最大級のオンラインイベント「CR CUP」で最高同時接続者数23万人を達成、幕張メッセで開催した大規模オフラインイベント「CR FES」に18,500人が来場するなど、インフルエンス力はeスポーツチームの枠を超える存在といえます。
包括的業務提携契約の目的と意義
現状のトレンドとして、eスポーツビジネスとして持続的に成長するためには、競技シーンだけでなくストリーマーを活用したインフルエンサービジネスが非常に重要となっており、CRはそういった観点で成功を収めているといえます。
グッズ販売やファン向けのイベント開催といったインフルエンサービジネスを強化し、DFMに足りない要素を補うことで、eスポーツ事業のさらなる持続的な成長を実現することを目的に、CRとの業務提携を実施しました。
具体的には、主にVALORANT部門における広報、動画作成、オンラインウォッチパーティ・イベント、グッズ制作・販売等のインフルエンサービジネス拡大に係る業務全般について、それぞれのノウハウや既存のアセットを活用した業務連携を行います。
eスポーツの市場動向と中長期戦略
eスポーツの市場動向
国内のeスポーツ市場規模は順調に成長しており、今後も伸びていくことが期待できます。
また、アジア競技大会での正式種目としての採用やオリンピック採用に向けた政府によるeスポーツ強化支援のニュースなど、競技シーンにおける一般層への普及も今後期待できます。
直近では、国際オリンピック委員会(IOC)が新設を検討している「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」について、日本に2026年大会の開催を打診しているというニュースも注目を集めました。
eスポーツ事業の中長期戦略
上記のような市場環境のもと、当社は、DFMという国内屈指の実績を誇るeスポーツチームをすでに運営できています。この点は他社との大きな差別化要素となります。
今後、短期および中期的には、業務提携によるインフルエンサービジネス強化および、DFMのもつ競技シーンやBtoBビジネスの強みを活かしたスポンサー獲得や地方創生等による安定した収益確保を実現していきます。
さらに長期的には、オリンピック種目採用も視野に入れながら、eスポーツ市場の発展や選手教育に貢献し、日本を代表するeスポーツチームとして世界で活躍することを目指します。
以上が、GameWithのeスポーツ事業における差別化要素と中長期戦略です。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。長くなってしまいましたが、当社のeスポーツ事業についてお分かりいただけたかと思います。
GameWithではeスポーツだけでなく国内最大級のゲームメディア運営、NFTゲームの共同開発、ゲーマー向けの光回線事業など、企業理念である「ゲームをより楽しめる世界を創る」を実現するため様々な事業に取り組んでいます。
今後もGameWithの魅力をより伝えるため、noteも活用して幅広く情報を提供していきたいと考えております。
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