行動経済学は「ハヤカワ文庫NF」で学ぼう
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今回は、行動経済学を学ぶ上でおススメの書籍を紹介します。そして、今回紹介する本はすべて「ハヤカワ文庫NF」です。ハヤカワ文庫NFは数あるハヤカワ文庫のレーベルの1つで、NFは「ノンフィクション」のことです。
行動経済学を理解するにあたって、おすすめの書籍を5冊(上下巻も1冊として)紹介します。最後の1冊は番外編です。
①『アリエリー教授の「行動経済学」入門』(ハヤカワ文庫NF) ダン・アリエリー
本書は、NHKの番組『お金と感情と意思決定の白熱教室』を書籍化したものですから、かなり読みやすい本です。また、約200ページと短く、660円+税と安いので、取り組みやすいと思います。小著ですが、ページをめくるたびに知的好奇心が刺激される、行動経済学の面白さが詰まった本になっています。最初の1冊に最適だと思います。
②『予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』(ハヤカワ文庫NF) ダン・アリエリー
本書もダン・アリエリーです。知的好奇心にあふれ、かつ読み物としても抜群に面白いです。例えば、「人は相対的にしか価値を判断できない」などを実験を通して説明してくれます。ビジネスや特にマーケティングに役立つヒントも満載だと思われるので、学生だけでなくビジネスパーソンの方にもオススメです。また、日々の生活をより良くしたいと思うすべての人に役立つことがたくさんある書籍だと思います。
③『ファスト&スロー(上)(下) あなたの意思はどのように決まるか?』(ハヤカワ文庫NF) ダニエル・カーネマン
本書の著者ダニエル・カーネマンはノーベル経済学賞を受賞しています。本書は、様々な書籍で引用されているので、ご存知の方も多いかもしれません。カーネマンによる、人間には、システム1(速い思考)とシステム2(遅い思考)がある、という話は読んでない人でも知っている人もいるでしょう。行動経済学と聞くと、経済学の難しい話が出てくる身構えてしまう人が多いかもしれませんが、本書を読めばわかるように、これはほとんど心理学の本です。人間の思考のシステムに自覚的であるだけで、より良い意思決定が行えるはずです。
④『行動経済学の逆襲 上 下』(ハヤカワ文庫NF) リチャード・セイラー
本書の著者リチャード・セイラーもノーベル経済学賞を受賞しています。これはアリエリーやカーネマンと違って、経済学の話が多く出てきます。従来の経済学では完全に合理的な人間像を想定してしますが、これは現実離れした仮定に過ぎないと考えたセイラーの学者人生を通じて、どのように「行動経済学」が生まれたのかがわかります。冗長的で脱線気味な話が多いですが、これはアメリカ人の本に多いので、まあ人情でしょう。
番外編⑤『愛と怒りの行動経済学:賢い人は感情で決める』(ハヤカワ文庫NF) エヤル・ヴィンター
本書はタイトルに「行動経済学」とあるので、行動経済学の本だと勘違いするかもしれませんが、本書は行動経済学の本というよりゲーム理論と進化論の本です。ただ、本書を読めばわかるように、感情はむしろ合理的な意思決定の後押しとなるものとして肯定的に捉えています。
まあ、今回挙げた本はやや王道過ぎるかもしれませんが、行動経済学の面白さや様々な側面が実感できるものだと思います。
ハヤカワ文庫NFは、行動経済学以外にも名著が多いので、またどこかでまとめて紹介できればいいなと、思っています。それも何回かに分けないといけないといけないと思います。
今回は以上です。