SFL: Pro-JP 2020昨年からの変更点と優勝チーム予想
格闘ゲーム『ストリートファイターV』のプロ公式リーグ戦「SFL: Pro-JP 2020(SFL2020)」が2020年9月から開幕します。
昨年は3 on 3チーム戦が行われ、マゴ スカーレットとネモ オーロラが1位、2位となり、日米決勝の結果マゴ スカーレットが優勝という結果でした。
3回目となる今年2020年は、昨年とレギュレーション等が異なる部分が多いため、変更点を抑えつつSFL2020の優勝チーム予想を行います。
SFL: Pro-JP 2020公式
SFL(昨年まで)の主なレギュレーション
簡単ですが以下がSFLのメインレギュレーションになります。詳しくは昨年SFL2019の配信を参照されるといいでしょう。
・6チームが3 on 3のリーグ戦で全10節総当りを戦い勝ち点のポイントで上位3チームを争う
・メンバーはリーダーがドラフトで指名した選手で構成
・上位3チームはグランドファイナル(GF)に進出し優勝と2位を決める
・優勝と2位チームは海外決勝でUSの上位2チームと戦い総合優勝を決める
・試合前に相手チームのキャラクターを1キャラクターBAN(使用禁止)に指定
・BANキャラは試合に使用出来ない
・BANキャラ指定後に先鋒選手を決めて試合
・先鋒の試合後に中堅と大将を決めて試合
・1試合に勝つと1ポイントを獲得
・リーダーが勝つと2ポイントを獲得
・2試合先取でチーム勝利
SFL2020のレギュレーション
SFLは毎年レギュレーションが少しずつ変わるのが特徴の大会です。昨年と今年とのレギュレーションの違いは幾つかあります。
ドラフト制度がなく事前にチーム分けが決定
昨年は欲しい選手をドラフト指名する所からでしたが、今年は既にチームメンバーが決定しています。
選手同士の使用キャラクターが被るとBANルールのマイナス影響が大きいため、事前にキャラが被らないように運営やリーダーの間で調整が行われたのではと思います。
4 on 4の総当りの影響
昨年はリーダー+メンバー2名による3 on 3総当りでしたが、今年はリーダー+3名の4 on 4総当たりです。
総当りということは、抜け番がなく4人全員が対戦するということです。
(抜け番ありの実質3 on 3ならルール的には昨年とほぼ同様です。)
SFL2019では先鋒・中堅・大将という出場順でしたが、今回は4人のため先鋒・中堅・副将・大将のような出場順になることも予想されます。
また、SFL2019では2試合先取で勝利でしたが、恐らくSFL2020では3試合先取で勝利になると思います。
ただ、今回は前回と違って2勝2敗の引き分けが考えられるため、その辺りがどう影響するかという所です。
■3勝で勝利
Aチーム |○|×|○|○|
Bチーム |×|○|×|×|
■引き分けのケース
Aチーム |○|×|○|×|
Bチーム |×|○|×|○|
1回勝つ毎に1ポイントの勝ち点制、リーダー勝利は勝ち点が2ポイントというシステムは恐らく同じでしょう。
如何にリーダーで勝つか、或いはリーダーキャラをBANして優位を作るかというのが戦略です。
オンライン対戦の影響
まだ形式に付いては分かりませんが、今年はコロナ禍の影響で格ゲー大会は全てオンラインで行われているため、SFLも恐らくオン対戦になると思います。
オフ対戦では、対戦している人の側にメンバーが付いており、助言やガヤ応援で盛り上げたりといった光景が見られましたが、オン対戦だとそのあたりがどう変わるかという部分も見所です。
また事前にリーダーとメンバーで作戦会議するシーンもありましたが、オン対戦になるので、Discordやスカイプで通話しながらオンライン会議の分割画面のようにして選手の会話を見せたりするのか、運営側がどう絵的に見せるかというのも楽しみです。
選手側は、この自粛下でオン対戦やDiscord通話に慣れているため、問題はないでしょう。
2020/9/25追記
ただ、環境面の不安要素としては、先日行われたSFL: Pro-JP 2020 プレシーズン大会 ファイナルトーナメントで、初戦のときど選手とマゴ選手との試合で、かなりラグがある様子でした。
それ以外の試合ではほぼ普通にプレイ出来ていたので、選手側の環境がラグがあった可能性が高いです。
ときど選手のコメントでも、準備が足りていなかったという言葉があったので、その辺りでオン対戦の影響も懸念材料です。
試合会場を用意したオフ対戦ならこういった問題は低くなりますが、オン対戦だとベストな通信環境を用意するのも重要になります。
9月21日に行われたファイナルトーナメント 初戦はかなりラグがありそうだった
チームリーダー変更
優勝経験もある板ザン選手がリーダーから降板しトキド フレイムのメンバーになり、代わりにこれまで参加していなかったももち選手がリーダーになって参加。自身がオーナーを務めるゲーミングチーム「忍ism Gaming」のメンバーを率いての参戦です。
※自分の憶測ですが、昨年は恐らくプロゲームライセンスの関係で参加していなかったのだと思います。違っていたら申し訳ありません。(CPTアジアプレミアで優勝するも、JeSUプロライセンスの受け取りを辞退したため優勝賞金の減額が話題に。その後、改めてプロライセンスを受領されていた。)
初参戦選手の多さ
昨年参加していたユージ選手やボンちゃん選手、竹内ジョン選手は参加していません。
代わりにベテランのsako選手やMOV選手、若手のりゅうせい選手、忍ism Gamingの各選手等が初参戦しています。
VスキルⅡや追加キャラクターの影響
VスキルⅡの追加
SFL2019後のアップデートでストV自体の仕様が変更になっている点が多々あり、その中でも大きなものにVスキルⅡの追加(2019年12月追加)があります。
またキャラクター間のバランス調整も行われているためSFL2019からキャラクター同士の相性(不利)も変化しています。
追加キャラクターの使用(セス)
SFL2019にはいなかった新キャラが今年シーズンⅣで追加されています。
やはり直近で追加された新キャラ「セス」(2020年2月追加)が猛威を奮うと思われ、日本選手では、ももち選手、ぷげら選手、sako選手、えいた選手などセスを使うプロゲーマーも増えています。
セス対策や、セスをBANにするかどうかが今回は重要な戦略になります。
今シーズン対策が必須となるキャラ・セス
SFL2020初参戦選手と優勝チーム予想
自分は優勝予想が全く当たらないので飽くまでお遊びでの予想です。
GFは上位3チーム進出しますが、フード ガイア、ネモ オーロラ、トキド フレイムと予想します。
参戦選手とチーム構成は以下のページを参照下さい。
初参加かどうかは以下の記事が参考になります。
昨年どおりのルールだとBAN対策がポイントになるので、複数キャラをハイレベルで使いこなせる選手が多くいる方が有利です。
あとは、リーダー勝利が2ポイントとなるため、リーダーにポイントを如何に稼がせないかというのが大きな戦略になります。
BAN/非BAN毎の対戦勝率
穴のないフード ガイア、曲者が揃うネモ オーロラ、板ザン加入が大きいトキド フレイム
フード ガイア
メンバー:ふ~ど(L)・どぐら・Shuto・ぷげら(初)
戦力:★★★★★
複数キャラ対応力:★★★★★
予想BANキャラ:ユリアン、ベガ
キープレイヤー:ぷげら
リーダーのふ~ど選手はミカとポイズンを使い分けて先日のCapcom Pro Tour Online 2020アジア-東大会1で2位の好成績を残しました。
アジア-東大会1で優勝したのはウメハラ選手ですが、その大会では全てガイルを使用し続けたため、2キャラを使っての2位という結果から見るとふ~ど選手はSFLのルールで最上位の強さです。
弱体化されたミカ、バーディーも蓋を開けてみると結局ミカを止められる相手はおらず、セカンドに用意したポイズンは国内最強と呼べる強さを持っています。
Shuto選手は初年度から参加し、昨年のSFLで優秀な成績を残しました。
どぐら選手も安定感のある試合運びが出来ます。
ぷげら選手はこの中でも有数のマルチキャラ使いでセスも使いこなします。初参戦のぷげら選手が勝ち出してチームが乗ると、手が付けられないほど勝ち捲る可能性もあります。
総じてリーダー、メンバーともこれといった弱点のないチームです。
ネモ オーロラ
メンバー:ネモ(L)・ガチくん・キチパ・sako(初)
戦力:★★★★
複数キャラ対応力:★★★
予想BANキャラ:ラシード、ザンギエフ
キープレイヤー:sako
リーダーのネモ選手はメインのユリアンの他、世界的に見ても使い手が少ないギルをハイレベルで扱えるため、他のチームは対策が難しくなります。リーダーがBAN対象にならなければメインキャラで安定してリーダーポイントを稼げます。
ガチくん選手、キチパ選手は普段シングルキャラ使いですが、昨年参加してSFLがどういう大会なのか良く知っています。BANされることも予期して周到に準備して臨むでしょう。
初参戦sako選手は最年長の大ベテラン。「マニューバ研究所」として恐らくセスを出してくるでしょう。セス以外にもメナト、影ナル者といったレアキャラをハイレベルで扱える強さもポイントです。
全体的に曲者系のプレイヤーが揃ったピーキーなチームという印象です。
トキド フレイム
メンバー:ときど(L)・板ザン・りゅうせい(初)・スト久保(初)
戦力:★★★★
複数キャラ対応力:★★★
予想BANキャラ:ユリアン、アビゲイル
キープレイヤー:りゅうせい
トキド フレイムはSFLでは毎年最下位が定位置でしたが、今年はGF進出あるのではと思います。
まず板ザン選手が入ったことが非常に大きいです。リーダーが実質的に二人いるような安定感が生まれます。チームは板ザン選手が盛り上げ、ときど選手は個人戦に集中出来ると思います。
初参戦のりゅうせい選手はシングルキャラ使いですが、若手でもトップクラスの強さなのでBAN対象にならなければポイントを量産する活躍もあります。
スト久保選手は昨年トキド フレイムとドラフト面談したものの落選し今年満を持して初参戦で何か起こしそうな選手です。またアビゲイル以外にも複数キャラを使えるためBANルールに強いです。
このチームに対しては二人いるアビゲイル使いへの対策もポイントになります。またユリアンとアビゲイルどちらかがBANされたとき少し戦力が落ちるので、その辺りが不安要素です。
ウメハラゴールド、マゴ スカーレットはやや苦戦か
残りの3チームの内ウメハラゴールド、マゴ スカーレットは弱点が気になるためGF進出の可能性は低いと見ています。
ウメハラゴールド
メンバー:ウメハラ(L)・まちゃぼー・カワノ・ナウマン(初)
戦力:★★★★★
複数キャラ対応力:★★
予想BANキャラ:コーリン、さくら
キープレイヤー:ウメハラ
シングルキャラの大会なら最強クラスの使い手が揃っています。
BANルールに関しては複数キャラ使いとして考えられるのはまちゃぼー選手(ネカリ、豪鬼)、ナウマン選手(さくら、ケン)。
直近ではウメハラ選手、カワノ選手、ナウマン選手の3名はメインキャラで通しているため、自分はシングルキャラ使いだと認識しています。
初参戦のナウマン選手はさくらのイメージが強いですが元々国内強豪ケンとして知られていたようです。
ウメハラ選手のメインキャラであるガイルがBANされた場合、セカンドキャラとしてありそうなのは影ナル者かセスでしょうか。ただどちらも公式大会で使用した事は恐らくないため、ウメハラ選手の複数キャラ対応力は未知数です。
自分が一番見たいのはウメハラリュウです。
マゴ スカーレット
メンバー:マゴ(L)・もけ・水派(初)・MOV(初)
戦力:★★★
複数キャラ対応力:★★★★
予想BANキャラ:ラシード、コーリン
キープレイヤー:マゴ
昨年優勝チームですが、今年はチーム構成が大きく違います。初参戦選手が二人いること、MOV選手が第一線から少しブランクがあるのではという所で他チームより少し戦力が落ちるのではと思います。
リーダーマゴ選手は複数キャラ(かりん、キャミィ)がハイレベルで扱え、唯一優勝経験を持つリーダー。チームのモチベーションを上げる力も巧みで、チームの浮沈はマゴ選手に懸かっています。
台風の目となるモモチ スプラッシュ
モモチ スプラッシュ
メンバー:ももち(L初)・藤村・ハイタニ(初)・ジョニィ(初)
戦力:★★★
複数キャラ対応力:★★★★
予想BANキャラ:セス、豪鬼
キープレイヤー:ジョニィ
台風の目になるチームで最も予測が難しいです。個人では最強クラスのももち選手、藤村選手がいるものの、藤村選手以外は全員初参戦です。
ハイタニ選手は第一線から少しブランクが見られそうなので不安要素になります。
ポイントは複数キャラ(かりん、G)を扱える若手のジョニィ選手。忍ismGamingには大谷選手やひぐち選手(SFL: Pro-JP 2020プレシーズン大会U-22優勝)という選択があった中で抜擢されたジョニィ選手が上位進出への鍵を握っています。
このチームは全員同じ「忍ismGaming」所属でリーダーがチームオーナーという特殊な構成なので、チーム力を活かして上位を狙いたい所です。
2020/9/6追記:ひぐち選手は大会時点でJeSU 公認プロライセンスを未取得だったため、プロライセンスが必要なSFL: Pro-JP大会にプロ選手として参加出来なかったようです。
優勝チーム予想
優勝はフード ガイアと予想します。
昨年出場したボンちゃん選手の予想
GF進出決定・大会の総括・全10節終了時の順位とポイントまとめ
以下の記事にて大会結果と所感を書いています。
SFL2020の日程
SFL2020の日程は以下です。
2020/9月
SFL: Pro-JP 2020開幕
・約2ヶ月間に渡り全10節の総当り戦を行う。
2020/09/25 第1節
2020/10/02 第2節
2020/10/09 第3節
2020/10/16 第4節
2020/10/23 第5節
2020/10/30 第6節
2020/11/06 第7節
2020/11/13 第8節
2020/11/20 第9節
2020/11/27 第10節
2021/1/30
SFL: Pro-JP 2020 グランドファイナル(GF)
・上位3チームで試合を行い国内優勝チームと2位を決める
2021年
・日米の上位2チーム同士で日米決勝試合を行い総合優勝チームを決める
以下のnoteにも参考記事を投稿しています。
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