ロマンシングサガ2 リベンジオブセブン
ロマンシングサガ2 リベンジオブセブンがめっちゃ面白い。
2024年10月24日に発売されて以降、称賛の声が絶えない同作だが、自分も年末に購入して以降、どっぷりとはまってしまった。
今作の一体何がそんなに面白かったのか?今回はそれを言語化するために、自分自身のプレイを振り返ってみようと思う。
30年越しのリベンジ
筆者は原作であるロマンシング サ・ガ2をプレイした経験が大きく分けて2回ある。
1回目のプレイでは悪戦苦闘しながらもラストダンジョンまで到達し、最後の七英雄を倒すことが出来たが、ラスボスに勝てなくて詰んだ。
ご丁寧にもゲーム内の忠告を無視してラスボス直前でセーブしたため、鍛え直すことも出来ず、最初からやり直すこととなった。
一応何回か試行錯誤して再戦したものの、それだけでは埋められない圧倒的な戦力差を感じたので、やり直す以外の選択肢はなかった。
2回目のプレイ時は、ある程度攻略情報が出ていたため、水術「クイックタイム」と陣形「ラピッドストリーム」の組み合わせで強引に勝利し、クリアすることが出来た。
感動のエンディングを眺めながらも、「クイックタイム」という言わば公式チートともいうべき手段を用いたことが、心のしこりとして残ることになった。
「いつかクイックタイムに頼らずラスボスに勝利したい。」と心に誓いつつも、その機会はなかなか訪れず、気が付けば30年経っていた。
そんなある日、昨年6月の任天堂ダイレクトで「ロマンシングサガ2 リベンジオブセブン」は発表された。
…時は来た。
待望のロマサガ2フルリメイクの発表。これはきっとゲームの神が自分にリベンジの機会を与えてくれたに違いない。
今度こそ正々堂々とラスボスに勝利する。その誓いを胸に再び七英雄との長い戦いに身を投じることとなった。
先帝の無念を晴らす!
第一世代 レオンからジェラールへ
サガシリーズの特徴の一つとして、イベントの順番をプレイヤーの裁量で自由にプレイすることが出来る「フリーシナリオ。」と言うものがある。
当然今作でも採用されているのだが、最初のダンジョン「封印の地」の探索から、ジェラールへの皇位継承、七英雄の一人クジンシー討伐までの一連の流れは一本道となっている。
これは当然、ゲーム全体のチュートリアルを兼ねているためだが、改めてプレイすると、その完成度の高さに驚かされる。
最初の皇帝「レオン」は、ゲーム開始当初は七英雄もそこまで危険視しておらず、ソーモンを占拠されたと報告を受けてもあくまで静観を貫いていた。
だが、帝国領内のモンスター討伐の隙をつく形で帝国の首都「アバロン」にクジンシーは進行、レオンの留守を預かっていた第一皇子「ヴィクトール」はクジンシーと戦い、流し切りが完全に入るも力及ばず絶命する。
仇討のためソーモンに進行するレオンとジェラールだが、クジンシーの必殺技「ソウルスティール」の前にレオンもがその命を散らす。
ちなみにこの「ソウルスティール」、喰らった相手のLPが0になり死亡(ロスト)するというゲームシステム的にも文字通りの必殺技である。
だがレオンもただ無策にクジンシーと戦ったわけではない。
ソーモンへの出立直前、街に滞在していた魔導士「オアイーブ」により、「伝承法」なる技法を伝えられる。
この伝承法、使用者の力と記憶を後継者に伝えるというもので、「受けたら必ず死ぬ」ゆえに見切ることは不可能なソウルスティールも、レオンが命をかけて見切りジェラールに伝えることで、ジェラールは見事にクジンシーを討伐することに成功する。
上記の様に、今作の最重要システムである「伝承法」と、物語の核である「七英雄との戦い」をごく自然な流れでプレイヤーに伝えるという、チュートリアルのお手本のような内容となっている。
ちなみにこのジェラールとクジンシーの戦い、ソウルスティールを見切ったのちは勝ち確のような雰囲気が漂うが、クジンシーは原作にはなかった新技「ダークノヴァ」を引っ提げており、油断すると普通に敗北する。
こういう所も実にサガらしい。
首尾よくクジンシーを倒したジェラールは、その後南バレンヌへ進出。
格闘家のメンツを潰しつつニーベルの問題を解決、さらに運河要塞をアバロンのダニシティシーフの力を借りて解放し南バレンヌを制圧、帝国全盛期の領土を取り戻すことに成功した。
第二世代 宮廷魔術師皇帝サジタリウス
ジェラールの後を引き継いだサジタリウスだが、その皇位継承には血みどろの凄惨な陰謀劇があった。
すべての原因は、原作と異なりの帝国の初期クラスにも陣形が設定されたことにあり、一通りの陣形を覚えるために継承→退位を繰り返すこととなる。
一応任意退位というシステムが追加されたものの、連続では使用できないため、二回に一回は謀殺を行うこととなる。
原作では主にルドン高原で行われた謀殺だが(通称ルドン送り)、今作ではアバロン下水道で行うのが効率が良いため、下水道には皇帝の死体が大量に放置されることとなる。
ちなみに、ジェラールの世代でメンツを潰された格闘家は、皇帝になったことで名誉が回復し正式に仲間になったのだが、この格闘家も速攻で退位したため、どうやって名誉を回復したのか謎である。多分、陣形「龍陣」が強力だったのが評価されたんだろう。
そんな凄惨な継承争いの果てに皇帝となった宮廷魔術師サジタリウス。
まず彼は北ロンギットの武装商戦団問題に介入する。
この北ロンギットと言う地方は、長い年月をかけて少しずつイベントが発生していくため、最初のトリガーとなる武装商船団問題はまず一番に取り掛かりたかったのだ。
モーベルムの商船団船長にメッシーナ鉱山のモンスター問題の解決をチラつかせつつ、実際にはハリア半島から強襲し、混乱する商船団を降伏させることに成功する。こうしないとマップ上にメッシーナ鉱山が出現しないから仕方ない。
その後はカンバーランドに渡り、王位継承問題に介入。
宰相サイフリートの謀略を阻止してカンバーランドを制圧。ホーリーオーダーを仲間にする。
ちなみに継承問題に介入中、武器開発が終了したとアナウンスがあったが、それにつられてうっかりアバロンに戻るとカンバーランドは滅亡する模様。
サガはこういう罠が所々に仕掛けられているから油断できない。
さらにルドン地方に進出。宝石鉱山のモンスターを討伐しルドンを制圧。
鉱山を領に収めたことで収入も大幅にアップした。
また、この時代には術法研究所が設立され、新要素アビリティが解放された。
特に原作ではマスクデータだった帝国国力がオープン化されたことにより、現在の帝国術法レベルが分かりやすくなったのが嬉しいポイントの一つ。
特にロマサガ2は術・特に補助術が強力なバランスのため、計画的に術レベルを上げていかないと終盤苦労することになる。そのため、帝国術法レベルが可視化されたことは、育成の負担の軽減に大きく影響している。
また、新要素のアビリティも面白い。
戦闘に30回勝利することで各クラス特有のアビリティを取得できるこのシステム。それぞれがクラスの特徴を強化するアビリティを取得することで、原作とはまた違った役割を持たせることが出来るようになった。
特に帝国重装歩兵の「オートパリィ」は、剣を装備すれば40%の確率で自動的にパリィが発動するという非常に強力なもの。
タンク役として申し分ない働きをしてくれた。
第三世代 ホーリーオーダー皇帝ピーター
サジタリウスの後を引き継いだピーターは、まずルドン地方の南、ナゼール地方の平定を行う。
サイゴ族の村で交易ルート奪回イベントを受領、東のダンジョンに挑むが、ここでダンターグとまさかの遭遇をする。
と言っても、ここでのダンターグ戦は顔見せ&負けイベントのようなものなので、敗北してもイベント攻略に差し支えなかった。
その後、ムーの移動援助イベントをクリアし、首尾よくナゼール地方の制圧とサイゴ族の仲間入りを果たす。このサイゴ族が後々帝国史に大きな爪痕を残すことになるとは、この時想像もしていなかった。
ナゼール平定後、ステップ地方へ進出。
遊牧民族ノーマッドの依頼を受け、ステップを我が物顔で闊歩する地上戦艦を制圧、戦艦の主である七英雄の一人、ボクオーンを撃破する。
このボクオーン、運河要塞のヴァイカーやカンバーランドのサイフリートを操っていた黒幕であり、実に3世代に渡る因縁の決着となった。今作のスケールの大きさを感じされる一幕である。
また、地上戦艦を攻略する過程で帝国大学を設立、軍師を仲間にする。
軍師の所有する陣形「鳳天舞の陣」は非常に使いやすく、取得以降は全編において活躍してくれた。
第四世代 サイゴ族皇帝ハールファグル
問題の世代。
皇位継承直後、文官より北ロンギットの武装商船団が反乱を起こしたと報告を受ける。現地で聞き取りをすると、「ギャロン」なるものが商船団を乗っ取り帝国に反旗を翻した模様。
すぐに迷路水路を突破しヌオノに進行、ギャロンを討伐する。
ギャロンはバックに七英雄の一人、「スービエ」が存在することを匂わせつつ逃亡。その後は特に目立った活動をすることなくフェードアウトした。
と、出だしは順調だったが、マーメイドで運命的な出会いを果たしてしまう。
マーメイドの踊り子に一目ぼれしたハールファグル皇帝は、その踊り子の正体が人魚とわかると、彼女に会うために人魚薬を求める(メタなことを言うと、このイベントをクリアしないと「踊り子」が仲間にならないため)。
人魚薬の材料のうち、「卵のから」「海ツバメの巣」は簡単に手に入るが、厄介なのは「アクア湖の水」。
アクア湖はルドン高原から簡単にアクセスできるが、水を取ろうとすると「ネレイド」なる亜人から手が汚いと文句を言われ、さらに「月光のクシ」を持ってくるように要求される。
月光のクシを作ることが出来る亜人種「モール族」を訪ねるため、ステップの南、サバンナ地方を訪れる皇帝一行。
サバンナに暮らす狩猟民族「ハンター」を訪ね、彼らの集落で一泊すると「アリだー!!」という絶叫が集落に響き渡る。
慌てて飛び起きると、集落がタームというモンスターの襲撃を受けている真っ最中であった。これを解決するために、襲撃してきた穴から逆にタームの巣へ進攻しなんとかクイーンの討伐に成功する。
クイーンを討伐したことで、途中で出会ったモール族の協力を取り付けることに成功し、彼らの力を借りてようやく月光のクシが手に入る。
これをネレイドに渡し、アクア湖の水を入手、ついでにネレイドも仲間になる。
その後、レオンブリッジの建設と言う事業をこなしつつも人魚との逢瀬を繰り返し、最後は彼女とともに生きるために皇帝の立場を捨て、その行方は海の底へと消えていった。
ちなみに彼が建設したレオンブリッジだが、速攻で海の主に破壊されたため、ワイリンガ湖にまで赴き彼女と話を付け、再び建設することとなった。
さらに、クイーンを討伐したことをついうっかりハンターに報告し忘れたため(実際は予期せぬ年代ジャンプを避けるため)、彼の功績であるクイーンの討伐は、次代の皇帝によるものとして歴史が捏造されることになった。
しかも、彼がクイーンを討伐したことが遠因となり、後にアバロンに大きな混乱をもたらすこととなる。
第五世代 ネレイド皇帝ペルーサ
就任当初の彼女の主な仕事は、前世代の尻拭いであったと言える。
まずは南ロンギットのマーメイドに赴き、踊り子を仲間にする。
その後、サバンナを訪れ、ハンターにクイーン討伐を百数十年ぶりに報告、ステップ地方を制圧しハンターを仲間にする。さらにクイーンの脅威が去ったことにより数が増えたモール族も仲間にする。
ちなみにこのペルーサ皇帝、クイーン討伐の功績をちゃっかり自分のものにしているが、そうしたくなる気持ちも理解できる。
その後、ソーモンに発明家ヒラガのもとを訪れると、一族悲願の発明である全自動人形「コッペリア」の完成に立ちあうこととなる。
また、同じタイミングでルドンの宝石鉱山の鉱夫が次々と急死するという事件が発生。現地に赴き原因となった魔石を魅了されそうになりながら破壊し解決する。
その後は歴代皇帝の意思を引き継ぐために、まずはコムルーン島へ進出。現地の魔導士と協力し、コムルーン火山の噴火を鎮めることでコムルーン島を制圧する。
さらにメルー地方へ進出、テレルテバのモンスターを討伐し解放。
そしてメルー砂漠の移動湖にて七英雄の一人ノエルと話し合いの末、テレルテバから手を引かせることに成功し、メルーを制圧。デザートガードを仲間にした。
第六世代 人形皇帝コッペリア
メルーを統一した時点で残る未統一の地域は3つ。いよいよ後半戦となってきた。
ペルーサの後を引き継いだ皇帝コッペリアは、まずは再び活動を開始したコムルーン火山の調査に赴く。
すでにいつ噴火してもおかしくない状態であり、頼みの魔導士も自身の砦で爆睡中。
ゼミオに居住している亜人種「サラマンダー」に相談し、少しでも噴火の勢いを抑えるために、コムルーン火山の火口を蓋している岩を破壊するという危険なミッションを遂行する。
多少マグマに焼けながらも、見事ミッションをクリアしコムルーン島の被害を最小限に抑えることに成功。また、サラマンダーも仲間になる。
その後に魔導士の砦を訪れると、この騒動の黒幕が自分であることをカミングアウトし、逆切れしたあげくに襲い掛かられる。と言っても大した強さではなく、簡単に返り討ちにする。
次に南ロンギットに発生した謎の大嵐の調査に赴く。調査の結果、ロンギット海に嵐の中心があることが判明する。かつて人魚と駆け落ちした皇帝ハールファグルが残した人魚薬を使い(制作から数百年経っているが大丈夫なのか…?)、海底を調査。謎の沈没船を発見し調査すると、最奥にかつてロンギットから追放された「ギャロン」の亡霊がおり、彼が黒幕であることが判明する。帝国に対して恨み節を炸裂させるギャロンだが、強さは大したことなくあっさりと撃破する。
その後、トバの海女に報告し南ロンギット地方を統一、海女も仲間になる。これで残る未統一の地方は二つ。
さらに皇帝コッペリアは、コムルーン島の南、ステップの西に位置するサラマット地方に進出。アマゾネスの協力のもと、エイルネップを支配している七英雄の一人ロックブーケと対峙しこれを撃破したことで同地方を統一する。
残る未統一地方は一つ。ようやくバレンヌ帝国悲願の全土統一が見えたところで年代ジャンプが発生、次の世代に託すこととなる。
第七世代 海女皇帝マライア
皇位継承後、すぐに最後の未統一領地であるヤウダ地方へと訪れるマライア皇帝。その地は七英雄のリーダー、ワグナスの脅威にさらされていた。
ヤウダ地方の主であるアト王の家臣、セキシュウサイとコンタクトを取った皇帝は、チョントウ城にてアト王と会見するが、彼の無礼な態度にブチキレた結果、会談は破談する。さらにアト王はワグナスと帝国を争わせ漁夫の利を得ようと画策する。
セキシュウサイからそのことを知らされた皇帝は、彼の身を案じアト王を見限るように提案するも、セキシュウサイはこれを固辞。チョントウ城での戦いの結果、彼は殉職する。
アト王はその結果を見届け、チョントウ城を明け渡し、セキシュウサイの孫であるイーストガードの「ジュウベエ」が仲間になる。
また、チョントウ城攻略中に、ヤウダのダニこと忍者のアザミを仲間にする
その後、ワグナスの本拠であるハクロ城に進行、さらにハクロ城から分離した浮遊城を攻略し、七英雄のリーダーであるワグナスを撃破し、ヤウダ地方を統一。ついに念願の全土統一を果たす。
また、ヤウダ地方を統一する過程で、チカパ山を攻略しイーリス族を仲間にする。これで全クラスを仲間にすることに成功した。
さらにチカパ山の向こう、隠された街トーレンスを訪れ、オアイーブとおよそ千年ぶりの再会を果たす。
彼女から伝承法の限界や七英雄の真実の一端を聞き、物語は最終局面へ突入する。
第八世代 イーストガード皇帝テッシュウ
すでに全土統一を果たし、全てのクラスが仲間になった今、彼に求められる役割は最終決戦への橋渡しである。
ちなみに武器防具の開発と通常技の閃きはすでにコンプリートしている。
まずは、これまで手付かずであった、3つの遺跡の攻略に取り掛かる。
氷の遺跡・砂の遺跡・雪の遺跡を攻略し、強力な装備や合成術の術法を入手する。
そしてナゼールの「子供と子ムー」イベントに挑む。
このイベント、行方不明になった子供と子ムーを探しダンジョンを探索するという一見シンプルなイベントだが、その実最奥にダンターグが鎮座しており、対決が不可避と言う罠イベントである。
かつてはその実態を知らず、見事に返り討ちにされた苦い思いでがあるが、仕組みが分かった今となっては、最終決戦に挑む前の前座にしか過ぎない。
かつては手も足も出なかったダンターグも、数百年に及ぶ研鑽の末、大した苦労もなく撃破。その後年代が経過し、いよいよ最後の戦いが始まる…
第九世代 最終皇帝
満を持して登場した最終皇帝。ゲーム開始時にネーミングを行ったプレイヤーの分身ともいえるキャラが最終局面に登場するという、ロマサガ2ならではの一幕である。
皇帝就任後、復活したクジンシーから挑戦状を受け取る。決戦の地はゲームで初めて攻略したダンジョンである「封印の地」。今作はこういったプレイヤー自身で歩んだ歴史を感じさせるイベントが多く、嫌でも印象に残る。
封印の地にて再度クジンシーと対峙した最終皇帝は、これを難なく撃破。かつて苦戦したクジンシーと言えど、長年をかけて伝承されてきた皇帝の力ととバレンヌ帝国の技術の前にはすでに太刀打ちできなかったようだ。
その後、アバロンの地下でひそかに復活し力を蓄えていたタームのクイーンと対峙しこれを討伐する。
ちなみにこのクイーン討伐のイベント、最終皇帝就任直後よりひそかにイベントが進行しているようで、イベントが最終段階まで進行した状態で玉座に座ると、インペリアルガードが犠牲となりEDにも登場しなくなるという盛大な罠が仕掛けられている(システム上、仲間にすることは可能だが、シナリオ的には死亡扱いの模様)。事前に気が付けて良かった…
クイーン討伐後は氷海にて七英雄の一人、スービエを撃破。その後、ナゼール地方のさらに奥にモンスターが集結しているという報告を受ける。いよいよ最終決戦である。
ラストダンジョンの敵は今までより強力で、各種族の最強クラスのモンスターが出現するが、ここまでくると味方も十分強い。
特に最終皇帝と忍者フヨウ、軍師コウメイの3人がアタッカーとして優秀で、彼ら3人の攻撃でほとんどの戦闘はすぐに終わらせされる。
たまにタフな雑魚もいて長期戦を強いられることもあるが、インペリアルガード(女)のユノーがタンク役としてこれまた優秀のため、ほとんど危なげなくダンジョンを探索することが出来た。
そしてダンジョン最奥で最後の七英雄、ノエルを撃破。ついに七英雄本体との最終決戦に挑む。
ここで30年前の苦い記憶がよみがえった筆者は、ラストダンジョン最奥へのファストトラベルが解放されていることを確認した上でアバロンにてセーブを行い、万が一に備えてから最終決戦へと挑む。
ラストボスである七英雄本体は、これまでの敵とは別格の強さを見せつける。体力・攻撃力ともに高いのだが、それに加え戦闘開始直後から徐々に攻撃回数が増加し、最終的には七回連続攻撃を行う。さらにリメイクの今作では、七人による七連携を行ってくる。
この戦闘で活躍してくれたのは、オートパリィとダメージカットのアビリティを併せ持ち鉄壁の防御力を見せつけたインペリアルガード(女)のユノーと、1ターンの間あらゆるダメージを半減する補助魔法「光の壁」。この二つのおかげで七英雄の激しい攻撃をしのぎ切り勝利をものにすることが出来た。
また、自分個人にとっても正攻法で七英雄を倒せたことで、ずっと喉の奥にひっかかっていた小骨が取れたような、なんとも言えない感慨深さを感じられた。
そしてEDへ
強大な七英雄を倒した皇帝は、その後帝国を解体しバレンヌを共和国にしたと、酒場の吟遊詩人によって語られる。
「共和国って?」と無邪気に尋ねる子供に、大きくなればわかると語る吟遊詩人。すでに酒場は閉店の時間近いため、本日はお開きの様だ。
店が閉まった後、「いい詩だった」と語るカウンターの客。七英雄を倒した最終皇帝その人である。こんな所で飲んでいていいんですか?と尋ねる詩人に「すでに私は人々に忘れ去られた、詩の中だけの存在だ。」と少し寂しそうに語る皇帝。
そんなことはありませんよと詩人が語り、その直後ジェラールとヴィクトールの幻影が登場する。
彼らに導かれるままアバロンの城下に繰り出す皇帝。そこにはかつて皇帝とともに戦った仲間が在りし日の姿のまま、アバロンを楽し気に散策する姿があった。
城下を一通り回ったのち、アバロン宮殿を訪ねる皇帝。玉座の前で出迎えるは第一世代の仲間であるベア・ジェイムズ・テレーズの三人(このシーンは個人的に一番グッときたシーンだ)。
最後に玉座のレオンの幻影と相対した後に振り返ると、共に七英雄を倒した仲間が皇帝のもとに集まったところで今作の本編は終了する。
それは自分の30年越しのリベンジが終わったことも意味していた。
総評
正直言って、今作の魅力を今さら自分が語るようなことはない。
自分にとっては、かつてプレイした30年前の思い出が全く損なわれることなく、むしろ当時以上に楽しむことが出来た。その事実が全てであった。
不思議なもので、ゲーム的な変更点はかなり多く、特に戦闘システムは原作をベースにしてるとはいえほとんど別物のはずなのに、実際プレイすると全くと言っていいほど違和感なくプレイ出来た。
また、今作で追加された「七英雄の記憶」もなかなか面白く、かつて英雄ともてはやされていた七英雄がなぜ悪の道に堕ちたかを丁寧に描いている。
ただ、大神官という新たな敵役を用意し、彼に全ての業を背負わせるシナリオは、個人的にはあまり好きになれなかった。自分も年を取ったためか、一人の人間にあらゆる業を背負わせるようなシナリオは、逆に陳腐だと感じてしまうようになった。30年と言う時間は想像以上に長いようだ。
最後に少し文句を言ったが、総合的な満足度は昨年自分がプレイしたゲームの中でも1.2を争うほど高い。かつてファンはもちろん、サガシリーズに興味がある人、面白いRPGを求めている人なら文句なくお勧めできる、スクエニ渾身の一作である。