ゲーム展開を想像するフェイズ
『Combined Arms』の6本のシナリオを、セットアップと勝利条件をマップに描きこんで、ゲーム展開を想像するフェイズ。
シナリオ1は練習用の仮想戦。1944年4月24日にドイツ軍とソ連軍がまったく同じ構成の兵力で、マップ中央の交差点の支配をめざす。
シナリオ2は1939年のポーランド。ポーランド軍の戦線をドイツ軍が左から右に縦断して、マップ右方にあるヴィスワ川の橋梁の確保を目指す。おそらく「独ポ電撃戦」。
シナリオ3は1943年のクルスク、プロホロフカ。ドイツ軍は歩兵と対戦車砲が守るソ連軍の前線に穴をあけて、マップ右端からの突破を目指す。マップ右端から登場するソ連軍戦車部隊との間に、史上最大の戦車戦が発生するにちがいない。
シナリオ4は1944年のフランス、アラクール。ドイツ軍と合衆国軍が街道の支配を争う。戦車の能力で勝るドイツ軍を、砲兵と空襲に支援された合衆国軍が迎え撃つ。
シナリオ5は第4次中東戦争、チャイニーズ・ファーム。マップ中央の道路の奪取を目指してエジプト軍の前後からイスラエル軍が攻撃。イスラエル軍の戦車の数値がミスプリを疑うレベルの強さ。
シナリオ6は朝鮮戦争、ハートブレイク・リッジ。能力は低いが数は多い中国軍の守る荒地を、砲兵をふんだんに装備した合衆国軍が攻撃。
同じマップ、同じコマ、同じルールで1930年代から1970年代の陸戦を全部プレイしてしまおうという、非常に挑戦的なコンセプト。デザイナーはジェームズ・F・ダニガン。出版されたのは『PanzerBlitz』の4年後。
1ヘクスが300メートルで1ターンが1時間という縮尺は、「PanzerBlitzを作戦級で」というにはちょっと細かすぎる印象。どちらも現物を見たことがないけれど、『Wacht am Rhein』や『Atlantic Wall』のような戦術色のある作戦級の祖先にあたるのかもしれない。
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