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ソロジャーナルのこと

今年はソロジャーナルのアドベントカレンダーを楽しみにしている。

ソロジャーナルのことはときどき考える。ソロジャーナル形式のウォーゲームは面白いのではないか。そもそも手元にあるウォーゲームをソロジャーナルとして遊べるのではないか。

Xを検索してHAさんの発言にたどり着くのは毎度のこと。ソロジャーナルの手法でウォーゲームのAARを書く。よさそうに思う。

『Haiku』というソロジャーナルは何度か遊んでみた。

ソロジャーナルは「ゲームシステムが提示する情報をプレイヤーが肉付けして物語化する遊び」だと今のところ理解している。『Haiku』をプレイしたときは「肉付け」のための根性が枯渇してしまい、ChatGPTに物語を考えてもらうようになった。これはこれで楽しかった。

ウォーゲームでソロジャーナルっぽいことをすることは珍しくない。ゲームでおきたことに肉付けして物語化するのは楽しい。

例えば「敵の射撃が森の防御効果とリーダーのDRMで効果なし」というゲーム展開。これを「機関銃が撃ってきたが森にさえぎられた。平地を歩いていたら助からなかっただろう。「オレが安全だと言ったら安全なんだ!」と叫ぶ大佐の声を聞いて何とか踏みとどまれた」のように遊ぶ。

『Traveller』のキャラクター生成をじっくりやると、まさにソロジャーナルっぽく半生記を作れそうだ。生存DRがギリギリだった任期は九死に一生な体験があった、ブレードコンバットのレベルが上がった任期には剣術の師との出会いがあった、などなど。

アドベントカレンダーの記事にも『Traveller』に着想を得たというソロジャーナルが紹介されていた。

アドベントカレンダーの別の記事で紹介されている動画では、主人公の独白とゲーム内のできごと(どのカードを引いたとか)を並べて表示していた。ゲームでおきたことと、それを物語化したものを並べて提示するのはすごくいい。ただ作るのは大変だと思う。記事にもそう書かれている。

ウォーゲームのAARにゲームで起きたことすべてを含めようとすると巨大化してしまう。どのユニットがいつどこに動いて、戦闘結果が何で、どのルールが適用されたか。これらがすべてわかるような「可逆的AAR」はありがたいとは思うものの、作るのも見たり読んだりするのもオオゴトになる。

AARは適当なサイズになるように、省略したり切り取ったりすることが多い。
・詳細なままだけれど、ごく一部分だけを切り出す
・全体を概要だけ、重要な局面があればそこだけ詳しく
・経過は全カットで結果だけ
・何がどうなったよりも、どう考えてどう思ったかを書く
・読み手を想定して、その人が分かりそうなことだけにする

これはこれで大変な作業で、大変なんだという記事を16年前に書いていた。状況はまったくもって改善していない。SNAFU。

今さらではあるけれど、ソロジャーナルは物語化のためのヒントをくれたり、物語化を助けてくれたりするだけでなく、物語化したもののアウトプットをいい感じにフォーマットしてくれるツールでもあると気づいた。ジャーナルを作る遊びなんだから、そりゃそうでしょう。すみません。

『Traveller』がそうであるように、ウォーゲームはプレイするだけで物語化の材料が山のように出てくる。ナラティブ生成装置。出てきた材料を物語にして、受け取りやすい体裁と分量に整えたジャーナルがAARですよ、と。

ウォーゲーム用ジャーナリングツールの目次を想像してみる。
・プレイヤーは誰で、どんな戦いに、どんな能力で臨んでいるか
・ジャーナルに含めるイベントをちょうどいい数だけピックアップ
・イベントそれぞれにコレとコレを書くといいよ、というヒント
・墓碑銘、辞世の句、走馬灯のような「まとめ」を簡単に書ける方法

何のことはない。省略と切り取りをうまいことやりましょう、と言っているだけだ。それをどうやるかわからなくて長らく困っているのだよ。SNAFU。

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