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熱いナイフでバターを切る

ウォーゲームを遊びたい、と思っても、大概はルールを読んだり、コマを切ったり、セットアップをしたりと事前の準備が要る。

電子機器で遊ぶようになって、コマ切りやセットアップは事前に済ませて保存できるようになった。けれど、ルールを保存しておく脳みその容量不足と揮発性はいかんともしがたく、ルールはごく少数の例外を除いてその都度インストールする必要がある。

iPad不在中はウォーゲームを遊ぶことにも、ルールを読むことにも不自由した。iPadを再び使えるようになって、ルール読みよりはプレイがいいよねということで、まずはルールを読まなくてもサクサク遊べる『ドイツ戦車軍団』の『エル・アラメイン』。

『ドイツ戦車軍団』の面白さは、歩兵ユニットと機械化ユニットの移動力が大きく違うところだと思う。足の遅いユニットたちがまごまごしているところを、足の速いユニットでスーっと斬り込む爽快感。熱いナイフでバターを切るがごとし。

面白かったので『ダンケルク』をおかわり。A3サイズの盤面とはいえ、ユニットを端から端まで走らせたときの達成感がいい。電撃戦を題材にしたゲームをどれかひとつ選んで、と言われたらこのゲームにするかもしれない。

もう一杯おかわりで『コンパス作戦』。過去のプレイではイギリス連邦軍で2本の道に沿って強引に押していった気がする。今回は『ロンメルがゴーグルを拾うとき』の第1ターンを想像しながら、攻撃軸を1本増やして中央からイタリア軍の背後に走り込んでみた。よくなった気がする。

『コンパス作戦』は第1ターンのイギリス連邦軍の移動に選択肢がありすぎて、そこから先をプレイする前に息切れすることが多かった。機甲部隊と偵察部隊をどうグループ分けして、それぞれどこに投入するか。そういう観点で計画を立てるとプレイもしやすく、ゲームとしても面白くなりそう。

兵力をどこにどれだけ投入して、いつまでにどこを占領していくか。そういう計画は『エル・アラメイン』も『ダンケルク』でも大事なのだけれど、熱いナイフでバターを切ることに夢中になってしまって、切ったバターをどうするかは後で考えることになってしまいがち。

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