ユニットごとに12面体ダイス
『KampfPanzer』のパニック判定にはヘクス番号の末尾を使う。ヘクス番号の末尾が同じヘクスにいるユニットたちは一斉にパニックになるし、ユニットをヘクス番号末尾の異なるヘクスに分散させれば、一度にパニックになるユニットを減らせる。『Panzer Armee Afrika』や『Panzer ’44』と同じ。
パニックレベルが1であれば、ヘクス番号の末尾が1から5のヘクスにはユニットをできるだけ置かない方がよいことになる。ルールを読んだときには心配したけれど、実際にプレイするとそうでもない、ということはウォーゲームでときどきあるけれど、本件は心配が実現しちゃうやつだと思う。
パニックレベルごとの「パニックになる率」は、「パニックレベル × 8.33%」のようだ。
1:10%×5÷6=8.3%
2:20%×4÷6+10%×2÷6=13.3%+3.3%=16.7%
3:30%×3÷6+20%×3÷6=25%
4:40%×2÷6+30%×4÷6=13.3%+20%=33.3%
5:40%×5÷6+50%×1÷6=33.3%+8.3%=41.7%
であれば、ユニットごとに12面体ダイスをふって、それがパニックレベル以下であればパニックになる、とすればよさそう。ユニット数は多くないからダイスをふる手間はそれほどでもない。スプレッドシートとRAND関数を使えばあっという間に判定完了。
パニックになったユニットが射撃しないのはともかく、方向と移動ポイントをダイスで決めて強制移動させられるのは、いささか強烈だとは思う。
とはいえ、指揮下の兵力が思ったとおりに動かない、それどころか思ってもみない動きをするとか、あさっての方向に逃げ出すとか、勝手に敵に突撃してしまうとかを、非常に簡単なルールで実現している。ゲームが壊れるほどデタラメでもない。
名作でも傑作でもないけれどユニークな珍味、と評価したら怒られるかしら。ウォーゲームのバーがあって、そこのバーテンさんが「ちょっと面白い戦車ゲームがあるんですが、やってみますか?」と『KampfPanzer』を出してくれたりするなら、そこはとっても楽しい世界だと思う。