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馬が可愛かった「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」

ピーター・ジャクソン監督が描いたロード・オブ・ザ・リング三部作とホビット三部作より200年ほど前の時代を描いた本作は、力の入ったジャパニメーションになっていました。ちなみに原題は”The Lord of the Rings the war of the Rohirrim"で馬乗り人を意味するロヒアリムがタイトルになっていました。ローハンの騎士たちを意味するのかな?指輪物語自体は映画からの知識が大半なので、細かい用語は覚えていなかったので、確かに邦題のように地名にしてくれた方がすっと入ってくれてよかったですね。

ストーリーはローハンの王、ヘルムへの恨みから反逆した地方領主の息子、ウルフと、それに対抗する主人公ヘラの戦いを描くもの。シンプルなストーリーでしたので、指輪物語の背景を知らなくても十分に楽しむことができました。

手描きアニメーションにこだわった映像は本当に見事。また、馬などの動物描写も精緻で、ヘラの馬やヘルムの馬、ヘラの兄ハマの馬などにそれぞれ個性がしっかり出ていて、こういう描写を見れただけでも映画館に行って良かったと思えました。
また、今回はいわゆる人間種族が中心で、エルフやホビットが登場しないことも特徴的で、この辺は好みがある部分かと思いますが、私は指輪物語と言えばホビット、エルフ、ドワーフの印象があったため、彼らが全く登場しなかったことは少し残念でした。その分人間同士の争いが丁寧に描かれていたゆえの分かりやすさはありましたが。

音声はドルビーアトモス吹替版で鑑賞。吹替版がドルビーアトモスに対応することは結構少ないので、いい音響でいい吹替を堪能できてよかったです。
吹替キャストに坂本真綾さんがエオウィン役でキャスティングされてたけど、これはナレーションかな?声の感じがヘラの小芝風花さんと似ていて区別つきませんでした(ファン失格)。

まあ正直、丁寧に描いているのはいいんですが、盛り上がりに欠けるな、と感じる部分はあります。結局最初から最後までヘラとウルフの因縁話で終始しますし、せめてウルフを操る黒幕でもいればもっと盛り上がったのでは?と思ったりもしました。トールキンの原作大きく弄れないのかな、とも考えたり。
しかし同じように前日譚を描いた実写ドラマの力の指輪はかなり面白いので、決して原作者側の縛りばかりが原因ではないのでしょう。
本作も終盤にサルマンが登場したり、ラストでヘラがガンダルフの元を訪れることが示唆されていましたが、もう一声、指輪物語の人気キャラクターとの絡みがあれば、またファン的には楽しめたのかも、と妄想もしたり。

パンフは900円。インタビューや紹介記事は及第点ですが、やはり映画ロードオブザリングとの関係を、地図や年表で詳しく解説するコーナーがほしかったところです。

そういう残念な点はありますが、作画に力の入ったファンタジーアニメであることには変わりなく、大画面、大音響で楽しめる作品だったと思いますので、少しでも興味のある方は、早めに劇場で見てほしいと思います。



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