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庵野監督の再評価につながるなど「ボルテスVレガシー」

ボルテスVの原作アニメは、コンバトラーVから続く、後に長浜ロマンロボシリーズと言われる作品群の第2作。コンVがおもちゃもアニメと同様に合体出来るロボットの先駆けで、続くボルテスにはさらに整ったフェイスと必殺剣を持つスーパーロボットで、当時の子供達にも大人気だったと思います。私も友達が持っていた合体玩具を羨ましそうに眺めていたものです。
個人的にもコンVよりボルテスの方が思い入れがありましたので、新スパロボで初参戦したのは嬉しかったですし、今でも登場すると結構贔屓して使っています。

そんな往年のロボットアニメがフィリピンで実写化されると聞いたのは数年前。びっくりするほどクオリティの高いCGでリファインされたボルテスの機体映像が流れた瞬間、これは絶対見たい!と思ったものです。

そしてこの度ようやく本作「ボルテスVレガシー」が日本でも見れるように。まずは序盤を劇場公開して、その後TVシリーズで放送するようですね。

鑑賞の感想はXの呟きの通り。
映像の迫力は前評判通りで安心しました。荒唐無稽なビッグファルコンの建物なんかもアニメ通りなのにちゃんと説得力のたる見た目になっている事に感心しました。
ボルテスチームの戦闘服は勿論、ボアザン星人の面々も様になっていたかと。
また、サントラも当時の楽曲を踏襲しているのですが、オーケストラがリッチになっており、劇場映えしていたと思いました。
そして何より、巨大感増し増しのボルテスVと獣士(ビースト・ファイター)の戦闘のかっこよさと言ったら。この後色々不満も書きますが、正直これが見れただけで映画代の元は取れた気がしました。

さて、不満点は殆どストーリーとドラマ部分ですね。
原作を踏襲している事は悪くないのですが、ディティールが上がった分、今見ると気になる部分もクッキリしてきて。例えばビッグファルコンの面々が異星人襲来予測してたなら、世界各国に技術提供すればいいのに、とかどうしてアームストロング兄弟などの若いボルテスチームしかボルテスVに乗れないのかなど、特に説明されない事への違和感が残りました。
これは攻めてるボアザン星人についても同様で、ボルテスに獣士が一体撃破されたくらいでいちいち全軍撤退する?戦略どうなってる?など結構気になったり。
それもこれも、ドラマパートがもっさりしてる事も原因ではないかと思うんですよね。本作は原作アニメの2話までをかなり忠実に映像化しているのですが、上映時間は倍以上。やっぱりドラマ部分が冗長に感じます。
例えばアニメを手がけた庵野監督が実写を撮ると、早口で台詞を読ませたりカット割を多くしてテンポ良くみせていましたが、本作もそういう工夫が必要だったのでは、と思いました。兄弟の母が亡くなるシーンなどは、特にそう思ってしまいました。

あと主題歌を堀江美都子さんが新録で歌っているのですが、これ合唱が入ってないと結構物足りないんですよね。折角だからそっちも再現してほしかったものです。
音楽関係だと、アニメ再現のサントラは嬉しいのですが、シーンが変わる度にブツっと音が止まって音楽が変わるのが気になりました。音響監督仕事してくれー。

それはそれとして、吹替の音声はとても良かったです。主人公は小林千晃さんが演じていましたが、「てんっくうけん!」の言い回しなど、原作アニメの白石ゆきながさんの口調を上手く再現していたと思いました。

公開日翌日に鑑賞しましたが、パンフは完売。グッズも全く無いなど、地方ではあまり期待されてなかったのかな?それなりにお客も入っていたので、来週で良いので充実させてほしいものです。

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