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好きだけどモヤる部分も「ザ・フラッシュ」

映画ではジャスティス・リーグでデビューしたエズラ・ミラーのフラッシュ。
フラッシュ自体はTVドラマ「超音速ヒーロー ザ・フラッシュ」をよく見ていましたので、キャラクターはよく知っていましたが、映画版ではこれが最初の単独主演作に。

冒頭から最後まで、ネタバレ抜きで語るのは難しいので、ここはガッツリネタバレありで語っていきたいと思います。

冒頭の人命救助シーンはめちゃくちゃ良かったですね。バリー・アレンがサンドイッチの列に並んでいる時に呼び出しがかかり、高速で現場に駆けつけるところから始まり、ビルを落下する大勢の赤ちゃんを救うまで、彼の能力をつぶさに説明しつつ、自販機でエネルギーを補充しながら高速移動する描写は、ユーモアも溢れていて最高でした。
フラッシュ以外の人間を高速で動かせないルールがある中、オブジェクトを動かしつつ安全に着地させるアイディアとおかしさ。ここはスタッフも出色の出来と自信があったのでしょう。エンドクレジットでは、同時に落下していたセラピードッグ視点でのレスキューが描写されており、こちらもとても面白かったです。

その後のフラッシュの母親を救うために過去を変えたら大変なことに……、な展開は、正直いろんなパターン見てきたので、新規性はありませんでしたが、バック・トゥ・ザ・フューチャーの主演で色々いじってきたのは良かったですね。その他にも名作映画がシャッフルされていて、こういう小ネタは大好きです。

別世界のスーパーマンポジションこと、ロシアに捉えられていたスーパーガールも良かったですね。彼女を主人公にした作品も見たいものです。
マイケル・キートン演じる老バットマンは流石の貫禄。"I'm Batman"は何度聞いてもアンパンマンにしか聞こえない。

その後、この別世界はどうやっても崩壊を免れない、という結論に至るのですが、その過程で見せたマルチバースはワクワクしました。特に過去のDC映画に混じって登場する、ニコラス・ケイジのスーパーマンの存在感の強さに笑みがこぼれました。エリック・ストルツのBTTFといい、この監督or脚本の人、実現しなかった方の作品が好きなのかな……?あの世界にはホドロフスキーのDUNEも実現してそうですね。

さて、色々面白かったポイントを述べてきましたが、以下はモヤッとポイント。
まずはマルチバースの扱いですが、あそこまで頑張ったお母さんが生きてる世界、どうやっても崩壊を免れないってのがなんとも。
ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネスもそうですが、アメコミ映画(元のアメコミも?)は元いる世界はともかく、派生した世界が救えないケースが多い気がします。なんとか頑張って、あっちはあっちで平和になった、エンドがあっても良かったのではないでしょうか。

次に結末。監視カメラの映像にお父さんが映るようになっただけで、そこまでバタフライ・エフェクト起こるか?と思うほどのオチでしたが、それより一度大変な目にあったんだから、余計なことするなよバリー・アレンという気持ちに。お父さんの無実は現在ある材料で頑張ろうよ……。
そういえば原作だと、結局お母さん殺した犯人は分かるんですかね?映画だとこのまま明かされずフェードアウトしそうでモヤモヤが残ります。アメージング・スパイダーマンでもピーターの両親の死の真相が分からないまま打ち切られて、ああいう謎が残ったままというのは本当に勘弁してほしいものです。

最後のモヤモヤは、結局これでザック・スナイダーが中心になって作ったユニバースはリセットされるんでしょ、ってこと。
冒頭のベン・アフレックバットマンとガル・ガドットのワンダーウーマンが共演することはもう無いんでしょと言う諦観。今回登場しなかったサイボーグやスーパーマンもそう。アクアマンはエンドクレジット後に出ていましたが、2以降どうなることやら……。
その他にもエズラ・ミラーの逮捕騒動の影響で、彼の続投も黄色信号ですし、何よりジェームズ・ガンが手掛ける新たなユニバースでは、今のキャストの多くがリストラさせそうな雰囲気で、どんなに世界を広げても、ワクワク出来ない所が残念でした。

そういうモヤッとしたところを除くと、オチの「やっぱりねー」な部分とジョージ・クルーニーのピンポイント出演も含め、単体作品として楽しめる作品だったと思います。

今回ドルビーアトモス版を鑑賞しましたが、Twitterにも書いた通り、フラッシュが高速移動の一歩一歩を踏みしめる、その位置がハッキリ分かるほどの解像度で楽しめますので、ドルビーアトモス上映かドルビーシネマ版での鑑賞は一度体験することをおすすめします。

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