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MCU再始動!「キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド」
マーベル・コミックのユニバース映画であるマーベル・シネマティック・ユニバース最新作。アベンジャーズ:エンドゲームでスティーブ・ロジャースから盾とキャプテン・アメリカの称号を受け継いだサムの活躍を描きます。
MCUと銘打って公開された映画では、デッドプール&ウルヴァリン以来7ヶ月ぶり。ただこちらがシリーズからはかなり外れた展開をしていたため、ストーリーとつながりのある作品でいうと、マーベルズ以来1年3ヶ月ぶりのMCU作品と言えそうです。
本編自体もそれを意識してか、サノスの指パッチンで世界の人口が半分になり、エターナルズで登場したセレスティアルズが巨大な遺物としてインド洋に残っていたりと、ユニバースならではの要素をストーリーに織り込んでいたと思います。
また、メインヴィランがインクレディブル・ハルクでブルースの協力者だった男だったり、ハルクの時は将軍だったロスだったりと、このあたりは忘れていても楽しめましたが、予習していたらより楽しめたのでは、と思いました。
俳優の演技では、ハリソン・フォードは流石の存在感でした。ストーリー的にも彼と娘の確執が軸にあり、最後まで彼の決断と結末が、物語を牽引していたと思いました。
主人公サムを演じたアンソニー・マッキーも、いつの間にか大御所の風格を漂わせており、重圧に耐えながら世界の希望であろうとするキャプテン・アメリカを好演していました。
そして何より、日本の尾崎首相を演じていた平岳大が、想像以上にストーリーのキーパーソンになっていてびっくりしました。ドラマSHOGUNで真田広之の敵役として抜群の存在感を示していた彼が、本作では日本の首相として、ハリソン・フォードのロス大統領と堂々と渡り合っている描写は痺れっぱなしでした。こういう役柄は、従来だと渡辺謙の独壇場だったと思いますが、SHOGUNの大ヒット&受賞ラッシュで、これからは平岳大のみならず、多くの日本人俳優がハリウッドメジャー作品で活躍する日が来るかもしれませんね。
そんな日本ですが、ちょっと現実の日本とはかけ離れた描写もあって苦笑するシーンも。日本語発音はめちゃくちゃ良くなって、そこは満足なのですが、政治的な対立や、ヴィランに操られて攻撃した米軍に、即応戦する日本軍など、いやそれはありえなくね?と突っ込みたくはなりました。まあMCU世界では指パッチン後、中国の正常が不安定になって国力落ちたと思っておきましょう。あと日本兵の口調がアニメっぽいと話題になっていましたが、どうせMCU時空なら日本らしく、マクロスのバルキリーっぽい戦闘機とか出してほしかったですね。見た目が米軍機と同じところなんて現実世界に合わせなくていいから……。
アクションはキャプテン・アメリカシリーズらしく肉弾戦中心。サムが元ファルコンということもあり、激しい空中戦が繰り広げられるのが特徴ですね。とはいえサム本人は強化されていない普通の人間なので、攻撃を受けると傷つくところが痛々しい。本作でも刺されたり骨折したりとボロボロになりながら、世界を守るため、軽口をたたきながら戦う姿には頭が下がります。しかしそれにしても、結構深く刺されてもその後普通に動いているの、本当に強化されていない?ワカンダの謎テクノロジーで超回復とかしてない?その辺は本編では一切説明されないので、終始気になっていました。
上記のようにアクションはすごいのですが、クライマックスのレッドハルク戦は、急にCGっぽさマシマシの映像になって、その辺はびっくりしました。今までも安っぽいCGだと言われるシリーズ作品はありましたが、私はそれほど?と思っていたのですが、そんな私が感じるくらいだからよっぽどだと思います。沢山のスタッフ使ってCG作っているのだから、見せ方次第でもっと違和感のない描写ができると思うだけに残念でした。
まあでも気になったのはそれくらいで。サプライズでバッキーも登場し、自作サンダーボルツへの期待も高まりますし、本作でアベンジャーズ再招集の話も出る。来年には久しぶりにアベンジャーズ映画も予定されていますし、ここからまたMCU作品の鑑賞を再開しても良いのでは、と感じられる作品でした。
長さも2時間弱と見やすく、テンポが良いのも好印象でした。