ドイツ映画の撮影監督が来店された話〜マリンルックと映画とゴルチェ〜
とある撮影監督と,ウチの社長が意気投合した話。
こんにちは,大阪なんばにある高級セレクトショップ「Gallery」社長のSNSスタッフです。
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社長のマリンルックコーデと,撮影監督
その昔,当店がなんばCITYの地下2階にあった頃。
外国人の男性が,しげしげとマリンルックコーディネートをご覧になっていました。
そのルックは,社長のスタイリングでしたので,社長はその男性に話しかけました。
「このルックは,ケレルにインスパイアされたものです」
ケレル Querelle
「ケレル」とは,R,W,ファスビンダーによる1982年のドイツ映画です。
この映画の話をしても知っている人は少ないのですが,
社長はさらに,ダメ元でその男性に話しました。
自分のマリンルックセレクションの根底にあるのは,このケレルという作品であること。
そして,自分だけでなく,ゴルチェもまたケレルからインスパイアされていること。
ゴルチェのCMとケレル
たとえば,こんなテレビCMがあります。こちらは,ゴルチェのフレグランス,le maleとclassiqueのコマーシャル。
ジャン・バプティスト・モンディーノによるものですが,「ケレル」からインスパイアされています。
酒場の雰囲気など,そっくりなので見比べてみてください。
すると,その男性は大喜び。
「日本に来て,ケレルやファスビンダーが話題に上るのは初めてだ」
「こんなに理解してもらえるなんて」
なんと……その方はファスビンダーの撮影監督,
クサファー・シュヴァルツェンベルガーだったんです。
さて,ケレルは,ゲイの水兵が主人公,ドイツの作品ですが,このケレルにはさらに元ネタがあります。
それが,ケネスアンガーの「花火」とヴィスコンティの「ヴェニスに死す」。
「花火」と「ヴェニスに死す」
ルキノ・ヴィスコンティの「ヴェニスに死す」は1971年のイタリア映画。
こちらも美しい少年に魅せられた男性の物語ですが,少年のマリンルックにイマジネーションを掻き立てられますね。
もう一つの,ケネス・アンガーの「花火」はアメリカ作品。なんと1947年のショート映画です。
リンクを貼るのは遠慮しておきます……というくらいニッチな作品で,途中暴力的な描写もありますが,こちらも「水兵」とゲイがモティーフになっています。
ちなみに,当時としてはやりすぎで,この映画のせいでケネス・アンガーは猥褻罪で捕まっています……
ゲイと水兵と自○行為
そして,さらにこの「花火」のケネス・アンガーが影響を受けているのが,ジャン・コクトー。
また,「ケレル」の影響を受けているのが,1991年ガス・ヴァン・サントによる「マイ・プライベート・アイダホ」。
1992年シリル・コラールの「野性の夜に」は,「花火」のオマージュでもありますが,どんどんマニアックになってくるので,ひとまずここまで。
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SNS担当 横井