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UCL留学記|「サッカー」W杯なんて無かった⁉️ イギリス英語における ‘football’へのこだわりを検証

FIFA World Cup Quatar 2022は、リオネル・メッシ選手率いるアルゼンチンが優勝トロフィーを掲げるという結果で幕を閉じました。

それにちなんで今回の記事では、ガリレオの UCL留学時に、英語表現として ‘football’と ‘soccer’という語がロンドンで実際どのように使われていたのかについて振り返ってみようと思います。

本記事は stand.fmで音声配信も行いました!

There’s no such thing as ‘soccer’!?

UCL留学の際、密かに(?)期待していたことの一つとして、うっかり会話の中で ‘soccer’と口走ってしまったら、

There’s no such thing as ‘soccer’! It’s called ‘football’!!
「サッカー」なんてものはない!「フットボール」というのだ!!

…のように言ってくる英国人には本当に出会えるのか?ということがありました。

結果としては、1年間の留学生活の中では、国際都市ロンドン・ましてや留学生の多い UCL界隈では、たとえこちらがつい日本語でも言い慣れている ‘soccer’の方を使ったとしても、「Soccerじゃない、footballだ!」と鼻息荒く訂正してくる英国人に出くわすことはありませんでした。

もっと言えば、寮や大学構内で友人と話していたり、また周囲の人の会話を聞いていても、意外なほどに ‘soccer’という単語を耳にする頻度が多かったな、という印象の方が強いくらいです。

ただ、なんとなく漂う社会の「空気感」のようなものとしては、どこかで実際に「Footballという言い方こそが正しいのだ!」と言ってくるような、英国フットボールの歴史と伝統に誇りを持つ人に出会ったとしても驚きは無かっただろうな、とも感じます。

TIME誌:「いかに Saka選手は ‘British soccer’に影響を与えるニューフェイスになったのか?」

それを裏付けるかのように、TIME誌が ‘How Bukayo Saka Became the Inspiring New Face of British Soccer’というタイトルの記事を出した際:

この記事をシェアした TIMEの Facebookページのコメント欄には、‘British soccer’という表現に対して「‘English football’だ!」というコメントが、少しスクロールするだけでも複数見受けられました。

‘Soccer’ → ‘football’だけでなく、‘British’ → ‘English’の部分にもツッコミが入っているところも興味深いことです。確かに今回のW杯でベスト8まで進んだのはイングランド代表チームであり、決して「イギリス代表」ではないわけで「Football発祥の地は、他でもない Englandなのだ」という点にもこだわりを見て取ることができるでしょう。

スコットランド・ウェールズ・北アイルランドには、それぞれ別の代表チーム(およびフットボール協会)があり、今回の W杯では「イングランド代表 vs. ウェールズ代表」の対戦も実現し、注目を浴びました:

それでも「⚽️ = football」にこだわるというイメージは強い

留学中に言語現象として面白いと思っていたのは、ガリレオ自身も含めたアジア圏からの留学生同士が英語で話す際に ‘soccer’と口にしてしまうことは割と頻繁にあった中で、その場に英国人/イングランド出身者が誰もいないにも関わらず、「あぁ、ここロンドンでは ‘football’と言わないと😅」と、わざわざ言い直すことが非常に多かったということ。

それだけ、「英国人(より正確にはイングランド人)は『⚽️ = football』にこだわる」という、ある種ステレオタイプ的なイメージは、世界的に共通認識されていると言えるでしょう。

もちろん個人のフットボールに対する情熱や、地域の環境、会話の相手が (British English以外の)英語ネイティブか・ノンネイティブか?などによっても差はあるでしょうが、実態としては、「日本にはサムライ・ニンジャがいるんだろ?」といったものと同じように、英国人からみた外国人の方がオーバーなほどにイメージを膨らませている部分もあるのかな、という印象も受けました。

※ちなみに、「イギリス英語に近い」とされているオーストラリア英語においては、⚽️ = soccerの方が一般的で、オーストラリア代表チーム(男子)も socceroo (= soccer + kangaroo)という愛称で呼ばれています。イギリス系の住民が多いはずのオーストラリアで、このあたりの変化がなぜ・どのように生じていったのか?というのも、興味深い言語現象です。

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