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ガリレオ流・UCL大学院授業への臨み方|優先順位をどう付けるか?

早いもので、University College Londonでは 2022/23年度の授業がスタートしており、今年からは比較的多くの学生が集まる講義でも対面 (in person)形式となっているようです。

ガリレオが留学していた 21/22年度は、オンラインと対面を組み合わせたハイブリット形式の授業形態が主だったため状況は多少異なるかもしれませんが、履修した全ての授業で distinction (70+)の成績を収めてきたガリレオが、留学中にどのような優先順位を考えて授業に臨んでいたかシェアしてみたいと思います。

ガリレオが履修した UCL言語学修士課程の成績
(pass: 50%+, merit: 60%+, distinction: 70%+)

優先順位①:Homework/Exercises

UCL言語学修士課程の授業では、多くの場合、言語データの分析を伴う演習課題が毎回出され、tutorial/workshop(授業によって呼び方が異なりましたが、要は少人数グループでの演習授業)で discussionを行うという流れで進んでいきました。

Exercisesの例:Phonetics and Phonology IIより
出典:Introductory Phonology (Hayes, 2009)

試験によって成績が決まる授業の場合、試験問題もこのような exercisesの延長線上にあるものですし、レポートを書く場合であっても授業内容を実例に当てはめて議論を展開するアウトプットの練習となります。達成目標から逆算して考え、毎回の授業で課される exercisesの問題をクリアにしていくことを最優先に取り組むようにしていました。

もちろん、それは予習の段階で完璧な答えを用意するという意味ではありません。そんなことが最初から自力でできるのならば、もはや授業を受ける意味がないわけで…。そうではなく、tutorial/workshopの中で明らかにすべき疑問点を自覚しておくために、まず自力で出来るところまで考えをまとめておくというスタンスです。

したがって、

  • 予習
    →まず自力でできるところまで考えをまとめておく&疑問点を明確にしておく

  • 授業
    →わからなかった点について解説を聞く・質問する

  • 復習
    →授業後に模範解答がアップされるので、この段階で正確に理解できているか確認する(不十分な箇所は追って質問する)

という一連の流れで、毎回の課題を着実に進めていくことを最優先にしていました。この課題自体が最終評価に参入されるものではありませんが、ここに最も力を入れることのメリットは以下のようなものが挙げられます:

  • 試験やレポートで問われる形式と同様のアウトプットを練習できる。

  • インプットだけでは記憶には残らず、アウトプットが学習の定着を促す—とりわけ、授業内の discussionでクラスメイトに自分の考えを説明するためには、まず講義内容を理解していなければならない。

  • 授業内で discussionに参加するために考えをまとめておくこと自体、試験やレポート時に使える英語表現の予行練習になる。

別な分野の学部・研究科では、このような演習問題ベースの課題が出されることは少ないのかもしれませんが、seminar/tutorial/workshopといった授業で行う議論や活動に関わる準備で置き換えて考えてもらえば応用できるかと思います。根本的には「成績評価の方法から逆算」を念頭に置いて、取り組むべきことの優先順位を精査してみると良いでしょう。

優先順位②:Reading (Textbook/Journal papers/Lecture slides, etc.)

Homework/Exercisesが最優先とはいえども、もちろん考えるためのベースがなければ何もできません。

そのために、講義 (lecture)によるインプットがあるわけですが、ガリレオの場合、下で言及する講義ビデオを視聴する前に readingを優先するようにしていました。

というのも、講義やその資料は、readingで指定された教科書や論文の要点をまとめて解説したものなので、元情報にあたる方が網羅的で詳しい内容を理解できることになるわけです。

ただし、世の中には難解で分かりにくく書かれた論文というものもあるわけで、実際に「なるほどわからん」と思って読むのを中断し、講義ビデオを見たら担当の先生が明快な説明を展開してくれていたケースもあったので、特に講義の上手い先生の授業の場合は、柔軟に切り替えると良いでしょう。

また、教科書や論文に書かれていることの中には、「授業における」メインポイントからは外れた内容もあるので、効率的かつ効果的な取り組み方としては:

  1. まず講義資料(スライドなど)を読み込み、授業で扱われるメインポイントを把握する。

  2. 教科書・論文・講義ビデオは、資料にまとめられた内容だけでは十分に理解できなかったポイントを補完する目的で読む。こうすることで、目的を絞って集中して読み込むことにもつながる。

  3. 優先順位①に挙げた課題に答えることを念頭に置くことによって、最終的に何ができるようになるために読めば良いのか、より明確になる。

論文1本が readingとして指定されていたとしても、試験の答案やレポートを書く際に引用するなど決定的に必要となる情報は、その中の数ページにまとまっていることがほとんど。読むためには時間と労力・集中力を要するだけに、ダラダラと読まずにポイントを押さえることが大切になってきます。

優先順位③:講義ビデオ

いやまぁ…、せっかくコロナ禍で大変な状況であった中、各担当教員が用意をしてくれて、ガリレオ自身もオンライン英語教師として授業動画を制作する側の立場は分かっているのですが。

まず正直な感想として、ライブ視聴形式の synchronousと呼ばれるオンライン授業はともかく、asynchronousという事前録画された講義動画を集中して見続けるのはキツい部分もありました。なので実際、流し気味であまり集中せずに見ていた時も少なからずあったり、単位に関係なく聴講していた授業の講義動画は、3月にコロナに罹って体調を崩したタイミング以降、追いつかずにそのままにしてしまったものもありました。

もちろん動画の尺や説明の内容にもよるのですが、この辺りの実体験はガリレオ研究室 YouTubeチャンネルの今後の授業動画を作る際にも活かしていきたいところです。

なので、個人的には講義ビデオは基本的に 1.5~2倍速で視聴していました。現在、講義も含めて対面形式となった場合は、「先生、すみませんが、1.5~2倍速で動いてもらえますか?」というわけにも通常いかないと思うので、そこはハイブリッド形式で良かった部分もあるかもしれません。もっとも対面授業のメリットも大きいので、どちらが良いとも言えませんが。

まとめ

大学院留学、特に英国の修士課程のように1年間しかない留学では、学業以外も含めて「あれもこれも」となる中で、優先順位を決めて過ごしていく必要があります。

今回の記事では、ガリレオが UCL留学中に、どのような指針を持って授業に臨んでいたかを紹介しました。

最終的に何を求められるか?を踏まえて逆算

という考え方なので、留学はもちろん、国内での学習や仕事など、読者一人ひとりの状況に合わせて応用して参考にしていただければと思います。

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