ガリレオ新訳・英語解説|Winnie-the_Pooh Ch.4 #2
「どれ、見てみますかね。」とイーヨーは言うと、ちょっと前まで自分のしっぽがついていたところへ、ゆっくり体をひねってまわってみたんだけど、どうにもそれでは追いつけないとわかって、逆まわりしてみたら、いちばんはじめに戻ってしまったので、今度は頭を前脚の間につっこんで見てみると、ついに、長〜い、悲しいためいきとともに、「どうやら、本当みたいですね。」と言いました。
「もちろん、本当だよ。」
「じゅうぶん、納得のいく話ですよ。」陰気な様子でイーヨーは言います。「万事、説明がつく。むりもない。」
「きっと、どこかに忘れてきちゃったんだよ。」
「誰かがぬすんでいったんですよ。」イーヨーは言いました。それから、長〜いことだまっていたんだけど、つけ加えて、「いかにも、連中のやりそうなことですよ。」
プーは、何か助けになるようなことを言ってあげなくちゃいけないと思ったけれど、何て言えばいいのか、よくわからなかったんだ。そこで、代わりに、何か助けになるようなことをしてあげようと決めたんだよ。
「イーヨー」と、プーは真剣な様子で、「ぼくが、このウィニー・ザ・プーが、君のしっぽを見つけ出してみせるよ。」と言いました。
「どうもありがとう、プー。」とイーヨーが答えます。「きみは、ほんとうの友だちですね…どこのだれとは違って。」
こうして、ウィニー・ザ・プーは、イーヨーのしっぽを探しに出かけたのでした。
‘Let's have a look,’ said Eeyore, and he turned slowly round to the place where his tail had been a little while ago, and then, finding that he couldn't catch it up, he turned round the other way, until he came back to where he was at first, and then he put his head down and looked between his front legs, and at last he said, with a long, sad sigh, ‘I believe you're right.’
‘Of course I'm right,’ said Pooh.
‘That Accounts for a Good Deal,’ said Eeyore gloomily. ‘It Explains Everything. No Wonder.’
‘You must have left it somewhere,’ said Winnie-the-Pooh.
‘Somebody must have taken it,’ said Eeyore. ‘How Like Them,’ he added, after a long silence.
Pooh felt that he ought to say something helpful about it, but didn't quite know what. So he decided to do something helpful instead.
‘Eeyore,’ he said solemnly, ‘I, Winnie-the-Pooh, will find your tail for you.’
‘Thank you, Pooh,’ answered Eeyore. ‘You're a real friend,’ said he. ‘Not like Some,’ he said.
So Winnie-the-Pooh went off to find Eeyore's tail.
he turned slowly round to the place where his tail had been a little while ago
犬が自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回るような動作だが、イーオーはゆっくりと半周した形になる。
where以下は先行詞 placeを説明する関係副詞節。had beenと過去完了形が使われているのは、プーとイーオーが話している過去の時点から見た過去 (a little while ago)を表す大過去の用法。なお、本来 agoは現在を基準に「〜前」と過去に遡る意味を表すのだが、この場面では物語上の時間を agoの基準となる時間としてスライドしていると考えられる。
finding that he couldn't catch it up, he turned round the other way
‘finding that he couldn't catch it up,’は、後に続く節を修飾する分詞構文。分詞節が前に置かれる場合、後の節で述べられるメインとなる行為の前提となる内容を表すことが多い。
つまりこの場面では、頭が尻尾の(本来)ある位置に来る頃には、お尻側が反対方向に動いてしまって追いつけないことがわかり、反対周りをしたということ。結局、until以下で描かれているように、最初の状態に戻ってしまうので意味はないのだが…
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