「白い視界」と「踵の痛み」
私が子供の頃は 特に病弱ということでは
なかったのですが 時々 「立ちくらみ」を
起こして倒れることがありました
例えば 中学2年の冬休みに炬燵で温まって
いた時 立ち上って両手を天井に伸ばして
背伸びをしたところ 目の前が真っ白になって
そのまま気を失い 後ろ向きに倒れたのです!
幸いにも 部屋の隅に座布団が3枚ほど積んで
あったので それがクッションになり 後頭部
を強打することは無くて 大事に 至りません
でしたが もし打ちどころが悪ければ 命に
関わっていたかも知れません
今日は そんな私が高校2年の夏休みに 同じ
クラスの親友2人と 勉強合宿という名の旅行
に出掛けた時の出来事を話したいと思います
どうか皆さん 聞いてください
親友2人は ヨシオ君(仮名)とリョウジ君(仮名)
といって 同じ町の 同じ〇〇中学校出身だった
ので 高校の皆からは 〇〇三羽烏とあだ名で
呼ばれていました
3人は 高校2年の夏休み 夫々の親に頼み込み
鄙びた温泉宿を 2泊3日予定で借りて貰って
“勉強三昧で過ごす”という名目の旅行計画を
立てたのでした
初日の夕方 夕食前に3人で風呂に入ることに
したのですが 昔は団体客も泊まりにきた温泉宿
でしたので 湯舟は3人にとっては大き過ぎる
ほどでした
3人は 他の宿泊客がいない時間帯を狙って
湯船に10分程 浸かっていたでしょうか?
私は のぼせる前に上がろうと思って 一人
湯船から出て タイル張りの床を4、5歩
歩いたところで … 目の前が真っ白になり
気を失ってしまい 後ろ向きに倒れたのです!
ず~っと遠くで …
誰かの声が … 聞こえます
小さな声は 私の名前を呼んでいる様です
でも 踵が 酷く痛いのは どうしてでしょうか?
なぜ 痛いのか? とても不思議です
次第に私の名を呼ぶ声が大きくなってきます …
目を開けると ヨシオ君とリョウジ君が
両側から 私の顔を覗き込んでいます
私は 仰向けのまま 両足を交互にバタバタさせ
タイル張りの硬い床に 踵を何度も
打ち付けていたことに ようやく
気づいたのです!
なんだ それで 踵が痛かったのか!
ヨシオ君は青い顔で
「気が付いた?」と聞きました
リョウジ君も心配そうな顔で
「どこにいるか 分かる?」と聞きました
2人の話をまとめると 私が 後頭部を 硬い
タイル貼りの床に 打ち付けずに済んだのは
床に置かれてたプラスチック製の洗面器の
へりの部分に 後頭部から倒れたので その
洗面器が緩衝材になって 後頭部を 床に
強打せずに済んだということでした
私は今回も 気を失ってしまいましたが
又しても 大事には至らず 無事でした
ただし …
半端なく 気がかりな事が ひとつ
発生してしまったのです!
さてここで問題です 皆さん
いったい何が半端なく気がかりなこと
だったんでしょうか?
その半端なく 気がかりな事というのは …
私がすっぽんぽんのままで
気を失い 両足をバタバタさせた姿を
こともあろうに あの親友2人に
バッチリ目撃されたという事実
それが とにかく恥ずかしかったんです!
そして 夏休みが明けて 学校に行った時 …
私が お風呂の床の上で「あられもない」姿で
両足をバタバタさせた!
な~んて話を 同級生達に そして
特に女子達に 2人が 面白おかしく
話したりして…私が クラス中の笑い者に
なりませんように!
私は神様に 心の底から
そのことだけを …