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【ご紹介】本筋の仕事以外をあなどるなかれ
依頼された仕事において、期待通りのものを提供するのは当たり前。むしろ誰もが当たり前とする仕事以外のところが重要、という話
今朝も日課の朝活をしていたところ、1件のメールの受信があった。
ずいぶん早い時間に誰だろうとメールを開いてみると、送信者は先日お仕事をさせていただいたマンションの理事長様。
工事のお礼とともに、当日の作業員のふるまいにいたく感動したそうで、ありがたい感想をいただいた。これだけでもうれしい気持ちであったが、メールの後半にはこのような内容が記されてあった。
知り合いのマンションでも同じような悩みを抱えているそうです。是非御社を紹介させていただきたいのですが。
弊社の事業内容からして、1案件が高額なことや繰り返し起こるような問題が少ないため、法人ではない一般顧客の場合、リピートの発注をいただくケースは稀である。
たとえリピートがあったとしても数年先というケースがほとんどであり、一度お仕事をさせていただいた顧客から紹介をうけるということは実にありがたいことなのだ。
ご紹介を受けたこのマンションの仕事について、何か特別なことをしたかといえばそんなことはない。工事の内容は同業者であればどこでも大差なくクリアしたであろうレベルであるし、思い当たるふしといえば、作業員の挨拶や住人に対しての配慮、掃除の徹底くらいのものか。
しかしながら、一般的な建設業者のイメージからか当然のふるまいに感動したご様子。うがった見方をすれば工事前の期待値が低かったゆえ余計に工事以外のふるまいに心を動かされたのではないかと思うのだ。
だが、悲しいかな現実にはメインである工事こそまじめにやるが、その他の休憩時や関係者への対応を仕事とは考えていない作業員は多い。
弊社の提携先にはいないが、別の現場ではくわえタバコで歩き回る、挨拶をしない、大声で談笑するなどガテン系のイメージそのままのふるまいを当然としている作業員をよく目にする。
依頼された作業をこなしているのだから何の文句があるんだ、ということなのだろうが、仕事をさせていただいている現場は役者でいう舞台であり、演技さえ完璧にこなせば舞台上で何をしていても問題はないということではないだろう。
ここで思うのは一事が万事。私の経験上、心のほころびはそのまま仕事に直結する。一見何の問題もないような成果物も、意識の低い人間が提供するものには細部にほころびがあるものが多い。
工事でいえばそれは小さなミスであったり雑な仕上がりであったりするのだが、問題にしないのはそれが顕在化されなていないだけか、取るに足らない程度ととらえているか、いずれにせよ重要な点と考えていないということになる。
おそらく敏感な消費者はそういった点を気にかけている。それが高額な物であればなおのこと、提供されるすべてのものに価値に相当するか値踏みをしているのだ。
ご紹介のメールに返信をしながらそんなことを考えていたが、ありがたい反面、気も引き締まる想いで今後より一層ふるまいには気をつけようと思わされた朝であった。
仕事はできて当たり前。価値を生むのはその他の領域である