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【認知】爪痕をのこすことを意識してますか?
対象顧客にたいして、いかに印象を与えるかを重視する。その人の頭の中に居場所ができれば思い出していただける可能性は高まる、という話
一昨日の夜、スマホを見ると知らない番号の着信履歴があった。
まだ夜8時ということもあって、夜分遅くに失礼かな?とも思ったが電話をかけ直してみたところ、その日の夕方に問い合わせをいただいたマンションの管理組合の方と判明。
「あ、折り返しすみません、電話番号を登録しようとして間違ってかけてしまったようです」
簡単なご挨拶だけして、その日は電話をきったのだが、わたしは内心ほっとしていた。
夕方にいただいた問い合わせは、マンションのとある箇所の不具合の相談。
電話のはじめに「ご質問がいくつかあり、お時間をとらせてしまいますが、
おそらく御社に発注はしない予定ですがよろしいでしょうか?」という正直すぎる会話の入りがあった。
あまりの正直さの少し笑ってしまったが、「かまいません、ご質問をお聞かせください」と質疑に入った。
そこからの会話は、わたしにとって大変勉強になる内容で、一般の方が何に困って、どんなキーワードで情報を検索し、弊社のホームページまで辿り着いたかなどの情報を仕入れることができた。
わたしは会話の内容をメモしながら回答をしていたのだが、そのリアルな感情やプロセスは今後の商売の糧になると感じながら話を進めていた。
話すこと約20分。メールやLINEなどが主流の今、電話で20分も話をすることは稀であったが、恐縮するお客様をよそにA4紙1枚分にびっしりと書いたメモは今後の課題の宝庫であり、それがたかが20分で手に入ったことを幸運に思った。
そして最後に念押しなのか、「色々と教えていただきありがとうございます。ただ、御社に発注する可能性は低いと思います」との締めくくり。
わたしとしては、お渡しできる情報はすべて話したつもりであるし、問題解消にむけて、その情報が役立つのなら満足である。
このようなやり取りは度々発生し、現地赴いたところで、弊社の領域ではない仕事内容のことはよくある話なのだ。だが、その場合でも、なるべく知っている限りの業界内での話や、問題解消に前進するようなヒントをお渡しするようにしている。
外から見ればただの空振りであるし、対応したにもかかわらず利益は一切得られないが、わたしはそれ以上の価値である「お客様の印象に残る」ということを重視するようにしている。
そのような行動基準でふらふらしていると、時間を経て仕事をいただけたり、紹介をいただけたりすることがあるからだ。
お客様との接点はその場で仕事に直結しなくとも、チャンスであることに変わりはない。そう心がけていると、冒頭の間違い電話のような繰り上げ候補に加わることだってあるという話。
いかにポジティブな印象を相手に与えられるか、という視点で爪痕を残す意識をもつ