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短期の成果に一喜一憂しない

売上げには波がある。年間や前年と比べて見るときは俯瞰して捉えることが重要、という話

今年もあと一ヶ月、ということで今年の総括をしている。弊社は3月が決算月になるので本年度ということであればあと4ヶ月ほど猶予はあるのだが、2021年の売上げはまずまずという着地になりそうだ。

しかしながら内容的には新規の取引先も増え、その取引先が今後伸びてくる可能性も大いに秘めていることもあり、期待も込めて来年以降はさらに売上げが大きくなると予想している。

去年度は予想外の大型案件がいくつかあり、売上げも過去最高となったが、その案件の経緯から見ても毎年発注がかかるような内容ではなかったため、少しドライに捉えていた。棚から牡丹餅的ラッキー案件はありがたいが、それをカウントしてしまうと正確な伸び率も把握できないので「たまたま」と自分に言い聞かせた結果が今年の微増した売上高になる。

そして俯瞰して何より注視すべき点では、この微増を狙ってアプローチした層に見事マッチして少しずつ成約につながっているというあたりで、今年もあれこれ思索して動いた結果が芽を出しているという点においては、やはりまずまずという感想を抱いている。

この文脈からもわかる通り、おそらく本年度の売上げは前年に比べて少し落ちると予想している。数字やグラフにすれば悲観してしまいそうではあるが長い時間軸で捉えたときの一進一退は誤差の範疇であると思うのだ。

年間を通しても月ごとに売上げは上下するし、数年単位で見ても同じこと。最も大事なのはその年も将来につながる行動をおこしたか否か、という点にある。

誤差の範疇の一進一退は結果的に伸びていれば問題ない。その成長過程の内容を自身で理解していれば特段焦ることもないだろう。それよりも危険なのは停滞すること、つまり何の行動もとらない、もしくは現状に満足して腰を降ろしてしまい、安定期に入ったと勘違いしてしまうことだ。

昨今の市場の変化はかなり速い。数年前に利益を得られた方法がすぐに陳腐化されてしまう。であるからして、陳腐化して利益が目減りするその前に、新しい施策を講じるのはもはや習慣化してしまった方がいいくらいだ。

現状の仕事に集中しつつ、もう一方の視点では常に新しい何かに向けてアンテナを立て、更新をはかっていくことでやっと平均を割らない売上げを確保できる状態という業種業態も少なくはないはずだ。

私のいる業界は一般的に見ても衰退産業としてカテゴライズされることも多く、生き残るには常に新しい情報を自身の事業にカスタマイズして取り入れていく必要があるのだ。

その更新作業は成果として利益をもたらしてくれるまで一定の時間を要する。最悪の場合、芽が出る前に腐り、使い物にならなくなることも珍しくない。

だからこそ小さな更新のタネを数多く蒔き、現状の仕事に集中しながらも世話をしてやらなければならない。そういった観点からも一進一退は誤差のうち、むしろ後退は許容しても停滞はしてはならないのだ。

今年の総括から自社の現在地やポテンシャル定め、来年以降に蒔けるタネを考える。その繰り返しはこの先ずっと続く大事な更新作業となるだろう。

短期的な成果や現在の結果は受け止めはしても感情に取り入れてはならない。大事なのは本質的な成長率が伸びているかにある