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【弱肉強食】市場の裏側では虎視眈々と侵食をねらう輩がいる

市場の構造において、どれだけ顧客層を囲い込めるかで、強者のポジションが確定する。強者のやり方はいつだってえげつない、という話

同業他社の経営者と数人で業界の話をしていたところ、噂レベルではあるが、かなり信憑性の高い話を聞いてしまった。

なんでも、とある住設関係(水回り商品がメイン)の会社がこの度サッシ系の部署を設けたらしい。その会社は建設業界でも有名な大手である。



ビルダーや建設会社、リフォーム会社などの卸先に自社の取り扱う商品を売り込む際、抱き合わせとして今までは取り扱っていなかったサッシ関係を提案するらしい。

その会社としては自社の取り扱うメインの商品が売れれば利益は出る。そして、撒き餌としてサッシ関係の商品を赤字同然の価格で提案するそうなのだ。



家を建てる会社としては、サッシ部門が格安で納品されるのは魅力的である。その狙いは今までサッシ専門に卸していた仕入業者から市場のパイを奪うことにある。

一気に市場を席巻したところで、サッシメーカーへ仕入価格の交渉に出る。メーカーも大きな市場を囲っているのなら、ということで仕入価格の掛け率をさらに下げることで、住設会社にはサッシ部門でも利益が出始めるというわけだ。



その破格の仕入値を聞いて腰が抜けたが、これでは一般の卸業者は太刀打ちできない。とはいえ、商品を卸さない訳にはいかないゆえ、自然と価格競争に巻き込まれるかたちとなる。

薄利の影響や、それでも売れない状況が会社にダメージを及ぼし、弱体化したところをメーカーが資本を入れて買収するなんて話まで出ているそうなのだ。



生き残るためとはいえ、弱肉強食過ぎる話に背筋が凍るような感覚を覚えたが、その話が本当であれば、数年以内に業界の図式が一変するようなインパクトがある。

そうなるとわたし達のような末端の業者にも影響はあるだろうし、弊社が住宅関係から距離置いているとはいえ、まったくの無傷でいることはできないだろう。



あまりに自己都合な市場の取り方に品性を疑うが、これも市場の厳しさのひとつなのかと思うと資本力の大きさの影響に身震いする。

なんだか最近業界に強い向かい風が吹いているように思うが、そこから抜きん出るにはまたひとつ殻を破り、脱皮するような成長が必要なのかもしれない。

そんなホラー映画のような信憑性の高い噂話であった。

小さな会社の戦い方は、大きな相手をうまくかわすことにある


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