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【商売】とにかく「生き残る」という戦略も今の時代はアリかもしれない
商売において、時代の淘汰の波に飲みこまれない、というだけでも価値が出る可能性がある。自然に身を任せて生まれる希少性、という話
昨日の現場でのこと、馴染みの大工さんと仕事の進め方について話をしていたところ、30代と思われる若い建具屋さんを紹介された。
3代目ということでわたしと立場や状況は似ているのだが、建具屋さんという業種は建設業の中でも絶滅危惧種として認識されているくらい希少性が高い。
昨今の家づくりでは、建具は大手メーカーが生産する既製品がほとんどで、建具屋さんがつくる完全オーダーメイドの製品を採用する工務店や建設会社は稀である。
そんな経緯もあり、年々ものすごい勢いで建具屋さんは減少。今ではほとんどお目にかかれない業種のひとつになってしまった。
弊社も戸建てをカテゴリーに入れていた当時は、要所要所で建具屋さんとの絡みがあり、畳屋さんと並んで先細りする市場を憂いていたのをよく思い出す。
わたしたちガラス業もそれなりに厳しい淘汰の波が押し寄せていたが、わたしはすんでのところ戸建てから市場を変え、なんとか生き延びることができているが、ガラス業自体も高齢化による廃業でかなりのハイペースで減少してしまっているのが現状である。
打合せが終わり、建具屋さんと少し話をさせていただいたところ、オンラインで特注オーダーを受けるようになってからはかなり忙しいのだそう。
これはどの業種にも当てはまるが、自然と減少していく競合他社をしり目に、生き残っているだけでも勝手に希少性が高まり、重宝されるようになる。
現状はどの地域も同じなので、生き残り、オンラインで販売できるものを取り入れる、というだけでかなりのアドバンテージが稼げるようになるのは他業種からもよく聞く話である。
まじめに商売をやっていたらまわりが勝手に潰れていった、ということは珍しくなく、爆発的な売上げこそ期待はできないが、生き残ることで商売を継続していくことはある程度可能だということは様々な業界で証明されていると思うのだ。
弊社のまわりの同業者も5年後には半分以下となる予想で、10年後にはどうなるものやら想像すらできない現状である。
それまで生き残っていれば食いっぱぐれる可能性も少ないかもしれないが、その頃には市場自体もかなり縮小すると思われるため、敵がいなくなったことでバンザイ、という楽観的な結果にはならないだろう。
とはいえ、生き残るという戦略は最低限必要な要素であることは間違いない。若い建具屋さんは今後の数十年をどう見据えているのだろうか。
「消えない」という選択肢を持つことで弱みが強みに変わることがある