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【どうする?】対象外の顧客をどう扱うか?
自社が対象にしている顧客層以外の問い合わせやご相談をどのようにして扱うかで、その会社の資質が見えてくる、という話
本日は午後から超大型案件を取引きのある会社に紹介するため、時間を確保している。
今年の7月に弊社へ問い合わせがあり、相談内容を伺った。内容的には問題はなかったが、そのボリュームに問題があったのだ。
建設業許可の問題から弊社で請け負える工事金額を超えていたため、内容的にも許可的にもカバーできる会社を紹介する、というかたちで話がまとまったのだ。
建設業許可が問題なければおそらく数千万の利益になる予定であったが、そこはルールを無視してまで取りに行く利益ではない。単純に弊社の対象とする顧客層ではなかった、というだけの話である。
今回のことにかぎらず、対象外の顧客からご相談を受けることは少なくない。そもそもそういった顧客層から問い合わせがあること自体、自社の窓口に工夫が必要だと思うのだが、60年以上地元で商売を営んでいると古いイメージは簡単に払拭できないらしい。
時々いただく対象外の問い合わせには、その内容に適した会社を紹介するか、丁重にお断りすることにしている。断る際にも、適した業者の名称やカテゴリーを伝える。
横の繋がりがないばかりに紹介はできないにしても、ご自身で調べるにも「キーワード」や「職種」は一般の方にはイメージできないことも多いのだ。
例えば「エクステリア」という家の外回りを意味する言葉も一般的に広く知れ渡っていなことから、調べようにも欲しい情報に行きつかないケースも多い。
弊社においても対象外の顧客の対応をもっとシステマチックでドライな「断るマニュアル」のようなものを作成し、実行すれば時間やコストの節約になるのだろうが月に1件程度なら例え利益にならずとも振る舞いとして悪くないと考えている。
そして私の中で、対象と対象外との対応の温度差を分けるような器用さがないことも要因であるが「関わる人の為になるように」という点において、姿勢を維持することには有効だと思っているので時間や労力のムダとは捉えてはいない。
この紹介制度を実行してみて感じるのが適才適所の有用性である。
「餅は餅屋」とは言うが、その仕事内容には適した会社が存在する。自社が請け負うことができるか?という軸ではなく、どこが請け負うことが最適な価値を生むだろうか?という軸で考えるべきだと思うのだ。
逆に考えれば、自社が請け負うと最適な価値を生む市場はどこか?という問いが対象顧客を創造するに必要な考え方で、平たく言えば「だれを幸せにできるか?」ということを突き詰めていけば、その会社の方向性は自然と定まるように思う。
午後の紹介が成立し価値が生まれることを願うが、そこにそれ以上の損得勘定はない。自身は活躍できる土俵で存分に精進すればいいだけのこと、土俵の定義が明確だからこそブレることを回避できるのである。
自社の立ち位置を理解する。そこで生み出す価値を磨き続ける