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【ドリルねじ】現場仕事は日本の技術力に支えられている

製品の品質の高さは生活や仕事の質に直結する。ものづくりにおいて、やはり未だに日本製の信頼度は高い、という話

昨日の現場でのこと。

とある部品にかんして職人と話が盛り上がった。その部品とは現場仕事をしてる職人の間ではもはや常識となっているほど定着している「ドリルねじ」。

他にもドリルビス、テクスビスなどと呼ばれているが、ようはネジの先がドリルの形状をしており、下穴を空けずに加工ができる「ドリル+ネジ」の機能を持った優れものである。



従来はビスやネジで鉄製の下地に接合する際に下穴を空け、ネジ止めをしていくという流れだったのだが、ドリルねじは先端がドリルの役割りをしているので、下穴を空けながらネジ止めしていけるということで、下穴を空ける工程が省かれる。

この下穴を空ける工程がいかに面倒か。電動ドリルで下穴を空けていくのだが、下穴用のドリル形状のキリを先端に装着し穴を空け、空いた穴にネジを打ち込むのはプラスドライバー型の先端に付け替えるのだ。



数本程度なら先端を付け替えるのも我慢できるが、それが1日の作業となると打込むネジは数十本という単位になる。その何十回という付け替えの手間が省けるのは作業効率を格段に上げる。

はじめて使った職人はさぞ感動しただろう。しかも精密に計算されたであろうネジ先の角度は絶妙で切れ味は抜群なのだ。当然のことながら工場で大量生産されているが、切れ味の悪い粗悪品はほとんどお目にかかったことがない。



この辺りが日本製の素晴らしいところであり、小さな部品ひとつにとっても精度が高い。安心して使えるのも日本製ならでは。

昨日の投稿で書いた電動工具の「マキタ」もそうだが、優れた道具や部品を使うと現場でのパフォーマンスに雲泥の差が出るのだ。



時々、工具にお金をかけず、手入れもしていないような職人が今にも壊れそうな工具を使用しているが、大概の場合、その仕事はお粗末な結果になる。小さな作業で苦労し、そのストレスがミスを誘発する。

うまくいかない作業はいい道具や部品でカバーできることが多いということに気がついていないようなのだ。



初期費用こそかかるが、道具や部品の性能を上げることで生産性は上がり、結果として初期費用分はすぐに回収できると思う。昨日の職人にも道具類には相当な思い入れがあるのか「いい道具を使うと仕事もはかどります」と笑顔で答えていた。

そんな職人が使用していたドリルねじは「これ考えた人偉いよね」と言わしめている。日本人の細かな気づきや改善が今日も日本の現場を支えている。

何に資金を投下するかで、仕事の成果は大きく変わる



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