【決断】勇気のいる先行投資
昨日はこの時期に頻発している年末の挨拶として来社について書いた。
その中で、なかば飛び込み営業のようなスタイルで訪問してこられた顔見知りの方がいた。
ちょうど1ヵ月前に業界の会合でとある方から紹介された方なのだが、そのときに交換した名刺をもとにわざわざご挨拶にきてくれたようなのだ。
話を聞いてみると、ご商売の好調に伴い、高額なアルミサッシを加工する機械を導入したそうで、その額なんとベンツの新車1台分に相当するらしい。ベンツといってもクラスによって金額の幅はあるが、推定数百万単位でも後半レベルかと思われる多額の先行投資になる。
業種によってはこのような高額な機械や機器の導入が商売のロケットエンジンのような役割りを果たすこともあるが、それはあくまでも先行投資という不確実な賭けであり、勝算は100%ではない。
当然、多額なローンだけが残り、思うように稼働せず利益を生まないお荷物になる可能性だってあるのだから先行投資はかなり勇気のいる決断が必要だと思うのだ。
わたしもその方ほどではないが、先行投資として資金を投じることはある。機械などの有形のものもあれば、勉強代のような無形のものもあり、いずれも将来の売上げに貢献すると信じているから先払いしてまでその投資に賭けているのだ。
その場合、やはり資金を投じて終わりではない。お金を払えば成果が得られるのなら資金力のある会社がさらに儲けて終わりだが、投じた資金は見込み以上の成果を挙げられるようにそれからの行動が伴うのだ。
よってすべての先行投資が花開くわけではない。わたしも力及ばず散っていった投資など数えきれないほどある。それをもったいない、と切り捨ててしまえば可能性もへったくれもない。
まずは身銭を切って試してみなければわからない領域があるゆえ、とりあえず痛みを伴う覚悟はある程度必要になる。だが、無計画にバンバン資金を投入しては身が持たない。はじめは少額からためし、可能性をとらえてから追加の資金を投じる方が賢明だろう。
昨日の方がそのあたりのテストを実行したかはわからないが、ベンツ数十台分以上の利益を生む機会として機能することを願っている。
一世一代の大博打であろう先行投資に弊社も貢献できるよう、来年以降のこの方とのお付き合いを真剣に考えた次第である。