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【商売】見てるのとやるのとでは大違い

商売において、はたから見てなんとなく感じをつかむのと、実際にやってみるのとでは雲泥の差がある。では、どうすれば上手くやれるのか、という話

昨日は夕方からとある調査会社の担当者と話をしていた。

様々な影響から倒産件数が上昇しているとし、飲食業がトップというものの、わたしのいる建設業においては次いで2番目に多いそうだ。近しい業者の間でも、その影響からか暗いニュースを聞くことも少なくない。

担当者が置いていった冊子をなんとなく読んでいたところ、あるラーメン屋の倒産までの話が掲載されていた。



中小企業に勤めていた店主は無類のラーメン好きが講じて脱サラし、とある有名店に修行人として入ったそうだ。そこで3年程の修業期間を経て、念願の自分の店を持つことになる。

運の悪いことにオープンして3年程でコロナに見舞われ、あっという間に倒産してしまったということだが、実はコロナ以前の3年でも軌道に乗ったとは言い難い状況だったそうだ。



店主曰く、「すべてが甘かった。味に自信があればもっと簡単に繁盛店になると思っていた」という。

この記事を読んで、思わず共感したポイントがある。それは、「すべてが甘かった」という、自身が経営者になる前となった後に経験する認識の誤差があるという点だ。



その誤差とは、例えるなら自転車の補助輪のようなもので、修業時代や勤め人時代、外から見る分にはいがいと自分にもできるような錯覚をおぼえてしまう。それはあくまでも守られた環境、つまり補助輪付きで走れている状態で、実際の市場に経営者として放り出されることはその補助輪を外されるということになる。

だからこそ、いくら事前に情報や知識をいれようが、実際の市場で役にたてようとなると経験やセンスなどの実践がどうしても必要となる。補助輪を外したあと、ふらふらとペダルをこぎ、ときに転んでは膝をすりむくなんてことがなければ自転車に乗れるようにはならないのと同じだ。

もし、自転車の初心者が乗り方の本などを事前に読んでいたとしても、それだけでスイスイと乗れるようにはならない。



ラーメン屋の店主においては、運も悪かったと思うが、実際に当事者として店に立ち、そこから見える景色があまりにも想像と違うことにさぞ驚愕しただろう。

わたしも10年前に会社を引き継いだ当初、よく頭をよぎったのが「思ってたんと全然ちゃう」という感覚である。そのあとは独学で学びながら軌道修正をし、今に至るが、結局は走りながら経験値を積むことでしか体得できない部分が大きいと感じている。



偉そうに書いているが、とはいえ弊社のような微粒子企業は自転車のようなバランスだけで乗りこなせるものではない。舗装されていないオフロードを走るようなものなので、パンクしにくいタイヤやサスペンションなどの装備も必要になる。

わたしもまだまだ転びそうになるレベル、さらなるテクニックと装備を身に着けるべく邁進したいと思う。

経営者としての椅子に座った途端、見ている風景は変わる


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