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【暑すぎる】建設業における夏場の仕事を考える

むかしとはあきらかに違う現場の環境に、肉体労働者の働き方も考える必要が出てきたのかもしれない、という話

「暑いから、もう少し涼しくなったらお願いします」

「9月末ごろに延期させてください」

どちらもこの夏の暑さから工事の時期をずらしてほしいという内容でいただいたメールである。



お盆が過ぎ、それでも一向に収まる気配のないこの夏の暑さには建設業同志でも「暑いね」を通り越して最近では「まいったね」というのが挨拶代わりになりつつある。

現場で作業する職人にとってファンがついた作業着、通称「空調服」はもはや常識だし、熱中症対策の塩飴や水分補給、こまめな休憩は意識せずとも自身の身を守るために各々がしぜんと取り入れている夏のルールである。



今年は6月の下旬にもかかわらず猛暑日が記録され、それから現在に至るまで高温の日が続いている。こうなると出口はいつのことだろうか、と気を揉みはじめるが、冒頭のメールがしめす9月末はまだ暑さが納まっていないような気がしてならない。

甲子園ですら時期を変更する議論がなされている。100年前と比べて平均気温が2℃以上も上昇している夏において、影響をもろに受ける職種においては真剣に働き方を考えねばならないところまできていると思うのだ。



例えば、真夏と真冬という過酷な環境という時期のみ、作業単価を高く設定し、短時間でも利益を落とさないようなしくみは、労働者の生活や身を守ることにつながる。

お客様からすれば、企業よりの都合のいい設定とうつるかもしれないが、過酷な環境で消耗すれば働き手が減少し、それこそ通年の作業単価が爆上がりすることもあり得るのだ。

ただでさえ減少の一途を辿る労働者不足を緩和するためにも、既存の労働者に寄り添うしくみは市場を守るためにも必要になる。



わたしの感覚だと、冬の状況より昨今の夏の状況の方が深刻であり、せめて7月、8月の2ヶ月だけでも単価を上げ、その分働く時間を短くすることでムダに消耗することは避けられるのではないかと思うのだ。

ヨーロッパのように長期の休暇を導入することはむずかしいだろうが、確実に変わりつつある環境の変化に対応することは急務だと感じている。

あと1ヶ月以上こんな日が続くのかと考えるだけでゲンナリするが、間違いなくこの夏も後半にはさしかかっているということで自分を鼓舞しつつ乗り越えようと思う。

環境の変化に柔軟に対応してもなお提供できる価値をあり方を考える