ジャンプ力が20%アップする 水中トレーニングメニュー
結論
水中でのジャンプトレーニングは 怪我を予防しながらジャンプ力を上げたい人や怪我から復帰しつつジャンプ力を上げたい方にオススメ
はじめに
今回は 暑い夏にこそ皆さんに一度はチャレンジしてもらいたい 水中でのトレーニングメニューをご紹介したいと思います。紹介するメニューはロシアのヘルス スポーツ リハビリテーションに2021年に掲載された研究のメニューで、2ヶ月間で垂直跳びは21.05%増加し、幅跳びの距離は8.84%増加、俊敏性は9.35% 足の速さは12.50%向上したものになります。
今回の内容, 実はyoutubeの方でも同じように紹介しているのですが、動画では2015年に発表された論文のメニューをご紹介しています。なので、興味がある方は是非 そちらもご覧ください。
水中でのジャンプトレーニングをオススメする理由
水中でのジャンプトレーニングは陸上と比べ、パフォーマンスがやや向上しやすく、怪我しづらいという特徴があります。その理由として、水中環境で発生する浮力や、体を動かした時に受ける抵抗の力 つまり 揚力が発生するからです。
パフォーマンスが向上しやすい仕組みについては動画で話していますが、プールや海の中で長時間、そして、様々な種目を長期間、定期的に行うのは 現実的ではないです。
もしも水中でジャンプトレーニングをした方が、陸上と比べ圧倒的に効果が高いのであれば、なんとしてでも水中で行なった方がいいですが、実際は、別のトレーニングで代用できる可能性がある事や、一部の研究ではあまり差がないと報告されたものもあります。
つまり、簡単に言えば パフォーマンスアップだけを目的に水中でトレーニングをするのは コスパが悪いという事です。
ただ、体への負担の減少が、とても重要な場面や、時期、体の状況、の選手
そのような選手の場合は
水中でのトレーニングは、他では代え難い程、重要な選択肢になります
水中でのトレーニングを絶対した方がいい人
水中でのジャンプトレーニングをするべき人は、足、膝、股関節に少しでも痛みや違和感のある方です。そして、もっと言及するのであれば、ジャンプトレーニングやジャンプを多用する競技によって痛みが発生している場合です。痛みの原因が単なるオーバーワークの場合は、適度な休憩が最も大事ですが、それ以外であれば水中でのトレーニングは痛みを抑えつつ、もしくは、痛みを治癒しながら、トレーニングを可能にします。
ジャンプ競技で最も多い傷害のジャンパー膝については以前、まとめていますが
ジャンパー膝の原因の1つに ジャンプの着地時の衝撃があります。これをプールでヘソほどの深さでジャンプを行えば衝撃を45%減らす事が可能です。
この着地の衝撃はジャンパー膝の原因になるだけでなく、その他の腱炎や筋肉痛などの慢性的な損傷に関係する可能性があるといくつもの研究で報告されています。(Colado J, et,al, 2010. Donoghue OA, et,al,, 2011. Dunbar CC, et,al,, 1992. Miller MG, et,al,, 2007.Miller MG, et,al,2001. Wyatt FB, et,al, 2001. 11)
そして、さらに水中でのトレーニングは筋肉群間の不均衡を改善し、力の伝達と下肢の機能的な動きを改善します(Kenney WL, Wilmore JH, Costill DL.2015)これは少し難しい表現になりますが、簡単に言えば、バランスの整った体と効率良い体の動かした方を手に入れる事ができるという事です。
という事で、プールでのジャンプトレーニングは、体の痛みや違和感がある人、そして、故障しやすい選手にオススメです。では、2021年のトレーニングメニューを紹介します。
注意点としては 掲載された科学雑誌の質は低いので自信を持って研究と同じような効果があるとは言えない点です。(再現性が低い)ただ、紹介する論文の内容自体は、厳格に行われていたので個人的には効果はあると思っています。(ランダム化比較試験)
ジャンプ力を20%アップした2021年のトレーニングメニュー
トレーニングは8週間の週3回行われ。メニュー内容は1-3週 4-6週 7-8週の区切りで変更されました。そしてトレーニングの区切り毎に大幅にトレーニング回数とトレーニング強度に変化が見られます。トレーニングの回数やセット数、休憩時間はリストを確認してください。
メニューを紹介していきますが、和訳しても、詳細な説明はなかったので、恐らく このジャンプだろうという感じの紹介になります。英文のメニューもそのまま 載せますので、自分なりに探してみてください。
ではいきます
まず1-3週目のトレーニングは、ジャンピング イン ザ プレス 基本的なジャンプでその場でコーチの掛け声に合わせて跳ぶジャンプ、サイドジャンプは横に跳ぶジャンプ。シングルジャンプは片脚ジャンプ フロントジャンプは幅跳び、jump with the exchange of putting the(ジャンプで足の前後を入れ替える) Jump with open and join the feet in (ジャンプで足を開いたり 閉じたりする)
次に 4-6週目のトレーニングは, Partridge on one foot in the place. (ジャンプで太ももをあげながら交互に行う) jump with the knees attached to the (タックジャンプ 両足で飛んで膝を抱え込む) jump with feet in place (前方に跳んで狙った場所に着地する)、Deep jump with feet as they move (ボックスから飛び降りた瞬間に前方へジャンプ) deep jump in place with the exchange (ボックスを前方へ置き ランジのように足を交互にクロスさせジャンプ) forward on the box(ボックスを前に置き 跳びのる)
次に 7-8週目のトレーニングは Jumping interchangeably feet on the (パワースキップのように足を交互に入れ替えながら前へ跳ぶ)、Side jump interchangeable feet on the (サイドステップで足を交互に入れ替えながら前へ跳ぶ)cross jumping (手を前に出し ジャンプをしながら 手のクロスと足のクロスを同時に行いながらジャンプする) Step box (ボックスの上に足を置き 足を交互に真上に跳ぶ)
以上が2021年のトレーニングメニューになります。何度も言うように、メニューは掲載されていますが、詳細な内容はないので、研究を読んでも完全に再現してトレーニングをする事は出来ません。
なのでyoutubeの動画と合わせてメニューを考えた方が良いです。
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参考文献
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Kenney WL, Wilmore JH, Costill DL. Physiology of sport and exercise: Human kinetics; 2015.
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