法学部からデザイナーになるまでの道すじ~freee 19新卒 Advent Calendar~
※これはfreee 19年度新卒のアドベントカレンダーの中の記事です
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〜心の中の声〜
(アドベントカレンダーかぁ)
(何書こう...)
(やべえよ、序盤の人たちめっちゃエンジニアリングな話するじゃん。俺そんなデザインで語れることまだ持っとらんぞ)
(なんかそのあとの人たちもミスコンとか大道芸とかコンテンツ力高い話するなぁ。俺の強みなんて「真面目なこと」と「やさしいこと」くらいだからそんなのできんぞ〜)
(あ、そういえば)
(そういえばfreeeの新卒って大体20人以上いるけどデザイナー1割以下かぁ。ちょっとデザイナーの存在感出していきたいなぁ)
(ゴリゴリのデザインの話はまだあんまできんけど、まぁ新卒だし、「自分がどうやってデザイナーになったか」の話でもしようかな。ワンチャンデザイナーになりたい人への一助になるかもしれんし。よし、それで行こう。)
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・はじめに
がくとんです、freee株式会社に19卒入社することになりました。
職種はUXデザイナー職です。去年の9月からインターンをしています。
この職種に就職すると、「もともと美術とかデザインとかしてたの?」とか、「やっぱセンスとかそういうのあるの?」とか言われるんですが、まじで僕には全くそういうものはなく、大学では法学部で理屈っぽい条文や裁判例などをずっと勉強しています。
「え、じゃあ一体どうしてデザイナーになるの?」
そう思う方も多いと思います。というかそう思ってくれないと次の話に進めません。お願いなのでそう思ってください。嘘でもいいから。
その疑問を持って次を読み進めてください。
・デザインと無縁だった20年間
「え、じゃあ一体どうしてデザイナーになるの?」
そう思う方も多いと思います。
実際、別に物を作るとか絵を描くとかが得意だったわけでもなく、中学校の美術では5段階中2しか取れたことありません (技能で成績全部決まる特殊な学校だった...ペーパーテストならこんなことにはなってない。)
それくらい特別観察眼があるとか、手先が器用とか、そういうものがあったわけではありませんでした。というか、むしろ"何かを作る" こと全般から避けてきたと言った方が正しいかもしれません。
でも、誰かが作ったものや作品を見たり触れたりするのはずっと好きで、
アニメ・ゲーム・音楽・小説・漫画 とか、いわゆる「表現」と言われるものは小さい頃から常にそばにありました。
ちょうど僕の小学校・中学校時代は Youtube やニコニコ動画が注目され始めたくらいの時期で、ちょうどその頃やっているアニメのパロディ(二次創作) の動画や同人誌がたくさん出てきたりして、また新たにコミュニティがそこで生まれたりしているのを見て、何かすごい新しい世界に入ったような感覚になっていました。楽しかったなぁ。
・デザイナーになろうとしたきっかけ
表現に触れるのはずっと好きでしたが、かといって何か自分でやるわけではないまま大学の法学部に入りました。
法学部に入ったはいいけど法律のことを勉強したいと思っていたわけではないので、ただなんとなく学校の授業に出てテスト前だけちょっと頑張って勉強して単位を取る、みたいなよくある生活をしていました。
そのまま法律に興味を持つこともなかった僕ですが、一個だけ好きになった法律が著作権法でした。自分の好きな "表現" っていうものがどのように世の中で守られているのかを知ることができたからです。
結果、大学3年生のはじめには暇さえあれば著作権法の勉強していて、気づいたら著作権に書いてあるおおよその条文と、実際にあった裁判例の有名なところはだいたい頭に入ってました。
自分がいつも好きなものに触れられているのは、それが法律で権利としてちゃんと守られているからなんだなぁと思う一方で、
いわゆる「クリエイター」と呼ばれる人たちが、知識がないゆえに権利を不当に奪われたり、立場が弱くなって搾取されたりしてしまうのもわかってきました。
例えばこういうやりとりがデザイナー・クリエイター界隈の人たちとは頻繁に起こったりします。
音楽の著作権に関する質問
UIの著作権に関する質問
ロゴの著作権に関する質問
こういうデザイナーをはじめとするクリエイターの法律相談が月に一回くらい来ます。
こういう相談を受けていくうちに、
「もしかして、今って世の中に出ていくはずだった素晴らしい表現が、世の中に出ずに潰されてしまっているかも?」
「クリエイターは法律の知識がないし、一方で法律側もクリエイターの気持ちや悩みを理解しきれてないのでは?」
「法律やってる自分がデザイナーになることで、その間をつなぐことができるんじゃね?絶対いけるやろ!」
そんなことを思い始めました。
思っていることは大それたことな感じもしますが、最後はノリと勢いで「デザイナーやってみよ」と思い立ちました
立ちはだかる壁:「ポートフォリオを提出してください」
そんなこんなでデザイナーになろうと思い、早速 wantedly で「デザイナー」と名のつくインターンに片っ端から申し込みました。
デザイナー職に申し込むと、こんな画面が出てきます。
なんだこれは。
なんかこれまで作ったものを出せ、みたいなことらしい。
そんなのあるわけないだろおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!
企業としては何も経験がない人に対して1から教えるのはコストでしかないので当たり前といえばそうなのですが、なかなかつらいものがありました。
結局、応募で出した会社のうち面接まで行けたのは2割にも満たなかったと思います。
でもその中で、面接に呼んで採用してくれたのがfreeeでした。
・入ってからの日々
freee にインターンとして入ってからの日々はなかなか辛いものでした。
何しろデザインソフトも一回も触ったことがなく (当時の自分はLINEの起動に5分かかるような低スペックPCを使っていた) 、デザインの基本原理(整列・近接・反復・コントラストといった初歩的なこと)も知らないから
画面を作ってみてもうまくできる感じはしないし、上司からはたくさん赤で修正箇所を指摘されてフィードバック受けてました。
「法律とデザインをつなぐとかよく言えたな自分…もう無理ぽ」と毎日思ってました。笑
でも一方で入ってからの日々はすごく楽しくて、
それは「デザイン」というものがただ見た目の綺麗なものを作ることではなく、困っているユーザーの課題を解決するものだと気づけたから。
UXの5段階モデル、「Elements of User Experience」 Jesse James Garrett 著、2010年
これはUXデザインの説明でよく使われる5段階モデルですが、一番下にはユーザーの需要 (すなわちニーズ) から始まり、上に上がっていくごとに具体化され最終的にビジュアルデザインになっていく様子を記したものです。
これを見ると明らかなように、見た目を気にするのは最後の段階で、その前には多くのプロセスがあること、そしてその出発点は「ユーザーが何を求めているか」であることに気づけたのはシンプルによかったです。
人間中心設計プロセス 常にユーザーの利用状況の把握から始める
どんな作業をしても、いつも freeeのメンターの方に「これによって解決できるユーザーの課題は何?」と言われ続けたことで
いいデザイン = 見た目の綺麗なもの というこれまでの認識から、ユーザーの課題を明確に捉え、その課題を画面同士の連なりや一画面の要素で確実に解決することと考えるようになりました。
・今後のこと
色々ありましたが、なんとかUXデザイナーとして一歩踏み出せる土台に立てることが決まりよかったなと思っています。
経験も知識もなくても、全然普段勉強している分野とか違っても、「踏み出してみよっ!」と思うノリと勢いと継続していく力さえあればできるものなんだなと思いました。笑
まずは自分自身のプロダクトを作りきれるように頑張ります。
明日は Sota Hamamichi の記事です!お楽しみに!
(終わり)
・あとがき
今投稿日の夜中 2:45 なのですが、今になって前日の記事で
さて次回は
1. ウィットに富んだ自己紹介
2. UXを熱く語る若者
3. がくと、突然川柳を披露
の三本です。
と前置きされてることに気づきました。おおおおおおおおおおおお
1と2はまぁなんとか触れていなくはないのでいいとして (許してください) 、川柳って・・・・
ちょっと一回寝て明日考えてみます。今日はもう寝ます。おやすみなさい。