がくとん

デザインと法律を行ったり来たりしています

がくとん

デザインと法律を行ったり来たりしています

マガジン

  • 法学部の僕が、UX/UIデザイナーになるまで

    大学で著作権を学びデザインに魅力を感じた僕は、UXデザイナー職の就職を決めた。このマガジンは、大学3年生の僕が0からUX/UIのことを学び、学ぶ中で直面した法律にまつわる問題を考察することで、「デザイナーを守れるデザイナー」になるまでの道のりである。

最近の記事

働き方のデザイン:freeeデザイナーの仕事と学びの両立

freeeでプロダクトデザイナーをしているgakutonです。 普段はfreee請求書という新しめのプロダクトのデザインをしたり、freee全体の知財戦略(特許などの方針策定・推進)を担当しています。 2023年の4月から社会人大学院に行き始めました。 仕事との両立で絶賛悩んでいる最中ですが、自分なりに学んだことや、稼働が減る中でアウトプットを出していくために得た気づきを書きたいと思います。 大学院で何学んでるの知的財産の法科大学院に通っています。 元々大学時代は法学部に

    • デザイナーから進める特許の取り組み

      この記事は freee Designers Advent Calendar 11日目の記事です。 こんにちは、gakutonです。freee 会計の税理士・会計士さんに向けた機能のリードデザイナーをしています。 この記事では主に IT のベンチャー企業やプロダクトのグロースフェーズでデザインを担当している方に向けて、デザインの視点から特許などの知的財産に結びつける考え方を書いていきます。 なかなか普段は触れない縁遠いテーマかもしれませんが、ぜひ最後までお付き合いください。

      • コモンズを広げるデザイン ~人々の共通利益はデザインによってどう広がるか~

        この記事は freee Designer’s Advent Calendar の 9日目です。 みなさんこんにちは。freee株式会社でデザイナーをしている gakuton です。freeeではアカウントや課金・権限など、freeeのプロダクト共通で扱う領域の UI/UX デザインを担当しています。 学生時代は法学部で著作権や特許法、加えてプライバシーや肖像権などインターネット時代に特に変化を求められる法律の勉強をしていました。 今回は僕が法律の分野からデザイナーを志す

        • 法学部からデザイナーになるまでの道すじ~freee 19新卒 Advent Calendar~

          ※これはfreee 19年度新卒のアドベントカレンダーの中の記事です =========================== 〜心の中の声〜 (アドベントカレンダーかぁ) (何書こう...) (やべえよ、序盤の人たちめっちゃエンジニアリングな話するじゃん。俺そんなデザインで語れることまだ持っとらんぞ) (なんかそのあとの人たちもミスコンとか大道芸とかコンテンツ力高い話するなぁ。俺の強みなんて「真面目なこと」と「やさしいこと」くらいだからそんなのできんぞ〜) (あ

        マガジン

        • 法学部の僕が、UX/UIデザイナーになるまで
          16本

        記事

          アプリの法律的問題をデザインで解決する

          今、お手伝いしている会社でSNS・メディアアプリのデザインをしているのですが、その中で気づいたことがあり。 デザイナー・開発者に向けて一つの視点を共有したく思う。 サービスを作っていると、いろんな法律的な壁にぶつかります。 「SNSって、嫌がらせとか悪質なコメントにどう対応すればいいの?」 「レビューサイトで嘘のレビューを書く人がいて苦情がきてるけど、どうすればいいの?」 「このサービス小さい子供も使うよね。なんか配慮すべきことないかな?」 などなど、リリースが近くにつれ

          アプリの法律的問題をデザインで解決する

          ユーザーインタビュー日記 相手の性格によって話し方を変える

          インタビューについて、本には書いてないけどすごく重要だと思ったことをノウハウとして書き留めます。 これまでのインタビューのプロセスは以下の記事にまとめてあります。 <これまでの記事> その1:事前準備編 その2:インタビュー実施編 その3:要求定義編 ---------- インタビュー対象の話し方は2種類に分かれる1ヶ月で10人ほどインタビューを行い、最初はなかなかうまく質問ができなかったのも、今はだいぶマシになってきました。 インタビューでは基本的に、インタビュー対

          ユーザーインタビュー日記 相手の性格によって話し方を変える

          ユーザーインタビュー日記 その3:要求定義編

          今月はユーザーインタビュー月間(と勝手に名付けている)というのもあり、3日に一回はインタビューに赴いているがくとんです。 過程が進むごとに更新しているこの日記ももう3回目。今回はインタビューで集まったデータからユーザーの要求を定義していくやり方を書いていきます。 <これまでの記事> その1:事前準備編 その2:インタビュー実施編 ---------- 1.インタビュー後は、録音した会話を全て文字に起こすインタビューで得た生の声を要求として昇華させるため、まずは録音した

          ユーザーインタビュー日記 その3:要求定義編

          ユーザーインタビュー日記 その2:インタビュー実施編

          こんにちは、前回はインタビューを行う上での事前準備について書きました!! (ユーザーインタビュー日記 その1:事前準備編) 今回は準備を活かして、実際のインタビュー僕がやったこと、注意したところについてつらつら書いていきたいと思います。(前回の記事を読まなくてもわかる内容です。) 1.仮説ペルソナに該当する人にインタビューの依頼をするもしあなたがサイトをつくっていたり、サービスを作っている場合、そのターゲットとなる人がいるでしょう。 そのターゲットを仮説ペルソナという、

          ユーザーインタビュー日記 その2:インタビュー実施編

          ユーザーインタビュー日記 その1:事前準備編

          最近、起業した知人の新規サービスのUXデザインに関わらせてもらったり、所属している団体 (就職先ではない) のサイトのリニューアルなどをやらせてもらっています。 どちらもプロジェクトがキックオフしたばかりということもあり、対象となるユーザーさんの心理を探るという目的で、ユーザーインタビューを中心になってやらせてもらっています。 その過程で気付いたことを忘れないためのメモとして、ここに残していきたいと思います。 ちゃんとリリースしたらまとめた記事を書いていきたい。これはその

          ユーザーインタビュー日記 その1:事前準備編

          ユーザーインタビューを4件やったのでそれについてと、 アイコンについて考察したものの記事を書いて行きたい。

          ユーザーインタビューを4件やったのでそれについてと、 アイコンについて考察したものの記事を書いて行きたい。

          漫画村のニュースを時系列でまとめてみた

          漫画村のニュースが一ヶ月前から取り上げられています。 ニュースを見る中で、だんだん論点が移行して来て興味深かったので、時系列で内容をまとめた上で、見解を書いていこうと思います。 2/13 日本漫画家協会が海賊版サイトに対する見解を表明まずニュースとして取り上げられたのが、日本漫画家協会による海賊版サイトに対する声明だと思います。 この声明の中で、「作り手と、作品を利用するみなさんが、きちんとした「輪」のなかでつながっていることが大事」と主張した上で、 "私たち作り手は

          漫画村のニュースを時系列でまとめてみた

          デザイナーキャリアを選ぶ僕が目指すもの

          4月1日になり、社会人へのタイムリミットが丁度1年となりました。 節目としていいタイミングなので、「この1年をどう過ごすか」を話の軸にしつつ、どうしてデザイナーキャリアを選ぶのか、何を目指しているのか、デザイナーのインターンで気づいたことなどを書いていきます。 ほんの少しでもデザイナーを目指す方やデザイナー業界の方に新しい視点をもたらせられればいいな、と思っています。 自己紹介サマリ・早稲田大学法学部4年生 ・専攻は著作権やインターネット関係の法律 ・大学1、2年はNP

          デザイナーキャリアを選ぶ僕が目指すもの

          色の良し悪しの判断って誰がどうやってやるの?

          本当に最近、こんなことがありました。 所属している団体から「カラースキームを作って欲しい」と頼まれました。 ベースカラーが2つの候補あるということで、その2つのベースカラーを元に10色のカラースキームを作って共有したのですが、依頼してきた人に 「結局これどっちに決めるかの基準がわからないね。」と言われました。 候補として送られてきた2つのベースカラーにももちろんそれに至った背景や「サービスのこういう良さ・価値を伝えたい」のようなメッセージがあります。 ですが、それをカ

          色の良し悪しの判断って誰がどうやってやるの?

          AIが作成した創作物に著作権が発生するか検討する

          こんにちは、がくとんです。 今日はAIが作ったものに著作権が発生する(べき)かについて考えたいと思います。 僕はデザイナーのインターンを初めて約半年経つのですが、「あぁ〜これって人間じゃないとできない仕事じゃわ〜」と思うことがちらほらあったりなかったりします。 でも、別に表現というものは人間だけができるものではないんですよね。 例えば動物だって絵を書くことだってできるし (ゾウが絵を書いているというニュースを最近見かける)、 AIに関してはビートルズのこれまでの楽曲から特

          AIが作成した創作物に著作権が発生するか検討する

          UIトレースレポート:Amazon Prime Music編

          今回で2回目のUIトレースです。 前回のTwitterのトレースの時には、使われている言葉の色について気づきがあった一方、ページ全体の余白やフォントについて意識することが欠けていたので、今回はその辺りを重点的に考えていければ、と思いスタートしました。 上:元画像 下:トレースしたもの 特に何も考えず元の画像を選択したら、自分の趣味が完全に露呈しました。 年末に暇で「ひぐらしのなく頃に」を全巻読み直した影響で、このラインナップになっています。 左のナビゲーションについて

          UIトレースレポート:Amazon Prime Music編

          あなたのデザイン・クリエイティブは会社のもの 〜職務著作という制度について〜

          当たり前ですが、デザイナーが世の中に価値を見出すにあたって、会社に雇用されて (もしくは個別に委託されて) 会社の業務として力を発揮するのが大半でしょう。 組織から完全に独立し自分が創作したものを自分で販売して利益を得ている人は少数だと思います。 今回は、そんな会社に雇用、もしくは委託されて業務をしている中で創作したものは、全て会社のものになるよ。という話をします。 会社に権利が帰属する「職務著作」著作権法15条にこんな条文があります。 第15条 1項:法人その他使用者

          あなたのデザイン・クリエイティブは会社のもの 〜職務著作という制度について〜