留学生食堂のイチオシメニュー
9月からの新学期、他のクラスからは「マーマーマーマー」(四声の練習)が響いているが、クラス分けテストの結果、中級班に入ってしまった私は、老師(先生)が何を言っているのかほぼわからなかった。
点呼の時だけは、「XX」(私の名前)と呼ばれた時だけ、別の生徒が返事をしないので、それが自分だと分かる。緊張もしていた。そんな張り詰めた授業時間は平日8時過ぎから11時半くらいまで続いた。そして、昼。
授業はいつもなぜか早めに終わり、食堂が混雑する前にたどり着くことができた。我々留学生は「留学生食堂」で食事をとることになっていた。予め、1元とか5角などのチケットを買っておき、パウチっこのようにビニールコーティングされたそれで支払う。
おかずが1皿2元(当時約60円)だった。夕食時にはビールの大瓶(1.6元だから50円弱)をつけても何ら困らない。天国だった。この価格は「留学生食堂」の外国人価格であって、中国人学生が利用する「学生食堂」はさらに安かった。当時は何でも二重価格(外国人向けと国内向け)で、普段の買い物も兌換券という外国人専用紙幣を使っていた。
学食のレギュラーメニューで最も頻繁に食べたのは、豚肉とじゃがいも、ピーマンの味噌味炒め。ビールによし、ごはんによし。カフェテリア方式であれこれ言うと、皿に盛ってくれるのだが、途中から何も言わなくてもよそってくれるようになった。ごはんにはたまに小石が混ざっているとか、皿の周囲が欠けていて危ないとか最初は「おいおい」と思ったが、慣れれば何のことは無い。
やはり適応力は大事だね。