プログラム教育の次は金融教育をするっていう話。
2022年度から高校の家庭科で、家計管理の中で資産形成の視点に触れるように規定されたため、来年22年4月以降に資産形成のための投資についても触れる授業が行われるようになる。つい最近、小学校でプログラム教育が始まって、世の中変わったよなと思っていたら、今度は金融教育である。
基本的に、プログラム教育も金融教育も行うことは大賛成である。やる以上はきちんとした教育を行ってほしいと思う。懸念があるのは、家庭科の授業の中でそれだけの時間数は取れないだろうということ。日本史の中の現代史(昭和の時代以降の話。戦争に至る経緯や終戦にどう向かっていったか、戦前の資源がどう生かされて経済成長に繋がったか等学んでおく必要があるものが実は多い)等に多いが、3学期の最後の授業の20分くらいで駆け足で終わるような、そんな授業ならやらない方がマシである。
実際、金融教育の基礎になるのは数学・算数である。基礎教育がなされていて、ある程度のことはわかっている前提でないと、短時間での金融教育なんて無理がある。つまらない歴史の授業がそうであるように、言葉の意味の説明に終始する姿が見え隠れする。ぜひともそうはならないように工夫してもらいたいと思う。
日本人には昔からお金のことを表だって言うのは良くないといった風潮がある。また、額に汗して働くことが美徳とされている。この価値観は、農耕等の第1次産業が中心だった時の考え方で、その時代にはそもそも第3次産業になる金融というものが発達していなかったのである。お金がお金を増やすということ等考えられない時代であれば、目の前のことを黙々と行うことが美徳になるのも仕方がない。金融はヨーロッパで16世紀以降に発達してきたので、日本に本格的に入ってきたのはもっともっと後のことである。
今後は年功序列の賃金体系は完全に崩壊するだろう。そうなった時に金融リテラシーを学んだ人とそうでない人には大きな違いがある。社会人になってからではなく、これから進路選択をする高校時代に学べることは大きなメリットになる。願わくば、その知識を総動員して(それだけの内容の授業をしてくれることが前提になるが)、今後の学生生活や社会人生活で起こりうるリスクを考え、それに備えられる人になっていただきたいと思う。そのくらい今後は不透明になるし、知っている人と知らない人の格差が広がっていくと思う。今まではお金の授業は学校ではやらなかったがゆえに、知らないまま過ごしてきた人も多いと思う。単に投資ということだけでなく、生活リスクをいかに防衛するかという観点でお金の授業を取り入れてほしいと思う。
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