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「美術を語れる人」になるためには
美術を語れるようになりたいと思っている人は案外少なくないようです。
でも、そもそも「美術について語れる」とはどういうことでしょうか。
これは私の見解ですが、自分の目で見た作品の魅力を、借り物ではない自分の言葉で人に伝えられる、ということです。
しかしこれが、いざやろうとすると案外難しい。
■学芸員が美術を語れる理由
私たち学芸員は言ってしまえばそれが仕事なので、日々美術作品に関する文章をバリバリ書いています。
でも、当然初めからそれができたわけではありません。
自分でも忘れていましたが、あらためて思い返せば遠い昔、学生時代に美術を語るためのスキルを叩き込まれていました。
学芸員になる人の大半は、大学および大学院で美術史という専攻に進みます。
学部時代には美術史の基礎的な勉強をして、大学院に進んでさらに専門的な研究に足を踏み入れます。その他に学芸員資格を取るために、博物館学関係の授業も受けるわけです。
では美術史専攻でどんな訓練を行っているのかを公開しましょう。