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ヌードの絵画史〜美術の歴史にハダカあり〜

先日、テレビをつけたら『日曜美術館』(の再放送)をやっていて、内容が国立新美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展」の特集でした。

東大の三浦篤教授がゲストの人たちに出品作品の見所を解説していたのですが、そこで出てきたのがルネサンス期のドイツを代表する画家ルーカス・クラーナハ(父)による《パリスの審判》。

ルーカス・クラーナハ(父※)《パリスの審判》
1528年頃、メトロポリタン美術館
※息子が同名のため「父」と表記されがち

それを観た娘(7歳)が一言。

「なんで裸んぼなのー?」

うん、そうだよね。

前に「名画ってなんだろう?」という話をしましたが、この名画と呼ばれるものには、とかく女性のヌードが多く描かれています。そうした絵が、うやうやしく美術館に飾られていると、つい大人は「芸術ってそういうものなのかな…」とがんばって納得しようとするかもしれませんが、子供は素直です。

そう、普通に考えれば、変ですよね。だって唐突に裸なんですもの。

てことで、名画について考えたついでに、絵画とヌードの関係についても考えてみたいと思います。ヨーロッパの中での歴史、そして日本に伝わってから。私自身漠然としていたのであらためて調べてみると、これが実に面白い!
娘と同じ疑問をもった人は、ぜひ最後までお読みください。


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