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フォースプレイスとしての美術館という可能性

こちら↓からの続きです。

「美術館はサードプレイスになり得るか」と考えてみましたが、そもそもサードプレイスとは家族や仕事仲間とは違う人間関係を育む場所と定義されているから、基本的に他者との交流が生まれない美術館はサードプレイスにはなりづらいという話を前回しましたね。

それでも私は、やっぱり美術館には家庭でもない職場でもないもう1つの場所として重要な役割があると考えています。

サードプレイスではないもう1つの場所という意味で、ここでは仮に「フォースプレイス(4th Place/第4の場所)」と呼ぶことにしましょう。

調べたところ、すでにフォースプレイスという言葉を使っている人はチラホラ見受けられますが、サードプレイスのように明確な定義を共有しているわけではなく、各々が自分なりの自由な定義で使っているようなので、私も気兼ねなくこの言葉を使うことにします。

フォースプレイスとは何か。
サードプレイスが人とのつながりを前提とする場所であるとするなら、フォースプレイスは「1人になって自分自身とじっくり向き合える場所」とここでは定義します。
家族の一員としての私でもない、職場で役割を与えられた私でもない、あるがままの私になれるのがフォースプレイスです。

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