11月7日に沢マン図解談義します。
現地取材に出かけて早一年半。連載すると言っておきながら全然連載できていない。のですが、実は水面下で地道に進めている沢マン絵本企画。突然ですが、著者×監修者による「図解談義」を開催します。
沢マンを探検した当日に感じたあの楽しさを、また絵本として知られざる建設プロセスを立ち上げているわくわくを、思う存分お伝えしたいと思っています。題して、
沢田マンション図解談義!知られざる建設プロセスの全貌
青山邦彦×加賀谷哲朗
●概要
日時:2019年11月7日(木) 19:30~21:00(開場:19:00)
場所:旅の本屋のまど(東京都杉並区西荻北3丁目12-10)
会費:1200円
(今回限定!制作途中の「沢マン絵本“下書き”ZINE」付き)
定員:40名
●イベントについて
屋上まで続く迷路のようなスロープ車路、スケルトンのエレベーター、クレーンが吊られた現在進行形の増築基地としての屋上工場、一つとして同じ間取りがない住戸。沢田夫婦が手作りでつくりあげた驚異の巨大DIY建築として知られ、まるで絵本から飛び出したような高知の「沢田マンション」。現在学芸出版社では、そんな"沢マン"を本当に絵本にしてしまおう!という企画が進行中です。
沢マンを建設した張本人、沢田裕江さんに取材中の青山邦彦先生
そんな本を手掛けてくれるのは、建築学科出身の絵本作家・青山邦彦先生。著書『大坂城 絵で見る日本の城づくり』(2016、講談社) などではその建設プロセスを歴史的な資料から読み解き、だれも見たことのない建設現場を絵本の紙面上に再現されました。今回のこの企画でも、沢田夫婦以外だれも見たことのない建設現場の全プロセスを絵にしている真っ最中。
屋上にある手作りクレーン取材中の青山先生
そして、監修をつとめてくださるのは、加賀谷哲朗さん。建築学生時代に沢マンを隅々まで実測し、建設エピソードを紐解いた『驚嘆!セルフビルド建築 沢田マンションの冒険』(2015、筑摩書房)を執筆されています。
下書き中。左手にあるのが加賀谷先生の著書『沢田マンション超一級資料-世界最強のセルフビルド建築探訪』
沢マン絵本をつくるには右に出るものがいないであろう最強コンビで、増築に増築を重ねたダイナミックな建設プロセスや愉快な暮らしぶりを紹介しよう……!と意気込んで現地取材に赴き、描き出してもらったものの、ふたを開けてみるとその実態を明らかにするのは至難の業。生き物のように日々生まれ変わってきた沢マンのプロセス解明はとうてい一筋縄では行かないのでした。
5階にある製材所と作業場
ページ割の打合せ中。このころから、細かく書けば書くほど、現場の謎が深まっていきます
重機一台、柱一本を描くにも、当時の建設現場を想定し、青山先生に建設プロセスをシミュレーションしてもらいながら、加賀谷先生に過去の資料を漁ってもらって裏付け資料を探し出す、というまさに発見の連続。その過程にはもちろん、新たな気付きや事実もたくさん潜んでいました。
実は道場だった、地下の多目的ホール
第1期工事がおわり、人が住み始めたところ。となりでは第2期工事が開始しています
4階にある、鯉の泳ぐ池
5階で沢田一家と共に暮らしている仔ブタさん
今回は、そんなまだまだ知られていない沢マンの魅力を解き明かすこの執筆プロセスを制作側だけで楽しんでいるのはもったいない、せっかくだから皆さんと共有して楽しんでしまおう!という会です。
ここでしか手に入らない40部限定の「沢マン絵本“下書き”ZINE(制作中)」もプレゼント! 絵本が完成したあかつきには、なぜここがこうなっているのか、この絵がこう変わったのか……などと見比べるのも楽しいかも。ぜひ、沢マンの世界を楽しみにいらしてください。
第3期建設中、終盤の現場は迫力満点。住民さんたちの暮らしぶりもまだまだ賑やかに描き足される予定!楽しみです……!
現在も現役の、エレベーターならぬリフト
●登壇者プロフィール
青山邦彦(あおやま・くにひこ)/絵本作家。1965年東京生まれ。早稲田大学理工学部建築学科入学、91年同大学院修士課程修了、建築設計事務所入社。95年に絵本作家として独立。著書に、『大坂城 絵で見る日本の城づくり』(講談社)ほか。
加賀谷哲朗(かがや・てつろう)建築家、加賀谷建築設計代表。1978年東京生まれ。2003年東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻修了、同年桑原聡建築研究所入所。2008年に加賀谷建築設計設立。著書に『驚嘆!セルフビルド建築 沢田マンションの冒険』(ちくま文庫、2015)、『沢田マンション超一級資料-世界最強のセルフビルド建築探訪』(築地書館、2007)ほか。
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