都会の自然を発掘せよ〜とうとうサメに手を出した #2〜
これは、「サメを釣りたいっ」という欲求に耐えきれず、東京湾のベイシャークことドチザメに挑んだ物語の続編です。
1年目を空振りに終えた私は「今年こそ」とややムキになりつつも、2年目を迎えたのだが…。
#1はこちらからどうぞ。
東扇島西公園にやってきた
2022年もサメの季節到来。
私は今年の釣り場に東扇島西公園を選んだ。
ここはサメ釣り大会の会場にもなる場所である。しかし、釣行を重ねても、サメの気配は相変わらずの「無」から始まってしまう。
挙句の果てに、今年のサメ釣り大会(第3回ベイシャークダービー)では参加者全体で1匹しか釣れないという珍事までおきた。
時期か。水温か。海流か。釣り人のプレッシャーか。魚がいなくなったということはないだろうが、ポイント選択に危機感を抱くのには十分な出来事なのであった。
※大会の模様は「磯・投げ釣り情報2023年2月号」で記事になっています。私も参加しましたが、釣れていないので登場なし。
キャンプ風で遊ぶ魚釣り
話は東扇島の私に戻る。
ふと見ると、陣地の周りには生活感が漂い始めていた。バーナを持ち込みカップラーメンを食べるのが楽しみになってきた。それにしても、寒空の下で食べるラーメンは絶品だ。早春、バスを求めて香川の野池を軽自動車で回った大学時代を思い出す。キムチの辛さに暖を求めたユニークな仲間たちとの日々が懐かしい。
あの頃から変わらずに魚釣りをできていることは幸せである。
おっと…昔話に浸っている場合ではなかった。しかし、これも魚釣りという遊びの一部だと思うのだ。
お湯を沸かすだけで楽しめるカップラーメンとコーヒーは、是非おすすめしたい。
○○○○でベストを更新してしまう
そんな中、一つの事件が起きる。
ある晩、私の釣竿に待望の反応が出たのだ。間髪入れずにリールの糸がグイグイ引き出される!糸の引き出され方がエイとは異なる。むんずと釣り竿を抱える。確かな手応えだ。「ついにドチザメだ!」と意気揚々の目の前で威勢のいいエラ洗いが見えた。
「エラ洗い⁉︎」
サメではないが大変なことが起きた。アングラー憧れのランカーシーバス(93cm)がサメ狙いの私に“釣れて”しまった。
そんな私の元に周りの釣り人の方々が来てくれ、「やりましたね!」「おめでとうございます!」と大いに祝福してくれた。
私は「どうも。どうも。」と頭をポリポリしながら会釈をした。
何とも申し訳ない非常に複雑な心中なのだった。だが、シーバス自己記録を塗り替えたのだから嬉しい…。
帰宅途中の車の中で「良くない流れ…だよな」と勘がはたらく。このまま東扇島で粘った場合、去年の二の舞になる気が強くした。
私はその勘を信じて場所替えの意思を固めた。
#3(最終話)に続く