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都会の自然を発掘せよ〜スモールマウスバス〜
スモールマウスバス。
日本では今から30年位前から耳にするようになった。裏磐梯や野尻湖で釣れると聞いて、裏磐梯に行き、初めて釣った時は嬉しかった。伝説のルアー&フライ雑誌『Tackle Box』の読者コーナーに投稿したのを覚えている。
時代は過ぎ、今では国内の様々な場所で釣ることのできる魚になった。都内を流れる一級河川もその例外ではない。AR川やTM川水系などでは四季を通じてアングラーの姿が絶えない。
私的なスモールマウスブームは定期的に
思い返せば私的スモールブームが過去に何度かあったので、ちょっとだけ振り返ってみる。
第1期 川スモール黎明期
20年前。KK川やKN川。高知の大学を卒業して都内に戻ってきたタイミング。主にラージマウスバスのフィールドとして開拓したが、5年くらいのうちにスモールマウスのフィールドに変わった。やはり流水環境ではスモールの方が優位であることを実感した。
ラバージグをミノーやスピナーベイトのように流れに乗せて操る使い方が最強だった。ブレードの無いスピナーベイトの感覚だ。
第2期 TM川覚醒期
TM川がスモールマウスのフィールドとして注目されてきた頃の春シーズンに、憧れの「出勤前に魚釣り」生活をやってみた。ルールは日常をそのままに、仕事のクオリティも下げない。単純に睡眠時間を削る。主に3〜5月。TM川といえばイモグラブのドリフトが鉄板だが、それに抗いミノーやペンシルで良型を手にしていた。50cm超えを手にして満足。
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第3期 地元の魅力発見期
コロナ禍での地元散策にて、TM川支流の自宅前の川に魚影を見つける。20cm位の子どもサイズだが、メバルワームで爆釣れ。ちょうど変わった「ガイド付きのべ竿」という極短ロッドでの遊びを模索していたタイミングだったのでちょうど良いターゲットだった。
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不都合な真実
にしても…である。TM川中流域でのバス釣りなど、30年前は想像し難い話だった。(下流域のラージマウスはそこそこ知れていた)
時の流れをしみじみと感じつつ、この問題にはしっかりと向き合っていきたい。
問題というのは、外来生物の帰化問題だ。実はスモールマウスバスの特集が雑誌で組まれることはほとんどない。あったとしても取材は裏磐梯か野尻湖。もしくはアメリカだ。
都内河川のスモールマウス。それはバス業界にとって「不都合な真実」なのである。
とはいえ、生き物に罪はない。都内河川のスモールマウスバスは、健気にも異国の水域に順応している。これも令和版「都会の自然」なのだ。
外来生物の問題は日本に限った話ではない。世界のあちこちで起きている。これは、世界中を人や物が行き交うこの時代だからこその問題といえる。とにかく、生物の国境越えが異常に速く、拡散範囲も過去とは比べ物にならない。
このような時代に、どのような対策を立てるべきなのか。どのような未来を描くべきなのか。