都会の自然を発掘せよ〜近所の大冒険 2023〜
日本の首都東京。
世間的?にどれだけ話題になったのか不明だが、釣り人的に2023年で最もド肝を抜かれたニュースがある。
ある若者が、国内生存率0.1%(!)と囁かれる超が100個くらいつく”幻の魚コクレン"を釣ったのだ。Yahooニュースに取り上げられなかったのが不思議なくらいだ。
日本の首都が育むポテンシャルを思い知らされた。
中国四大家魚制覇。
かつて私も齧った冒険。ご無沙汰にしているうちに激アツな若者が成し遂げた。
正直コクレンは国内達成は無理と踏んでいたから、今回のニュースには本当に驚きを隠せなかった。マジで凄い…。
さて、そんな激動の年にガチの”教員アングラー”として、自分なりの冒険の成果(獲物)を振り返ってみたい。
2023 都「内」で吠えさせてくれた獲物5選
1位 東京オヤニラミ Coreoperca kawamebari
小型ながらも憧れの魚をついに釣獲。
魚としてもカッコいいし、何より日本唯一のケツギョの系譜を受け継ぐオヤニラミは憧れだった。なお、”東京オヤニラミ”と言ってはみたが、ただの国内外来魚の普通オヤニラミである。
2位 近所のスモールマウスバス Micropterus dolomieu
この魚を釣りに福島県桧原湖に向かったのはおよそ30年前。大学を卒業して茨城県鬼怒川に通いつめたのは20年前。我がマザーリバー多摩川でスモールマウスバスが釣れはじめたのは10年前。
そして0年前の2023年。
ついに自宅前の里川でスモールマウスが釣れることになったのだ。
確実に魚の方から私の元に寄ってきた感がある。
外来生物の生息域拡大がもたらす在来の生態系のダメージは気になるものの、素直に一人のアングラーとして楽しんでみた。
3位 近所のラージマウスバス Micropterus salmoides
本来ならラージマウスバスでは興奮しない。それくらい、飽きるくらい釣ってきた。のだが、思いがけない形でこの魚と出会えたことに別の意味で吠えた。
ルアーへの反応が良い個体がいるなと思い、掛けたら「スモール⁈…いやラージ!!」
という胸熱展開。
4位 多摩川河口のツバクロエイ Gymnura japonica
「何だこの魚⁈」
アカエイ以外のエイは初めて。というか知らない魚が釣れたので「ウォおおおおお」。初めましての感動が多摩川の水中から。
クロダイを狙いルアーで底を引きずっていたら「もあっ」。
物は試しに掛けてみた。途中で「あーこの魚はエイだな。」と分かってはいたが…。見えた魚体が予想していたアカエイと違って焦る。
軟骨魚類はとにかく嬉しい。知らない魚はもっと嬉しい。
今年、東扇島でトビエイが釣れたようだ。新しい出会いがまた欲しい。
5位 近所のブラックマハシール(ニゴイ) Hemibarbus labeo
熱いレポートを世界の怪魚マガジンで読んだ。
ゴールデンマハシールTor putitora。
分類上、属もニゴイと異なるから「何となくマハシール」なのだが。
そうと思うとモチベーションは上がる。
狙おうとしたら意外に苦戦。
小型ミノーをドリフトさせて魚の目の前でクッとターンさせて食わせた。
産卵期の黒い個体がとにかくカッコいい。
番外 里川支流の小滝とドブガイB型 Anodonta japonicaの空殻
生き物は信じられないくらいにデカいと怖い。
それは魚だけではなく生物全般に言えることだと思う。とにかく、見つけたときにはそれだけビビった。また、そのシチュエーションも神秘的だった。
「君たちはどこからやってきたの?」
それはまだ謎であり、2024年の冒険テーマでもある。
2024 「都内で吠えさせてくれ」な獲物3選
① 湾奥クロダイ Acanthopagrus schlegelii
東京湾のクロダイはそこそこ有名だが、ちょっと変わった場所を突いてみたい。場所を探すことから始める冒険。
② ”デカ”マルドブガイB型 Anodonta japonicaの生息地特定
2023年からの継続課題。ゴルフ場内の池と水路が怪しい。「教育目的」という伝家の宝刀?を使う可能性あり。
③ 里川のニシキゴイ Cyprinus rubrofuscus "koi"
狙って釣れるかわからないが、少しだけでも確率を上げるための手段を投入予定。あの場所に居つくあの魚をピンポイントで狙う。
番外 フィリピンセブ島の淡水珍魚
いくつものスラムを抱えるフィリピンの”セブシティ”。
生徒の英語留学の引率という仕事で二週間弱滞在することになっている。2023.2月に行った2泊3日の下見でナニカガイルことは確認済み。異国という冒険。何が釣れるかわからないという冒険。ヤバい。
2024年もフィールドに立つのだけは間違いない
遊びも本気でやれば探究になる。
どんなに仕事が忙しくても、理科の教員としてフィールドに立つ。
少年の心を忘れずに、いつだって野生の冒険者でありたい。
そして、投稿が年内に完了したことでホッとしている。
「来年はもっと書こう!」
とも志してみるのであった。