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日々の学習をスムーズにする「ゴールの作り方」

 どうもこんにちは。GAKUです。

 オンライン学習や自宅での自主学習ってマンネリ化しがちですよね。子どもに限らず、大人だって同じはずです。特に小学生くらいの小さな子にとっては、学校や塾以外の場で集中して学習するというのは、極めて困難だと思います。学校でもあまり集中できてないケースも多々ありますが…。

 この記事では、子どもに学習を促す際に「正しいゴールの作り方」を理解する必要があるよ、ということをまとめていきます。子どもをおもちの方や、実際に学校で学んでいる学生にも有効活用できる方法となっています。

 では正しいゴールの作り方についてポイントをお教えします。

・時間と学習量を明確にする
・上の目標と下の目標を設定する

 基本的にはこの2つだけです。これにプラスして、「それぞれの子の性質」を考慮する必要があるのですが、それを判断するための手段が、上に挙げた2つとなっています。

時間と学習量を明確にする

 当たり前といえば当たり前な話なんですが、「何を」「いつまで」に終わらせるかをはっきりさせる必要があります。
  ・3日後までに
  ・36ページから39ページまで

 などと明確に数字で簡潔に表しましょう。ただ「がんばりなさい」だけでは当然子どもは動きません。大人の方だってきっとそうでしょう。しかし、これだけで勉強の問題点が解決することはそうありません。むしろこれだけで解決したらかなりのできる子です。

 例えば上のようなケースであれば、3日間で4ページの内容を終わらせる必要があります。1日に1ページはやらなければ終わりません。ぼくならば、1日2ページやるよう提案します。

  1日目:2ページ
  2日目:2ページ
  3日目:やりたいことに時間を使う

 このようにすれば、やるべきことが明確になったのと同時に、3日目に遊びの時間ができる、というモチベーションが生み出せます。しかし、これだけではまだ足りないでしょう。

 ぼくが4年間塾講師としてみてきた限りでは、これだけやっても結局予定通りやらないというのがお決まりのパターンです。前日に焦って全て終わらせてきたり、そもそもやってこないこともよくあります。
 「うちの子もそうかもしれない」「私も他人事じゃないかも…」そう思う方もおそらくいるはずです。人間は怠惰な生き物なのです。そうなるのは仕方ありません。そのための打開策も準備してあります。

上の目標と下の目標を設定する

 まず上の目標と下の目標についてきちんと定義しておきます。上の目標というのは、「ここまでできたら理想」のラインです。下の目標は「最低限ここまではやらなきゃ」というラインを指しています。
 公立の小中学校に通う子どもの場合、成績が上位20%(高校受験でいう、偏差値60程度)に入っている場合は、決められた内容を期日まで終わらせることが下のライン、内容を理解し苦手な部分は復習することを上のラインとすべきかと思います。もちろんその時の課題量や成績を照らし合わせて調整してみてください。
 ではそれ以外の約80%の子どもはどうすればいいのか、説明していきます。彼らが設定すべき上の目標はその課題自体を自力で完了すること、です。

え?それが普通の目標なんじゃないの?

 と思うかもしれません。しかしもともと自力で学校のタスクをクリアできているならば、学校の授業にはあまり苦労しません。それに、学習内容の基礎を理解すると、中学では偏差値60程度は取れるようにできています。
偏差値だけで全てを語ることはできませんが、それなりの傾向は読み取ることができます。

~50 : 基礎的な暗記事項や計算分野、語彙などが不十分。
50~55 : 基礎は一通り身についているが、応用問題での使いどころをおさえていない。
55~60 : 応用問題を解く手順が理解できている。試験傾向への慣れ具合によって偏差値が変動しやすい。
60~ : 基礎はほとんど定着しており、多くの発展問題でも解き方が把握できている。ケアレスミスのウエイトが大きくなる。

 高校受験での偏差値を用いてレベル別の能力について説明してみました。必ずしもこれに一致するとは限りませんが、概ねの傾向は当たっているはずです。
 仮にこれらの通りであれば、偏差値50未満(つまり半分ちかくの子どもたち)にとっては、演習をすることよりもまずは基本をインプットすること、教科書を見ながらでも答えを出すことを目標としなければいけません。

 「自分で考えろ、いつまでも教科書ばっかり見るな」とつい言いたくなってしまう方もいるかもしれません。実際にぼくがこれまで見てきた生徒の親御さんでもそういう方はいらっしゃいました。お気持ちはわかります。しかし、脳内に最低限の知識それを使う上での判断材料が無ければ、「問題を解く」というステージには立てません。

 だいぶ話が長くなってしまいました。ではその基礎が不十分な子どもにはどのように下の目標(最低限達成しなければならない目標)を設定すべきなのかを説明していきます。
 基本的には、「一旦制限時間を設けること」と「制限時間が終わったら答えを写すこと」を目標としてください。

塾の講師が答えの丸写しを推奨するなんてどういうことだ!

 なんて言わずにもう少しお付き合いください。制限時間をとりあえず設定して、その時間はきちんと考えることを優先してください。時間内に終わらなかったら、赤ペンや青ペンで正しい答えを書き込んでください。
 その際に、問題と答えをきちんと結びつけられるかに焦点をあててみてください。その中で、これなら覚えられる!と思うものを3つか4つ選び、その日のうちに必ず覚えるようにしてください。

勉強が苦手な子に必要なのは、考える力ではありません。わからないものを分解して、ひとつずつ確実に理解していくことなのです。

まとめ

・「時間」と「タスク」で目標を明確に
・基礎がほとんど身につけば、上位20%に到達できる
・考える前に考えるための材料を仕入れること

 特に年齢の低い子どもの学習は、親御さんのケアがとても重要になります。塾などの教育サービスに頼るのもありですが、決して丸投げはしないでください。塾でより質の高いインプットができるように、家庭では学習環境の土台づくりに励んでいただければ幸いです。

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