学校の学校⑺ 学校の先生は感情を揺さぶるな!
こんにちは。1週間目の投稿です。
学校の学校は、坂口恭平先生のお金の学校の卒業生の、吉田カンゾーが始めた学校です。学校についての学校、学校を楽しくするための学校、あるいは学校に行かないための学校・・・なんでもいいんですが、というか自分でもわかっていないんですが、とにかく学校の学校です。中学生とか高校生に読んでもらいたいと思っています。
吉田カンゾーは8月まで10年間学校の先生をしていました。ですが、体調を崩して辞めました。止めましたと言ってもいいかもしれない。辞めることができたのは坂口恭平先生のおかげだと思っています。その話は第1回目の授業でしました。
さて、これまで話してきたのは、学校が行う人権侵害(期限が1週間以内の宿題・クラスのまとまりという名の放課後の強制)にどう対抗できるか、というはなし、いやそれ以前に、それは人権侵害だから相手にしなくていいと言うことと、そもそも、「あなた自身が一番大事」という人権侵害に対抗するための価値観でした。
こう書いてくると、なんか私は学校を全否定しているみたいなんですが、全くそんなことはありません。いい先生の仲間がたくさんいます。いい先生がたくさんいるのを知っていますし、学校という場に魅力や希望を感じている先生も生徒もたくさんいるのを知っています。でも、今のままじゃやばい。そう思っています。じゃあ辞めないで自分が変えればよかったのでは?と思うかもしれませんが、体調を崩したんだからしょうがないです。体調を崩してまでやるべき事なんてありません。
学校が良くなるために、特に中高ですが、すぐやった方がいいと思うことは次のようなことです。ちょっと書いておきます。主に中高を想定しています。
1.学級担任制の廃止(少なくとも2人担任制)
2.教員による暴力(物理的・精神的)の厳罰化
3.部活動の廃止
4.教員一人当たりの授業の上限は週12時間(週12時間でも非常勤講師が手取りで20~30万/月はもらえる給与に)
5.完全週休2日制
6.学校の授業開始は10時・終了は17時で放課後の活動は基本なし。
いや、適当にちょっと書きました。まあいいです。今日はちょっとなんかあんまり書くことが浮かばなくて全然流れていないんで、書きながら考えるを実行しますよ。
「教師が感情に揺さぶりかけてくるのやめてほしい」みたいなツイートがしばらく前にバズっていました。恥ずかしながら、私目からうろこでした。なんでかわかりませんが、少なくとも日本では「感情に語り掛けられる教師がいい先生」っていう認識がありますよね。なんですか? 金八先生の影響? でもたしかに、「感情に語り掛ける」必要なんて教師の仕事をするうえではないんです。たしかに、手法としてそれが有効な場合もありますけど、マストではない。なのに、ほぼすべての場面で感情にゆさぶりかけてくる教師もいますよね。いや、それされたら苦痛で仕方ないなって私なら思います。自分の感情、自分でマイペースに維持したい人にとって、なんかいろいろ働きかけられたら苦痛で仕方ないと思います。
他の仕事でこんな仕事ありますかね? 感情に働きかけることが基本になっている仕事、そんな仕事ないですよね。教師の仕事は基本的には勉強ができるようにすること、生活の中でできないことができるようにすることです。別に、感情に働きかけることじゃない。でもなんか、働きかけることが目的になってたり、働きかけること=感情が動くこと=成長!みたいになっちゃってる先生いません? いますよね?
卒業式で、泣かせるのが仕事なの? 違いますよね。卒業式が思い出深くないよりは思い出深い方がいいですけど、そこ、必須じゃないです。必須じゃないのにそこに一生懸命になっていたり、生徒もそれがいいなと思っていたり、「あのときのあの感動が忘れられない」みたいなのが教師の仕事のモチベーションみたいになっていたり。名前忘れましたけど、教師の間では卒業式で全部チャラになるみたいな現象があります。教育学者がそういうことを言っていたはずです。ブラックな働き方、うまくいかないことがたくさんある、おかしいことがたくさんある、でも卒業式は感動! そうすると、年度末はその感動のうちに過ごし、また次年度が始まってしまう。大した反省も修正もなし、そんなことがあると。いや、それめっちゃわかりますよ。終わり良ければ総て良し的なところは、学校にはたくさんあります。感動すること、感動に感動する感受性は、教師にあった方がいいと思います。生徒が思い出にしたい卒業式で冷めてるよりは熱く語れる方がいいですね。でも、それがメインではない。他にもっとやるべきことがある、で、まあ、教師に全然かかわらないというか、もっともっと感情に働きかけないというか、もっともっとドライな教師像っていうのが、昔はあったと思うんですけど、なんか今、子供が減って、学校同士が存続をかけてパイの奪い合いをして、どの学校も「物語」を大事にし始めた結果、ドライな教師像・関わらない教師像ってどんどんどんどん顧みられなくなっていると思います。
私の出身の私立の中高一貫校は、自由放任の指導理念があり、大学の系列校だったので進路指導もないため、全く感情に働きかけてこない先生たちの集まりでした(私は運動部所属でもなかったし)。だから、たま~にやりとりのなかで先生がこちらの感情を動かすようなことを言うと、「おーあの先生いいやつなんだな」って気づいたりするようなそんな感じでした。
私が仕事していた時、全くそんな感じじゃなかったです。自分自身。クラスでは行事ごとに感情を揺さぶり、部活動でも感情を揺さぶり、高3を持てば「夢を叶えろ!」と揺さぶり続けました。いやーまじ、面倒くさいですね。今思うと最悪です。放っておいてほしい。でも、そんな私を、いい先生だと言ってくれる生徒も保護者もいました、同僚も。いやこれ自慢ではなくて、なんかそれ、おかしくないですかね? 感情に働きかけることが場合によっては必要で、それができる先生がいることは大事にされるべきですが、それって「いい先生」の基準に必要ですか? 要らないと思います。
なんかこう言うことの積み重ねが、先生の仕事を膨大にし、先生は人権侵害をするようになり、保護者や生徒や管理職もそれを求めるようになっちゃって、誰も楽しくない、胸に手を当てて体に「どう?」って聞いてみたら、「楽しくない」って全員が実はいうような状況に学校はなっている。
いや、物語大事だと思います。物語は人にいろんなものを伝えます。学校に物語があることは大事だと思います。そして、学校を選ぶ側に入る人にとってはその物語を基準にするしかない部分もあるかもしれません。でも、そこを大事にし過ぎでは? 感動を商売の道具にし過ぎでは? そうすると苦しくなるだけなのでは? 話しが飛躍するようですが、自分でやったことの責任を自分で取れないことになりません?
ですからね、今日の学校の学校の授業は何かというと、みんなは学校に感動を求めてはいけないと言うことです。感動を求めて、感動を価値基準にすると、学校の先生はの求めに応じますから、自分たちで首を絞めているようなもんです。学校の先生たちが苦しくなれば当然学校自体が苦しくなります。ろくに準備もできなかった授業をやるしかなくなりますし、つまんない授業や間違えてる授業で生徒を「勉強させる」には力を振りかざすしかなくなりますし、カリキュラム通りに進める以外の余裕はなくなります。そうするとみんなも苦しくなりますよね。なんか真綿でお互いの首を絞め合っているような状況です。
いやなんかね、だからもっと淡々と学校生活を送ろうよってことです。感動に先生は入れなくていいんです。友達同士で感動していてください。別に感動はなくてもいい。いい先生とかハズレの先生とか、そういうのよくないですよ。だれしもハズレは嫌がりますから、自分に得意じゃないことを先生たちがやらなきゃいけないことになります。勉強は教えなきゃいけませんよ、それは不得意なら教師をやるべきではありません、そこは間違いない。でも他の不得意なことをやらなきゃいけない、それって必要なの?ってことです。
学校に期待しすぎ、学校も期待に応えすぎ、そんな状況があると思います。だからね、吉田カンゾーがもし自分で学校を作るとしたら、超淡々とした学校を作ります。でも、超淡々としているけど、一人ひとりの先生と時間をかけて話すことがたまにあったりすると楽しい、あーこの先生はこんなことを考えているのか、こんな人生を生きてきたのか、聞くと答えてくれる。へーってなる。学校皆で感動したりはしないけど、好き(フィリア)なものを介した好きな者同士の集まり(フィロス)があってそのなかで、楽しみや感動を味わえる。授業の中で、もちろん知識を身に着けるための学習もある、たくさん本を読んだり覚えたりすることもあるけど、一緒に活動する時間もあって、そんなときはフィロスを超えたゆるやかな協力関係が生まれる。そんな学校でよくないですか? みんな声は小さい、大騒ぎしない、感動して泣いたり騒いだりしない。先生も全然感情にはかかわって来ない。いやーそういう学校をつくりたい。いいねと思った人は♥ください。昔はそういう学校あったと思うんですけど、今あんまりない。
で、生き方を教えるんです。お金の稼ぎ方、どうやって仕事を作るか、どうやって生きていくか、そういうことも教える。学ぶ。なんか今の中等教育は急に「起業」にシフトしだして、まあそれはわかります、ひとりで、でも周りと協力しながら問題を解決していく、自分なりの信念を持つ、みたいなのが、「いまの教育」にめっちゃマッチしています。でも、まあそれはひとつですよね。大学に入って、いい会社に入ってっていうのが一つの選択肢でしかないことがわかったように、起業を増やしたって2つです。それじゃ全然足りない。もっともっと多くの、生きるですね、それを学んでかなきゃいけないって思います。このへん、まだ全然わかりません。今日は終わり。寒くなってきました。寒いのが苦手な人、体調崩しやすい人は無理しないで。水を飲んで寝ると、深夜に身体があったまりますよ。