20年後の9・11、次の20年後に向けて
それぞれの9・11、私の場合
代表理事の新里です。
今日は、私個人の経験から書きたいと思います。
ちょうど20年前の今日、私は大学受験を控えた高校3年生でした。
よく覚えています。寮の部屋でうたたねしていると、親友に「寝てる場合じゃないぞ!」と起こされました。
あまりの光景に、映画のアクションかのように現実味を感じられませんでした。
そこからは、ほとんど自分が敷かれてきた受験勉強に価値を感じることが難しくなってしまいました。山の上にあった寮で、今のようにネットで何かを調べることが難しい(そもそも携帯電話は禁止物でした。持ってましたが)時代でできる限り紙媒体で世界はどうなっていくのかを知ろうとしていました。
そこで、「学ぶ」ことや「識る」ということに対してや、世界の見方を自分で得ることへの意識が大きく変わったように思います。
おそらく、私の世代の皆さんには同じように「それぞれの1・17(阪神大震災)」があったのではないでしょうか?
それぞれの3・11、私の場合
2011年の3・11、私は大阪で塾講師をしていました。
2時46分、大きな揺れを感じました。あまりにも長い横揺れにただことではないと感じました。しかし塾にはテレビもなく、仕事帰りに食事をした先のテレビ画面で津波や東北がどうなったのかを目の当たりにしました。
翌日、午前中のイベントを終えた休みはずっとテレビを観ながら泣いていたことを覚えています。
そこからは、さらに何を学ぶべきなのか、識るべきなのかの領域を広げました。体や生態系のことを考えると微生物まで行きつきました(今のイチ推しは株式会社BIOTAさんです。「微生物多様性で健康な都市を創る」、なんて素敵!)。他にも様々なことに目が開かれたことは今の私の思いや知見につながっています。
未来に何を残せるのか、当時感じた思いはどこかでGAJYUMARUにつながっているのかもしれません。
同じように、「それぞれの3・11」があるのだろうと思います。
大きな「社会的体験」がもたらすもの
このように、私自身も小さい頃からオウム真理教や阪神大震災、9・11、3・11と社会的に大きなインパクトを残した出来事に影響を受けてきました。
それだけの大きな出来事は、やはりその時代を生きる人々の人生や意識に大きな影響を与えるようです。
そして今、未だコロナ禍の中にある私たち。
子どもには、どんな影響があるのでしょうか?
それが、私がGAJYUMARU設立に至る直接的な契機となりました。
コロナ禍が長期化するという読みをした際に、これは沖縄の未来にとって大変なことになると直感しました。
移動制限が長期化することは、観光産業が主力である島に大きなダメージをもたらします。また、それによりほとんどの資本やエネルギーが目前の対策に投下されることは当然すべきでもあり、容易に想像がつきました。
しかし、教育はいわば未来への投資であり、将来の実りのために耕していくような営みです。目前の対策に集中するあまり、既に経済格差・情報格差・機会格差にさらされている沖縄の子どもを思うと、20年後・30年後の沖縄の未来にかなりの影響があるのではないかと危惧しました。
子どもたちに、どんな影響があるのだろうか?
では、今回コロナ禍という全く未知の事態に置かれたことで、子どもたちにはどんな影響があるのでしょう?
・中等度以上のうつ症状がある子どもの割合が、高校生30%、中学生24%、小学4~6年生15%
・2020年の子どもの自殺過去最多、2021年はさらに去年を上回る推移
などが既に指摘されています。これらの問題は様々な原因が複雑に絡まり合っていると考えていますが、一つ言えるのは「待ったなし」だということです。
そして、未曽有の事態だからこそ、想像の難しいことが10・20年後になって立ち現れてくる可能性を私は危惧しています。
社会の分断を防ぐ
私個人が最も危惧しているのは、社会の分断です。
この未知の状況において、それぞれの正義や正しいと思うことが分かれることは当然です。
しかし、その「正義」がいたるところでぶつかり、社会に分断を生まれているように私には見えています。
分断が進んでいく社会を見て、子どもたちは社会に希望を抱きづらくはならないでしょうか?
私たちは、その意味で子どもたちのために私たち自身の社会をどう運営するのかが問われているように思えてなりません。
また、格差拡大という意味においても、分断は深まっています。
GAFAなど、この状況だからこそ伸びたプラットフォームビジネスのようなケースあれば、当然多くの業種はダメージを受けています。
そして世界的にも、既にあった格差はコロナにより様々な形で拡大しているようです。
すなわち、格差が拡がっていても、人々の分断は進んでいく。
ケアが必要な人や子どもたちに、必要なケアが届きづらくなっている。
だからこそ、私はこのNPO法人に「沖縄をつなげる」という文言を盛り込んでいます。
どうか、これ以上人々が分断されませんように。
そして、極力すべての子どもたちが取り残されず、できれば複数の人たちからの手が差し伸べられていますように。
背景に使った写真のような未来が描かれていますように。
先日、石垣への飛行機とイベント予定をキャンセルしました。
大阪でもどかしい思いに苛まれつつ、あの日から20年後の今日は、次の20年後に今の子どもたちが何を思うのかに想像を巡らせています。
※だからこそ、オンラインイベントで最高のものができそう!できるだけ早くnoteでもお知らせしますね!!
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9月は毎日noteを書いて、GAJYUMARUについて皆さんによくご理解いただけるようにしていきたいと考えています。
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