小さな暮らし
昨日の残りの小松菜と、鯖の缶詰めでパスタをつくった。
にんにくはオリーブオイルでじっくり炒める。
パスタを茹でるお湯には、塩は入れない。どうせほとんど捨てちゃうんだもん。
ひとりで暮らす、狭くて古い部屋。端から端まで、大股6歩。
必要最低限の荷物だけで、ここへ越してきた。
30歳を過ぎて、人生で初めてのひとり暮らしだ。
敷布団と、アウトドア用の折り畳みテーブル。図書館で借りた本。畳にごろんと寝そべると、下積み時代の芸人や漫画家の気分。イメージだけど。
そんな部屋に、何を積み上げるでもなく、ただただ暮らしている。
ここへ来てから、必要なものを必要なだけ購入する癖がついた。
部屋が狭いから色々買っても邪魔になるし、そもそも、生活に必要な道具の数がぐっと減った。
掃除機が無くてもほうき1本で事足りるし、洗濯はコインランドリーへ行っているから、洗濯洗剤も、洗濯機を洗うための道具も、ハンガーもいらない。キッチンも狭いから、洗い桶とか、水切りラックも置けない。使った食器はすぐに洗って、しまう。だから、お皿もあまり必要ない。
冷蔵庫も小さいから、食べたいものをその都度買う。食品のロスもほぼ無い。
丁寧な暮らしなんてもんじゃない。自然と、部屋のサイズに合わせた暮らしになっているだけだ。
なんか、すごく楽だ。
なんで以前は、あんなに色々なものを買っていたんだろう。そして、捨てたり、管理したり、ケアすることに追われていた。生活を豊かにすると思って手にしていた余剰分のしあわせに、知らない間に翻弄されていたな。
足りないものなんて、ほんとはあんまりないんだね。
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