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香港映画が熱いのは、英国統治時代の香港が歴史になったからかもしれない〜『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件(金手指)』が描き出す香港ドリームが生きていた80年代
1.いま香港映画が熱いのかもしれない
2025年2月2日、朝から日本橋のTOHOで友人と『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件(金手指)』を見てきた。『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』つながりで、いま香港映画熱いのかもしれない!?と思って見たが、まさに思った通りだった。
これは連続で見たい映画だ。
どちらも香港が熱かった時代をノスタルジーとして振り返る構造になっており、これは英国統治時代の香港が、本当の意味で歴史になったので、描かれるようになっている目線なんだと思う。映画はこういうシンクロニシティがあるからたまらない。両作品とも、基本の舞台は、1980年代の香港。
2014年香港反政府デモ(雨傘運動)以降、特に2020年の香港での反政府的な動きを取り締まる中国の「香港国家安全維持法」(国安法)以降は、古き良き時代の香港を懐かしむ傾向が生まれているのだろうといわれています。
これは香港ドリームが生きていたバブルを扱った作品。巨額の金融詐欺事件の首謀者チン・ヤッイン(程一言)をトニー・レオンが、15年以上も執念深く彼を追う汚職捜査機関・廉政公暑(ICAC)の捜査官ラウ・カイユン(劉啟源)は、アンディ・ラウが演じる。
基本的に、この二人の追跡劇が、この映画の骨子。
トニーレオン扮する主人公チン・ヤッイン(程一言)は、難民として、何もないどころか、大きな借金を抱えながら、香港に逃げてくる。この、何も持っていない男の、超成り上がりストーリーが、この作品の軸で、これを摘発しようと人生を賭けるラウ・カイユンのドラマトゥルギーがこの作品です。
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