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絆の強さがストレートに光る香港映画の傑作『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』
香港映画として歴代No.1の動員だけある大傑作
大傑作。シナリオを丁寧に考えても、僕らの常識からしても、それは、主人公の仲間たちが選んだ道は、明らかな損。しかしながら、損得を無視する、その瞬間の輝きが、胸に迫る。昨日、『室町無頼』を見にいって感想を書いていたんですが、「なぜ主人公が、人を救いたいのか?」の論理的な動機の設定が弱いみたいなことに、不満を書いていました。僕は、映画を、主人公の動機で分析するのが最初の視点なので。けれども、昨日に比較して、この主人公チャン・ロッグワン(陳洛軍)なんか、もっと何にもないよ!。言い換えれば論理的に分析したら、動機なんか全然わからないし、描いていもいない。でも、雷が打たれたように、胸に迫る!。
これだよこれ!これが物語ってやつだよ!
映画で、というか人間を描く時に最も大事なのって、やっぱりこれだよなー。ラストシーンの4人のシーンとか、なんか、深い余韻が止まらなかった。終わった後に検索して見たら、やはり大ボス(大兄貴) は、サモ・ハン・キンポー(洪金寶)だし、ロン・ギュンフォン(龍捲風)は、ルイス・クー。実は、香港の大スターがたくさん出ている。しかし、そんなこと関係なしのエネルギーを感じる映画です。
「トワイライト・ウォリアーズ」友情・努力・勝利の方程式は自分の中の少年の血を煮えたぎらせる。そして過ぎ去った、ある時代への浪漫。私は過去に数回香港を訪れているが、93年にはじめて香港に行った時、ちょうど取り壊し中の九龍城砦を見ることが出来た。#映画 #eiga #トワイライトウォリアーズ
— ノラネコの呑んで観るシネマ (@noraneko285) January 29, 2025
これは、2025年の中でも、上位に残るであろう胸熱の作品。香港で、動員凄かったというのか頷ける。これって、共同体が残っていた時の、ノスタルジーなんだよね。もしかして、物語って、こういうのを紡いでいく効果があるんだなーって思う。この映画を見て、九龍城砦の思い出を香港人が語りまくってるってのそうなのは、わかる。本当に、こんな共同性があったか、義と友情と深い絆があったかは、正直わからないけど、遂に、香港が香港らしかった猥雑性が歴史となってノスタルジーとなったんだなって思う。
1980年代の香港を舞台としていて、主人公の陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、密入国で香港に入ってきます。賭けボクシング?で、買ったお金で身分証を買おうとするところから物語は始まるのですが、そこで大ボスから雇われないかと持ち掛けられるが、黒社会に入るのを拒んだことから、追われる立場に。逃げ込んだところが、九龍城砦だった。
それにしても、まあ一本調子の脚本。難民で香港にたどり着いたチャン・ロッグワン(陳洛軍)が、家族の安心も、何も知らない、何も持っていない、無い無い尽くしで、生きてきたけど、拾われた九龍城砦のロン・ギュンフォン(龍捲風)のもとで、帰るべきところを見出してゆくのは、まあ、当たり前と言うか、それしかないだろみたいな、頭で考えたらわかる、本当につまらない当たり前の話なのに、もう、途中からドッカンドッカン胸を打つ。ああ、これがドラマだなぁと思う。
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